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時穴みみか
小六の美々加は、シングルマザーのママに恋人ができて以来、学校の帰り道に道草をするようになった。ある日、黒猫のあとをつけて巨木の根元の空洞をくぐり抜けると、知らない家で目を覚ます。くみ取りのトイレやダイヤル式電話、学校ではこっくりさんに夢中な級友……。どうやら昭和49年にタイムスリップしたらしい。当たり前のように美々加を「さら」と呼び、たっぷりの愛情を注いでくれる小岩井家の次女としての日々が始まった。優しさと温もりに包まれた、ノスタルジックな冒険譚。解説・田中兆子 ※本書は2015年2月に講談社から刊行された作品を文庫化したものです。 -
神話の密室 天久鷹央の推理カルテ 完全版 6
まるで神の魔法のような2つの「密室」事件。 アルコールが一滴もないはずの閉鎖病棟で泥酔を繰り返す、かつての人気作家。 キックボクシングの王者決定戦、勝利の瞬間にリングで死亡したチャンピオン。 かたや厳重な警備の病院で、こなた千人以上の観客が見守る中で、それでも起きた奇妙な「密室」事件。 摩訶不思議な2つの謎に対し、天才医師・天久鷹央がくだした「診断」とは? 書き下ろし掌編「後輩、朝霧明日香」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。 -
雪代教授の怪異学
【教授の裏の仕事は、異形のモノを祓うこと―】 雪代宗司は星那多大学の客員教授であり幻想作家である。宗司はケガレを祓う力を持っており、そのケガレを利用して物語を綴っていた。大学一年生の宇佐見椎奈は、過去のある出来事から異形のモノを視ることができ、宗司のもとで助手のアルバイトをしている。 ある日、いわくつきの事故物件「六角屋敷」の噂を聞いた二人は、怪異の真相を確かめに向かうが――? -
ぐるぐる、和菓子
ランチの煮魚を食べながら、その作り方を科学的に検証してしまうほどの理系大学生・涼太。変わり者の彼が出会ったのは、あまりに美しい和菓子だった。そのおいしさにも魅せられた涼太は、大学院に進まず和菓子職人になることを決意して製菓専門学校へ。個性豊かな仲間とともに和菓子作りにのめり込むが、餡子ひとつとっても一筋縄ではいかず――和菓子の魅力あふれる、温かくて心においしい物語。【解説/坂木司】 -
君は医者になれない
血が怖いという致命的ハンデを抱える医学生・戸島光一郎。落第にリーチが掛かった彼は、救済措置として人手不足のアレルギー・膠原病内科の手伝いを命じられる。 免疫が己の身体を傷付けてしまう難病患者を診療する、膠原病内科、通称アレコー。その外来医長・漆原光莉は、歯に衣着せぬ言動に加え、人として残念な面が多々あるものの、どんな些細な症状も見逃さない名医として大きな信頼を得ていた。そんな彼女の下で戸島は様々な患者と出会い、多くのものを学んでいく。 -
ゆうずどの結末
こんな結末は耐えられない――。 大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。 宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。それは、宮原が死の瞬間に持っていた小説らしい。 「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されている普通のホラー小説で、特に宮原の死と結びつけるような内容は描かれていなかった。 しかし、本を読んだ日下部はその翌週に自殺をしてしまう。 そして日下部の死後、なぜか菊池の手元には「ゆうずど」の本が現れていた。 何度捨てても戻ってくる本。そして勝手に進んでいく本に挟まれた黒い栞。自分にしか見えない紙の化け物。 菊池は何とか自らに迫る死の呪いを回避するために、ある手段を講じるが――。 その■■を、絶対に読んではいけない。 あなたの身に恐怖が迫る、新感覚ホラー誕生! -
デフ・ヴォイス
埼玉県警の元事務職員だった荒井尚人は再就職先が決まらず、アルバイトで深夜帯の警備員をする日々を送っていた。実は子供の頃からろうの家族と聴者との間で通訳を担ってきた荒井は、やむをえずその特技を活かして資格を取り、手話通訳士の仕事を始めることにする。荒井にとって手話とは、苦い思い出がつきまとうものだったのだが。そんなある日、警察時代に起きた殺人事件の被害者の息子が殺害される。かつて荒井が手話通訳をした犯人のろう者が、再び被疑者として浮かび上がってくるが……。手話通訳士・荒井尚人の活躍を描く〈デフ・ヴォイス〉シリーズ第一弾を改訂版で贈る。/解説=中江有里 -
