無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
三津田作品2冊目。ハマってしまいそうなムーブ。前から言ってるけど澤村伊智と似ている。澤村伊智から毒気(人怖)を引くと、三津田信三になる感じか。いや澤村伊智が三津田信三に影響されたんだね。ただ怖いだけじゃなくて思わぬ伏線回収があるところも癖になる。
この短編集も基本僕(三津田氏)が人から聞いた実話怪談という体で語られる(本当に聞いた話なのかもだけど)。
『怪談のテープ起こし』でもそうだったが、今作も怪異の解明はされず謎のまま終わる。三津田作品の特色なのか。
【収録作品】
「夢の家」
異業種交流会で出会った女性に次第に異様さを感じた男が夢の中で女に追い詰められていく。
夢の話が怖い。誘われるまま門扉から庭、玄関先へと日に日に家に近づいてしまう……
「ついてくるもの」
空き家の裏庭にあった雛壇からお雛様を持ってきてしまった日から私に降りかかった恐ろしい災厄。
これが一番恐ろしかったかも。手足目が片方欠損した雛人形も謎だけど、なぜお雛様だけ無事なのか。雛壇を見つけてしまった日からもう彼女は魅入られていたのかもしれない。
「ルームシェアの怪」
四人でルームシェアをしている主人公が2階の部屋の女性の不気味な行動に悩まされる。
終盤、思わぬ真相が判明する。わけがわからないけど怖いってこういう状態のことを言うのだろう。
「祝儀絵」
叔母が古道具屋で購入した婚礼の絵をプレゼントされてから、婚約者だと騙る女の存在に脅かされる語り手男性。
これは……いろいろと違う意味で怖かった。叔母の心境を想像するとより恐ろしい。
「八幡藪知らず」
決して入ってはいけない〈無女森〉に入る計画を立てた恵太たち。翌日から恵太の家の郵便受けに中止を促す謎のメッセージが……
解説の千街さんも書いてるけど少年同士の引くに引けないで決行せざるを得ない流れがリアル。
「裏の家の子供」
中古の一軒家に住んだ女性が子供の足音や騒ぐ声に脅かされる。
裏の家を女性が訪ねたときの女の子の描写がめちゃ怖い。戸口から床に寝そべっているような感じで顔しか見えないの。騒音の正体が2段階でわかるのも怖いけど面白かった。
「百物語憑け」
著者デビュー作出版当時、百物語の不気味な符号に合った話。短編そのものよりデビュー作『ホラー作家の住む家』に興味が出た。
Posted by ブクログ
いわゆる「憑き物」の短編7つを収録。それぞれ次のとおり。
『夢の家』は、思い込みの激しそうな女性とのつきあいを断ったら、妙な夢を見るようになった会社員の話。表題作の『ついてくるもの』は、夜逃げしたと噂される家の裏庭に打ち捨てられていた雛人形のお姫様を拾った少女の話。『ルームシェアの怪』は、若者4人がルームシェアする一軒家に住むことになり、2階の住人を気にするOLの話。『祝儀絵』は、年の近い叔母から不気味な絵をもらって以来、周囲に異変が起きる男性の話。『八幡の藪知らず』は、絶対に入ってはいけないとされる森を訪れた少年たちの話。『裏の家の子供』は、引っ越し先で裏の家の騒音に悩まされる翻訳家の話。『百物語憑け』は、文庫化に当たって新たに収録された話の模様。
どの話の主人公にも恨まれるような非はなく、たまたまそこに居合わせてしまったせいで憑かれたというのがゾワ~ッ。
いずれもホラー作家の「僕」が執筆依頼を受けて原稿を書くに当たり、昔から集めてきた怪異譚のメモ等を見て思い起こすという構成。その過程でM・R・ジェイムズなどホラー作家の著作が挙げられるのも楽しい。そちらも読んでみたくなるものばかり。
三津田信三の書く怪異譚には強く惹かれます。どれも著者本人が実際に聞き取ってきたかのように進められる構成は、恐怖を煽るための仕掛けで、話自体はフィクションにちがいないと思う気持ちと、もしかしたらどこかで本当にあった話かもと思ってしまう気持ちと。グロいシーンは一切なく、昭和の風景が目の前に広がるようでもあり、ちょっとした郷愁を感じます。ただヒタヒタと怖いけれど、怖くて眠れないほどではない。ホラーがものすごく苦手な私にとっては、これが読むに堪えるギリギリの線だと思われます。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。