あらすじ
実話怪談の姿をした七つの怪異譚が、あなたを戦慄の世界へ連れていく。薄気味の悪い男が語る夜毎の恐怖(「夢の家」)、廃屋から人形を持ち帰ってしまった私の身の上に次々と……(「ついてくるもの」)、同居人の部屋から聞こえる無気味な物音の正体は……(「ルームシェアの怪」)。"取り憑かれる"ホラー短編集。
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ああ...怖かった。次はどんな展開かと怖くて堪らないのにページを捲る手が止まらい。個人的には日本人形にそもそも恐怖心があるのでビビり倒しました。泡吹き失神事案。
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実話怪談の形をした怪異譚が七編収録されていて、廃屋から持ち帰った雛人形がもたらす怪異に震える『ついてくるもの』や曰くがある竹藪に入ろうとする五人の少年とポストに届く不気味な手紙が交錯する『八幡藪知らず』など、どの話も全てが解明されず探ろうとすれば何か障りがあると思われるようなラストばかりで怖かった。
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とにかくどれも怖い。読みながら背後を気にしてしまうようなまとわりつく恐怖。廃墟から持ち帰ってしまった雛人形のお姫様。執拗に追いかけて来て逃れられない。果たして自分がおかしくなったのか?呪いなのか?7つのどの物語もサクッと読めて恐怖は続く。
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廃屋から人形を持ち帰ってしまった私の身の上に次々と起こる恐怖体験。取り憑かれるホラー短編集。読んでいくと、どこまでが現実なのかわからなくなってしまい、ゾクゾクさせられる。
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三津田さんの短編集は初めて読みました。話の冒頭の雑談が大好きなので、それが1冊で7回も読めるなんてそれだけで満足でした。
一番怖いと思ったのは「裏の家の子供」。怖いというよりは不気味な印象で、全編を通していまいち内容が把握できない恐ろしさがありました。
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読む前は、稲川淳二さんが話すようなやつなのかなと勝手に思ってたのですが、一つ一つがとても面白かったです。
個人的には「八幡藪知らず」が一番ドキドキした。
この作家さんのは初めて読んだので、他のも読んでみようと思います。
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三津田作品2冊目。ハマってしまいそうなムーブ。前から言ってるけど澤村伊智と似ている。澤村伊智から毒気(人怖)を引くと、三津田信三になる感じか。いや澤村伊智が三津田信三に影響されたんだね。ただ怖いだけじゃなくて思わぬ伏線回収があるところも癖になる。
この短編集も基本僕(三津田氏)が人から聞いた実話怪談という体で語られる(本当に聞いた話なのかもだけど)。
『怪談のテープ起こし』でもそうだったが、今作も怪異の解明はされず謎のまま終わる。三津田作品の特色なのか。
【収録作品】
「夢の家」
異業種交流会で出会った女性に次第に異様さを感じた男が夢の中で女に追い詰められていく。
夢の話が怖い。誘われるまま門扉から庭、玄関先へと日に日に家に近づいてしまう……
「ついてくるもの」
空き家の裏庭にあった雛壇からお雛様を持ってきてしまった日から私に降りかかった恐ろしい災厄。
これが一番恐ろしかったかも。手足目が片方欠損した雛人形も謎だけど、なぜお雛様だけ無事なのか。雛壇を見つけてしまった日からもう彼女は魅入られていたのかもしれない。
「ルームシェアの怪」
四人でルームシェアをしている主人公が2階の部屋の女性の不気味な行動に悩まされる。
終盤、思わぬ真相が判明する。わけがわからないけど怖いってこういう状態のことを言うのだろう。
「祝儀絵」
叔母が古道具屋で購入した婚礼の絵をプレゼントされてから、婚約者だと騙る女の存在に脅かされる語り手男性。
これは……いろいろと違う意味で怖かった。叔母の心境を想像するとより恐ろしい。
「八幡藪知らず」
決して入ってはいけない〈無女森〉に入る計画を立てた恵太たち。翌日から恵太の家の郵便受けに中止を促す謎のメッセージが……
解説の千街さんも書いてるけど少年同士の引くに引けないで決行せざるを得ない流れがリアル。
「裏の家の子供」
中古の一軒家に住んだ女性が子供の足音や騒ぐ声に脅かされる。
裏の家を女性が訪ねたときの女の子の描写がめちゃ怖い。戸口から床に寝そべっているような感じで顔しか見えないの。騒音の正体が2段階でわかるのも怖いけど面白かった。
「百物語憑け」
著者デビュー作出版当時、百物語の不気味な符号に合った話。短編そのものよりデビュー作『ホラー作家の住む家』に興味が出た。
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わーどうなるの!?と思う展開のあと、結構落ち着いたじゃないけどなんとかなっていて良かった(?