あの日、君は何をした
『完璧な母親』著者が放つ慟哭のミステリー。 北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。 15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとする。 刑事の三ッ矢と田所が捜査を進めるうちに、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵が明らかになる。 『完璧な母親』で最注目の著者が放つ、慟哭のミステリー。 -
神秘のセラピスト 天久鷹央の推理カルテ 完全版 5
医師の言葉が信じられない。 患者を救えるのは、誰か。 鍼灸師から「若返り」の治療を受け、外見が二十歳以上も変わった女性。白血病が再発し骨髄移植で しか助かる見込みがない中で、聖痕を持つ「預言者」に縋った少女。 医療行為とは異なる奇蹟を求める患者に対し、天医会総合病院の天才医師・天久鷹央は「神秘」に潜む真実を明らかにする。 現役医師が描く医療ミステリー! 書き下ろし掌編「詐欺師と小鳥遊」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。 -
火焔の凶器 天久鷹央の事件カルテ 完全版 4
謎の人体発火現象。 陰陽師の呪いに、挑め。 安倍晴明、蘆屋道満……そんな平安時代の陰陽師に連なる存在として、複数の大学が調査を行っていた呪詛師・蘆屋炎蔵。 だが、彼の墓を調べた研究者たちが相次いで体調を崩し、さらに翠明大学准教授が謎の焼死を遂げる。殺人か、呪いか。 皆が疑心暗鬼に陥る中で、鷹央は事件に潜む「病」を看破するが、それは新たな呪いの始まりでしかなかった……。 書き下ろし掌編「新しい相棒」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。 -
老神介護
●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」 ●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」 ●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」 ●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」 ●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」 -
南の島のティオ
小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。 お父さんとティオが経営しているホテルに絵はがき屋さんがやってくる。島やホテルの風景の絵はがきをお客さんが買って手紙を出すと、もらった相手は、どうしてもこの景色をみたくなる。だから、このホテルに必ず人を連れてくるはがきなのだという。 この夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。解説・神沢利子 ※この電子書籍は2010年11月に文藝春秋より刊行された増補版文庫を底本としています。 -
あずかりやさん
「一日百円で、どんなものでもあずかります」 東京の下町にある商店街「明日町こんぺいとう商店街」のはじっこで、物静かな店主がひっそりと営業するお店「あずかりや・さとう」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」をあずけようとするのだが……。大人気「猫弁」シリーズの著者が紡ぐ、ちょっと不思議で、せつなく心あたたまる物語。 -
みんなこわい話が大すき
ひかりの家の押入れにいる、形も声もなんにもない影みたいなやつ、ナイナイ。 唯一の友達であるナイナイをいじめっ子のありさちゃんに会わせた日から、ひかりの生活は一変した。 ありさちゃんはひかりの親友のように振る舞い、クラスメイトは次々と接近してきて、いつもはつらく当たる母親さえも、甘々な態度をとるように。 絶対に何かがおかしい。疑心暗鬼になったひかりはありさちゃんと距離を置こうとするが、状況は悪化するばかり。 数年後、〈よみご〉と呼ばれる霊能者・志朗貞明のもとに、幼い子供と心中した姉の死の真相を探ってほしいという依頼が舞い込んでいた。 無関係に思える二つの異変は、強大な呪いと複雑に絡み合い……。 第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞受賞作。 -
俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。 『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家族”小説。 -
互換性の王子
「お前にしかできないことなんて、ない」――兄・実行 「あきらめたら、俺という存在はどうなるんだ」――弟・成功 順風満帆な御曹司の前に突如現れ、入れ替わろうとした異母兄。 お前は俺から、仕事も恋も奪おうというのかーー。 『犯人に告ぐ』『望み』『検察側の罪人』の著者が描く、スリリングなサバイバルレース! 入れ替わった「王子」の戦いの行方はーー。 【あらすじ】 準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。 彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。 半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。 そして実行は早恵里にも近付こうとしている。 「奪われたものは、奪い返さなければ」 成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。 異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント! 【著者プロフィール】 雫井脩介(しずくい・しゅうすけ) 1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。2004年に『犯人に告ぐ』がベストセラーに。同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位となり、第七回大藪春彦賞も受賞した。『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『検察側の罪人』『仮面同窓会』『望み』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』など映像化された作品多数。近著に『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『霧をはらう』など。2023年、『クロコダイルティアーズ』で直木賞候補となった。 -
福家警部補の考察
パスタを一本つまみ上げ、噛んでみる。まだ少し早い。水洗いしてボウルに入れておいたレタスに手を伸ばそうとしたとき、金属音と、それに続いて重いものが屋根を転がり落ちていく音が聞こえた。誠が屋根から落ちたのだ。もう少し待ってくれてもいいじゃないの、パスタが無駄になっちゃうわ。いつも間が悪いんだから――夫の“事故死”をめぐり、一見おっとりした妻の中本さゆりと福家警部補が熾烈な心理戦を繰り広げる「上品な魔女」ほか三編を収録。類稀な洞察力を駆使して容疑者たちと対峙する警察官名探偵の活躍を描き、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズに成長した〈福家警部補の事件簿〉第五集。/【目次】是枝哲の敗北/上品な魔女/安息の場所/東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き/解説=小出和代 -
密室のパラノイア 天久鷹央の推理カルテ 完全版 3
鷹央先生、 これまで本当に……。 天久鷹央のもとで内科医として「診断学」を学ぶ小鳥遊優に、派遣元の純正医大医局から突然の通達が……。 驚愕し、激怒する鷹央だったが、通達の理由を調べたところ、 とある総合病院を舞台に起きた「密室殺人」の存在が明らかになる。タイムリミットはあとわずか。 果たして、天才医師は「密室で溺死した男」の謎を解明できるのか。 書き下ろし掌編「小鳥遊先生、さようなら」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。 -
十の輪をくぐる
