年末にかなり面白いゴーストストーリーに出会えた…!
(クリスマスには間に合わなかったが)
心霊スポット・事故物件が持て囃される幽霊の国・イギリスらしい味わいのある怪談ばかり。
名物の古い屋敷に染み付いた幽霊譚はもちろん、異色の廃船での心霊談、美しい風景描写が際立つヨーロッパアルプス版山の怪談、年の瀬
...続きを読むの薄暗さのある幻想文学…と、違った風味の、ほどよい長さの作品でまとめられて、違った雰囲気を味わいながらサクサク読める。
あいだにある「胡桃邸の幽霊」は箸休めにとても良い一編。
「青い部屋」の面々はキャラが立っており、このメンバーでの別な話も読んでみたい気持ちになる。
クリスマス・年末には、キリスト教より古いケルトなどの世界観では妖精や異界の住人が顔を覗かせるという。
キリストや聖人の誕生日や祝日も、元はこれら古い信仰の影響を受けているとか。
それを思えば、「クリスマス・キャロル」含め、この時期に幽霊が顔を出して、こちらがそれらを出迎えるのもなんとなくわかる気がする。