主人公補正でなんとかギリギリ助かったりするのですが、周りの人は大変でしたね
森の話と、裏の家の子供の話が怖かった
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そろそろ怪談の季節になってまいりました!ということで、ずっと積読だった三津田信三先生の怪談短編集を読みました。意外にも実はこの著者の作品を読むのはこれが初めて。実話系?と思いきや、実話にしては少し大味なホラー感たっぷりで、一晩で一気読みさせられました。とにかく演出が怖い。「八幡藪知らず」は自分の幼き頃の想い出なんかも重ねて読んでたら、現実にはあり得ない、いや、あっちゃいかんだろう〜な凄まじい結末に!全体的に土着的な要素も多く、この作家さんは個人的にかなり好きかもです。
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いわゆる「憑き物」の短編7つを収録。それぞれ次のとおり。
『夢の家』は、思い込みの激しそうな女性とのつきあいを断ったら、妙な夢を見るようになった会社員の話。表題作の『ついてくるもの』は、夜逃げしたと噂される家の裏庭に打ち捨てられていた雛人形のお姫様を拾った少女の話。『ルームシェアの怪』は、若者4人がルームシェアする一軒家に住むことになり、2階の住人を気にするOLの話。『祝儀絵』は、年の近い叔母から不気味な絵をもらって以来、周囲に異変が起きる男性の話。『八幡の藪知らず』は、絶対に入ってはいけないとされる森を訪れた少年たちの話。『裏の家の子供』は、引っ越し先で裏の家の騒音に悩まされる翻訳家の話。『百物語憑け』は、文庫化に当たって新たに収録された話の模様。
どの話の主人公にも恨まれるような非はなく、たまたまそこに居合わせてしまったせいで憑かれたというのがゾワ~ッ。
いずれもホラー作家の「僕」が執筆依頼を受けて原稿を書くに当たり、昔から集めてきた怪異譚のメモ等を見て思い起こすという構成。その過程でM・R・ジェイムズなどホラー作家の著作が挙げられるのも楽しい。そちらも読んでみたくなるものばかり。
三津田信三の書く怪異譚には強く惹かれます。どれも著者本人が実際に聞き取ってきたかのように進められる構成は、恐怖を煽るための仕掛けで、話自体はフィクションにちがいないと思う気持ちと、もしかしたらどこかで本当にあった話かもと思ってしまう気持ちと。グロいシーンは一切なく、昭和の風景が目の前に広がるようでもあり、ちょっとした郷愁を感じます。ただヒタヒタと怖いけれど、怖くて眠れないほどではない。ホラーがものすごく苦手な私にとっては、これが読むに堪えるギリギリの線だと思われます。
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ノベルズ版を既に読んでいるが、文庫版で再読。
言耶シリーズの短編がなくなって別の短編に差し替えられている。再構成によってホラーでまとめられて読みやすくなったと思う。再読だったが面白さは変わりない。
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ちょうどよい怖さのホラー短編集!
人形ホラーの表題作が一番怖かったな。三津田さんのホラーは、最初からがつんとくるのではなく、小さな違和感から徐々に破滅へと導かれてゆく怖さがある。
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短編集。7篇。怖さの強弱はあるけど、どの話も真偽が分からない感じでホントの話のように書かれていて、リアリティがあって怖かった。
でも最後の話はいらなかったような。
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・隔靴掻痒(かっかそうよう)靴の上からかゆいところをかく、の意から、思いどおりにいかなくて、もどかしいこと。
・逡巡(しゅんじゅん)決断をためらうこと。ぐずぐずすること。
・リビドー(ラテン語)フロイトの用語。性的衝動の基になるエネルギー。また、ユングでは、あらゆる行動の根底にある心的エネルギーを広くいう語。
・ジュブナイル ティーンエイジャーを対象とする修飾詞。口語表現ではヤングアダルト作品 (Young-adult fiction) やjuvenile novelあるいはjuvenile fictionに置き換わる。
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短編集。収録された7作品のうち好みは表題作「ついてくるもの」と「ルームシェアの怪」。やはり得体の知れないモノに『憑かれる』物語は判っちゃいるけどゾッとします。
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記憶のすり替えは何の作用か不明な怖さもあるけど、続くとまたか~と気持ちが萎えてしまう。
人形や禁足地探検は怪談ではおなじみだから新鮮味は薄いが、人形を見つけた時のシチュエーションや探検後のラストを飾る一言にはトリハダ。
「裏の家の子供」がなかなかのパンチ力だったな。心臓を鷲づかみにされてるような恐怖の連続。
次点は「祝儀絵」。意図的なのか無意識なのか謎だし、怪奇現象の怖さと実際の人間の怖さを同時に味わえる。
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やっぱホラーは長編の方が面白いのかなー。著者の緻密な描写や丁寧に丁寧に恐怖を煽る筆運びは短編集の本作でも際立つのだけど、いかんせん短編だと怖いシーンが各話に一つしかなくて、そこにたどり着くまでが退屈しがち。長編だと物語の縦の線を追いかけることにもなるから楽しく読めるんだけど。
とはいえ、なんともいえない不気味な持ち味は健在。平山夢明みたいな都市伝説系ではなく、伝統的な階段に近い。作中における人間関係のあり方なんかは現代的なのに、携帯電話のような現代風のガジェットに頼ることなく古き良き怪談を紡ぎ出すのは、本当に素晴らしい仕事だと思う。
雛人形の話と森の話が怖くて、結婚式の絵の話が着想が不気味で好き。