認知症の母が呟いた家族の「秘密」とは。 スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う八十歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校二年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は……東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。五十一年前。紡績工場で女工として働いていた万津子は、十九歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて──。一九六四年と二〇二〇年、二つの東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作。いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめによる圧巻の大河小説!! ※この作品は単行本版『十の輪をくぐる』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
一億円の犬
この犬さえいれば、人生勝ち組―― 人間の欲望と犬の純真が交差したとき、嘘・罪・謎が加速する。 疾走感No.1作家が放つ、傑作サスペンス! 六本木のセレブ妻という設定で、SNSにマンガ〈保護犬さくら、港区女子になる〉を投稿している梨沙。 ある日、出版社の編集者から書籍化のオファーが来る。動画サイトで人気になれば億単位の収入も夢ではないという。 年収一億円を夢見る梨沙は大胆な行動に出るが、想定外の“事件”に巻き込まれ……。 殺人者は誰か、嘘をついているのは誰か? 一度読みだしたらページをめくる手が止められない、疾走感満点の傑作長編ミステリー! -
聖乳歯の迷宮
イエス・キリストの正体とは? 先端科学の知識と作家的想像力を駆使し緻密に組み立てられ傑作ミステリ。 日本版「ダ・ヴィンチ・コード」登場! 日本人考古学者・夏原圭介はキリスト生誕の地・イスラエルのナザレで、 〈イエスの乳歯〉と思われる歯を発掘した。 しかも、その乳歯からはホモサピエンスとは異なるDNAが検出された。 イエス・キリストは現生人類とは異なる〈人類〉だったのか? イエスの乳歯はセンセーショナルな話題を呼び、 神の実在が証明されたとして世界中でキリスト教をはじめとした 宗教ブームが湧き起こる。 夏原の旧友で新聞記者の小田切秀樹は夏原のインタビューに 成功する一方で、妻の夕海が勢いを増した新興宗教に 取り込まれてしまい苦悩する。 そんな折、夏原と同じく大学の同じサークルだった 沼修司が亡くなったとの知らせが届く。教師のかたわら、 源為朝の鬼退治伝説を調べていた沼は、 青ヶ島で調査中に事故死を遂げたらしい。 沼の妹から兄の遺品整理をして欲しいと頼まれた小田切は、 彼ら三人の恩師の娘で、やはり同級生だった秦野牧と一緒に 青ヶ島へ赴くが、そこで思いがけない事態に陥るのだった。 -
倉島警部補シリーズ
公安部外事一課の倉島警部補シリーズ、待望の新刊! 外事一課の倉島は、「ゼロ」の研修帰りのエース公安マン。 ロシア外相が来日し、随行員の行動確認を命じられるが、同時期にベトナム人の殺害事件が発生。 容疑者にロシア人ヴァイオリニストが浮かび上がる。 一方、外事二課で中国担当の盛本もこの事件の情報を集めていることがわかる。 倉島は、ベトナム、ロシア、中国が絡む事件の背景を探るが……。 公安のエース、倉島警部補の活躍を描くシリーズ最新刊! ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
私の最高の彼氏とその彼女
『僕の狂ったフェミ彼女』著者がおくる、前人未踏の“共有”恋愛小説! 30代の女性・ミレは、彼女にとって最善の恋愛をずっと探している。 したいことを望み、嫌なことを拒みたい。 誰のものにもならず、自分のままでいたい。 結婚をゴールとしなくても、対等な関係を築きたい。 ミレのウィッシュリストはずっと満たされなかった。 ある時出会った“完璧な男性”シウォンは 「非独占恋愛(オープンリレーションシップ)」を実行していた。 ミレは戸惑いながら、最善のために一歩を踏み出す。 ◆推薦――宇垣美里(フリーアナウンサー/俳優) 最初に共感、次に反感と少しの羨望。 垣間見た新しい世界を受け入れられるのか、 受け入れられないならその理由は何か。 こびりついていた固定概念の奥にあるはずの 本当に自分の求めている恋愛の形について、 誰かと夜通し語り合いたくなった。 ◆推薦――アルテイシア(作家) 私自身はオープン・リレーションシップをするのは無理だと思うけど、主人公ミレの気持ちはよくわかる。 「君は俺のものだよ」と言われて喜べない。 誰の所有物にもなりたくない。誰にも支配されたくない。 パートナーと対等に尊重し合う関係を築きたい。 それだけのことが、なぜこんなに難しいのか? 【目次】 プロローグ 0.ロマンスこそ必要 1. いろいろな幻想、の中の君 2.なぜ私はあなたを共有するのか 3.大丈夫? 愛か?? 4.私が恋愛をやめられない(約)十の理由 5.優雅で計画的な共有恋愛 6.食べて、期待して、恋をして 7. あなたがデートしている間に 8.愛してるの言葉でも理解はできない 9. 君たちは感動だった 10.それは絶対私たちのせいじゃない 11. 最も普通の記念日 12. 嘘、みたいな時間 13. 一人で一緒にいる人たち 著者あとがき -
