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Posted by ブクログ
この重大な情報を確実に日本へ届けようと、夫は二人の人物をストックホルムから送り出した。終戦の年1945年7月の末のことである。
送り出した後は、ふたりの消息は一切聞かれず、戦後になってからも、ふたりに託した情報が届いていたという話は聞いたことが無かった。
~中略~
戦後20年もたってから、私たちは真相を知ることになった。
夫が送り出した密使は、終戦間際のあの悲劇を救うことの出来た情報を、間違いなく確かに東京まで届けていたのであった。
適切な対応がまだ可能な段階で・・・
大和田静子「バルト海を偲んで」より
とてもよく出来てました。これはほぼ史実ですね。
この時代の空気感がひしひしと伝わって来ました、そしてそれは、そら寒く虚しさが漂うものでした。
冷静に状況を見極め、正しい判断が出来る人物が排除される時代・・・あれから65年、少しは進歩したのだろうか!?
密使の一人バロンは、機転とペテンの口八丁で世を渡る詐欺師のようなヤツですが。
しっかりとしたプリンスブルがある彼こそが、本物の紳士だと思います。
詐欺師は国民を欺き続けた○○の方です。
Posted by ブクログ
ヨーロッパ戦線、ナチス優勢の頃パリ在住の異邦人が、友達のレジスタンスを庇った疑いでドイツに連行され、ベルリン侵攻に乗じてストックホルムに辿り着き、彼の地の駐在武官、そこに出入りするユダヤ系ポーランド人と親交を深める。一方、同じく前線での敗北により急速に敗色濃厚となりつつある日本にも早期の終戦を模索する帝国海軍の一団があり、終戦に向けた研究を内密に進めていた。ドイツが敗戦し、東方戦線から圧迫していたソビエト軍は、ヤルタ会談以降日ソ不可侵条約破棄のタイミングを計りながら、軍を極東地域に移動させつつあり、戦後を有利に計りたい英米は、早期かつ日本に本土決戦を諦めさせるため、原子爆弾の使用を検討していた。このような情勢と原子爆弾の実験成功の情報を得たポーランドは、かつてリトアニアの日本人にビザを発行してもらった恩返しからストックホルム駐在武官に真実を明かし、日本に情報伝達を託した。既にストックホルムからの打電が握り潰されていると感じていた駐在武官は、先の異邦人とポーランド人に情報の伝達を託した。
Posted by ブクログ
本作は最後の最後でようやく本題に入る訳ですが、それまでは戦時中の記録文書を読んでいるかのような淡白な展開がひたすら続く印象。人物の描写もあくまで史実を書き連ねる為に最低限に抑えられているような感もあって、作品のボリューム自体はさほどでもないのに関わらず、読み終えるまで相当時間がかかってしまいました。
どうにも自分は、(本作に限ったことではなく)大局的な世界の動向などよりも、その中で必死に生きる個々人の思惑や営みにしか興味が持てない模様。後半が、森四郎を中心に描かれるか、世界の動向に注目して描かれるか次第で、個人的な評価が二分されそうな気がします。
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