無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
中学生のときに初めて吉本ばななさんの小説を読んだときに深い衝撃を受けて、それから大人になって今まで、全作品ではないものの折に触れて読んでいる。
そして読むと、どんな内容であっても「あぁ、吉本ばななさんの作品だな」と思う。スタイルが一貫している、と感じるから。
この作品は「哲学ホラー」と銘打っているらしい。主人公は、双子のミミとこだち。幼い頃に事故で父親を亡くし母親が寝たきりになってしまって以来、2人で支え合いながら生きてきた。しかしある日、こだちが突然失踪してしまう。それは、寝たきりの母を眠りの世界から救うためだった。
交通事故の原因、異世界人、屍人、夢見の才能、そしてこだちの行方。故郷の吹上町で明かされる真実が、ミミの生来の力を目覚めさせていく。
半ホラー半ファンタジーな世界観なのだけど、根底にはやはり吉本さん特有の優しい哲学みたいなものに満ちている。
人間ではないもの=異世界人がかつて根ざしていた場所が吹上町にはあって、その名残がまだある現在、異世界人の血を引く者たちはおのおのの能力を持ちながらも人間に紛れて暮らしている。
だけどその血の力は無いものにすることは出来ず、それがミミとこだちの両親が起こした事故にもつながっている。
不思議な能力を持った人は実際の世界にもいるので、そういう人たちももしかしたら…なんて思わされるリアリティがあった。
失踪したこだちを探すミミは、伝説の双子占い師や、町の墓を守る通称墓守くんや、異世界人の末裔である毛むくじゃらの勇などと知り合うのだけど、どの人もこの世と別の世界の境目で生きているような浮世離れしたところがありつつも、しっかりと現実の中で生きている。
生きること、ひいては人と共存していくことについて考えた。思い通りにならないことの方が多い世界で、自分を確立していくこととは。
この小説はシリーズの1冊目なので、続きを読んで明かされていくこともきっとたくさんあるはず。
というわけで、1冊目のレビューはこんなところで。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。