マンション フォンティーヌ
『東京バンドワゴン』シリーズの著者が贈る 住むと幸せになれる不思議な〈場所〉? 30年居つく教授、空手の有段者、DV夫から逃げたシングルマザー。 ワケあり住人と強面の管理人で繰り広げられる心温まる人間ドラマ! 小説家になった羽見晃が入居を決めたのは、墨田区鐘ヶ渕にある築60年、 2階建ての〈マンション フォンティーヌ〉だった。 真っ白いアーチの入口、中庭には噴水と少女像、花壇もあって、フランスにありそうな建物。 管理人の嶌谷さんの腕には本物の入れ墨があったり、大家のリア―ヌさんは78歳のフランス人だったり色々変わっている。 30年もいる教授や生まれた国を追われたハーフの男性とかワケありの人が多く住んでいるけれど、みんな優しくて仲がいい。 ガーデンパーティ中、3号室の三科さんが元DV夫から追われていることを知り、 住人たちで役割分担して守ることに。 でも同時に、思わぬ人物がマンションを訪れていて……。 -
ロボット・イン・ザ・シリーズ
かわいくて切ない英国版「ドラえもん」小説。 2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、英国版「ドラえもん」小説! AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に従事するアンドロイドが日々モデルチェンジする、近未来のイギリス南部の村。法廷弁護士としてバリバリ働く妻エイミーとは対照的に、仕事も家事もせず親から譲り受けた家で漫然と過ごす34歳のベン。エイミーはそんな夫に苛立ち、夫婦はもはや崩壊寸前。 ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけのロボットのタングを見つける。「四角い胴体に四角い頭」という、あまりにもレトロな風体のタング。けれど巷に溢れるアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、彼を直してやるため、作り主を探そうとアメリカに向かう。そこから、中年ダメ男と時代遅れのロボットの珍道中が始まった……。 「とにかくタングがかわいい!」と世界中の読者を虜にしている、抱きしめたいほど切ない物語。 -
ハジケテマザレ
バイト仲間のYouTuber彼氏を襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース…… 「普通は尊いし、普通は貴重だし、普通はむしろ普通じゃありません」 コロナで派遣切りにあった「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」に辿りつく。ベテランのマナルイコンビ、超コミュニカティブでパーリーピーポーのヤクモ、大概の欠点ならチャラになるくらいかわいいメイちゃん、カレーとDJに目覚めたフランス人のブリュノ、ちょっとうさんくさい岡本くん……バイト仲間との愉快で切実な日々を描いた作品集。 「ウルトラノーマル」なわたしが「ハジケテマザル」、最高のバイト小説! -
キネマトグラフィカ
新元号が発表された2019年4月、老舗映画会社・銀都活劇の宣伝チームで働く砂原江見は岐路に立たされていた。長く務めた勤務先が、大手IT企業傘下の映像配信会社に買収されることが決まったのだ。すべての企画が止まった社内には弛緩した雰囲気が漂い、不穏な噂が飛び交っている。DVDの宣伝を手がける江見の部署も、一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。では社名が消えるまでに、自分はどんな“仕事”がしたいのか――働き方は十人十色。時代や元号がどんなに変わろうとも、自分の働き方を決めるのは自分だけ。すべての働く大人たちにエールをおくる傑作小説!/解説=松井ゆかり -
忌名の如き贄るもの
忌名は、いわば生贄だと? 「この忌名は、決して他人に教えてはならん……もしも何処かで、何者かに、この忌名で呼ばれても、決して振り向いてはならん」 生名鳴(いななぎ)地方の虫くびり村に伝わる「忌名の儀礼」の最中に起きた殺人事件に名(迷)探偵刀城言耶が挑む。 人気作家の小説家を、豪華声優による朗読で楽しませてくれるライブ配信「STORY × LIVE」。今作は人気声優、大原さやかさんに朗読していただいた書き下ろし短篇「忌名に纏わる話」をきっかけに生まれた物語です。朗読劇とはまったく違う、長篇ならではの展開を、文庫でもお楽しみください。 -
