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幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った主人公・弥生には、幼い頃の記憶が欠けている。
彼女は何かに導かれるようにして、叔母ゆきのの家を訪ねる。そこで見つける、懐かしく切ない想い出。雨の日、木が生い茂る森のような庭の中に建つ家、ゆきのがパジャマで床に座っているというシーンが印象的。弥生の周囲で人が死んだり、そのことで悲しんだりするのですが、その思い出を乗り越えるというよりは、思い出と一緒に前に進んでいきます。弥生と哲夫、ゆきのと正彦。恋愛をしている二人の関係性と、恋する気持ちの描写が可愛らしいです。この本が最初に出版されたのは1980年代なのですが、全く古い感じがしません。ただ、現在と違う軽井沢の風景には、おおと思いました。
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