説教男と不倫女と今日、旦那を殺す事にした女
芸人としての面白さが、コント師としての繊細さが、こんなにも小説に生きるか! 笑いあり、涙あり、恋愛あり!サスペンスも!? 童貞説教男と不倫女、殺意を抱いた妻が繰り広げる痛快エンタメが誕生! YouTubeチャンネル登録者100万人超え! コント職人・レインボージャンボたかおがユーモアとペーソス、情熱を詰め込んだ珠玉のデビュー作。 【構成】 第1章 家まで来たのにその気がない女に説教をする男 第2章 今日、旦那を殺す事にした女 第3章 不倫していることで成長していると思っている女 第4章 ハプニングバーでオレンジデイズくらい青春してる友人 最終章 【一部抜粋】 俺はもうすぐ死ぬ。 全ては自分が招いた事だから。 仕方がないんだ。それはいい。 ただ俺の目の前の最高にいい女が涙を流している。 それだけが申し訳ない。 俺は指で涙を拭ってあげたかったけど、その気力ももうなかった。 -
青春をクビになって
夢の諦め方は、誰も教えてくれない 「雇止め」という冷たい現実を前に、研究を愛するポスドクが下した決断とは――。 青春小説家が描く、青春の終(しま)い方。 社会に横たわる痛切な苦みを描く、著者の新境地。 瀬川朝彦、35歳。無給のポスト・ドクターである。学生時代に魅了された 古事記の研究に青春を賭してきたが、教授職など夢のまた夢。 契約期間の限られた講師として大学間を渡り歩く不安定な毎日だ。 古事記への愛は変わらないが、今や講師の座すら危うく、 研究を続けるべきかの煩悶が続いている。 そんな折、ゼミ時代の先輩が大学の貴重な資料を持ったまま 行方不明になってしまうという事件が。 45歳の高齢ポスドク”となっていた先輩は、講師の職も失い、 なかばホームレス状態だったという。先輩は資料を「盗んだ」のか? 自らの意志で「失踪」したのか? そして、朝彦の下した将来への決断は? -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
独立記念日を迎えたシンフルの町。だがアイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが新町長の座につくなり、保安官を解任する暴挙に出たとあっては、フォーチュン含めた三人は祝賀ムードではいられない。そんなとき、湿地で爆発が発生。密造酒の製造所での事故かと思いきや、現場の建物で作られていたのは覚醒剤だと判明する。爆発の巻き添えで友人が負傷してしまい怒りに燃えるアイダ・ベルたちと手に手を取って、フォーチュンは悪党探しにまっしぐら……CIAスパイ&おばあちゃんズの活躍はますますヒートアップ! 〈ワニ町〉シリーズ第6弾!/解説=池澤春菜 -
木精(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第34弾は、文豪・森鷗外×イラストレーター・いとうあつきのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 呼べばいつでも木精の答えないことはない。 暖かい野の朝、谷間で「ハルロオ」と呼び、木精の答を聞く。それがフランツの楽しみだった。 森鷗外の名作が、書籍の装画やCDジャケットなどで知られ本シリーズでは横光利一『春は馬車に乗って』を担当するイラストレーター・いとうあつきによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション
“この物語に騙されるな!” 無数に仕掛けられた伏線が大逆転を呼ぶ! 「お前の弟は殺されたのだよ」 死期迫る母の告白を受け、疎開先で亡くなった弟の死の真相を追い大学教授・仲城智一は千葉の寒村・山蔵を訪ねる。 村一番の旧家妙見家の裏、弟の亡くなった龍神池に赤い槍で突かれた惨殺体が浮かぶ。龍神の呪いか? 座敷牢に封じられた狂人の霊の仕業か? 怒涛の伏線回収に酔い痴れる伝説のパーフェクトミステリ降臨。 〈トクマの特選!〉 イラスト やまがみ彩 〈目次〉 第一章 飢えた群れ 第二章 龍の生贄 第三章 C=16調合法 第四章 殺意のとき 第五章 キ裂破局(クラック・カタストロフィー) 解説 三津田信三 -
思考機械の事件簿
1891年、英国で創刊したばかりの〈ストランド・マガジン〉が掲載したシャーロック・ホームズ譚は、爆発的な好評を博し、雑誌の売行きは一挙に数倍にはね上がった。この異常人気に他誌が黙っているはずはない。かくして陸続と独自の個性を誇る名探偵たちが登場し、名推理を競い合うことになった。彼らを通称して《シャーロック・ホームズのライヴァルたち》といい、名探偵の世紀が開幕する。本巻はアメリカの生んだ名探偵《思考機械》の活躍を描く名作を選りすぐった本格派ファン垂涎のコレクション第1巻!/【目次】《思考機械》調査に乗り出す/謎の凶器/焔をあげる幽霊/情報洩れ/余分の指/ルーベンス盗難事件/水晶占い師/茶色の上着/消えた首飾り/完全なアリバイ/赤い糸/解説=戸川安宣 -
君が死にたかった日に、僕は君を買うことにした
「買わせてくれない? 君の時間を、月20万円で」 高校2年の冬。枕元には母の骨があった。長く闘病した母が死んで、一度も頼れたことなどなかった父は蒸発した。 全てを失った少年・坂田は、突然目の前に現れた西川と名乗る男に、奇妙な取引を持ちかけられる。 母の葬儀代を稼ぎたい一心で応じた坂田に、実は同い年だという西川が提示した条件は、更に不可解なものだった。 1.毎日、高校にくること 2.僕と同じ大学に合格して通うこと 3.今日から友人として振る舞うこと 金で結ばれた関係はやがて説明のつかない「本物」へと形を変える。愛に飢えた少年たちが紡ぐ、透明な青春譚。 -
こんとんの居場所
謎の生命体「こんとん」の取材記者として調査船に乗り込んだ男女。たどり着いた島=こんとんの上で、二人が見たものとは……。(「こんとんの居場所」) 防衛省のシステムに侵入した天才少年ハッカーが開いたのは、人類を"次の段階"に進める禁断の扉だった。人々が次々と人間の姿を失っていく中、ある親子が再会する。(「白い霧」) それは滅びか、救済か――。 文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による最新作品集! ◆赤坂真理氏、ラランド・ニシダ氏、推薦! 「退屈な日常から、非日常にグラデーションで少しずつ染まっていく感覚。読書の喜びの根源に触れた気がする」 ニシダ(ラランド) 「するする運ばれていくうちに思いがけないところにいて、たとえそれが破滅かもしれなくても、笑えてしまう。ああ、言葉にだけ可能な、こんな旅があるのだ」 赤坂真理(作家) -
うたわない女はいない
食っていけるの?そう笑ってた人たちをシャネルのバッグでいつか撲ちたい――会社員、パート、教師、保育士、精神科医……いま刮目すべき歌人36名による、心撃ち抜く労働短歌&エッセイ! 俵万智×吉澤嘉代子の対談「短歌が変える女たちの現実」も収録。 ◆辞めようと思うよなんてそんなことラーメン二郎の前で言うなよ ◆業界の未来を語るおじいさんおじさんおじさんおじいさんおじ ◆軍手には引っかからないデザインを選んで買ったマリッジリング ◆食堂は嵐の前の静けさで、来た、来た、嵐「そば」「うどん」「うどん」 ◆日銀を白銀と読み間違えてほのあかるいな今朝の紙面は ◆歌人一覧 浅田瑠衣/飯田有子/石川美南/稲本ゆかり/乾 遥香/井上法子/上坂あゆ美/遠藤 翠/岡本真帆/奥村知世/川島結佳子/北山あさひ/鯨井可菜子/佐伯 紺/櫻井朋子/田口綾子/竹中優子/谷じゃこ/田丸まひる/千原こはぎ/塚田千束/手塚美楽/寺井奈緒美/道券はな/戸田響子/十和田 有(ひらりさ)/西村 曜/野口あや子/橋爪志保/初谷むい/ 花山周子/平岡直子/本多真弓/水野しず/山木礼子/山崎聡子 -
海がきこえる〈新装版〉
天才YA作家 氷室冴子 デビュー45周年 激しくも切ない「90’s青春グラフィティ」 「あたし、高知に行くまでは世間とうまくやってるいい子だったのよ。あれからずっと世間とずれっぱなしの感じがする」 大学進学で上京した杜崎拓は「ある事件」で疎遠になった高校時代の転校生・武藤里伽子が、地元大学への進学を蹴り東京に舞い戻った事を知る。 気まぐれな美少女に翻弄されながら、その孤独に耳を澄ました短い日々を回想する拓に、思いもかけない再会の機会が訪れる。 スタジオジブリの長編アニメーション「海がきこえる」の原作。 キャラクターデザイン近藤勝也氏のカラーイラストを34点収録。 トクマの特選! イラスト 近藤勝也 〈目次〉 第一章 フェアウェルがいっぱい 第二章 マン 第三章 里伽子 第四章 里伽子ふたたび 第五章 やさしい夜 第六章 海がきこえる あとがき 解説 酒井若菜 -
異能機関
【恐怖の帝王、作家50周年を前に王道のSF巨弾が待望の邦訳!】 異能の少年少女を拉致する謎の機関〈研究所〉。 彼らは子供たちの超能力を利用して何を企図しているのか。 冷酷なるくびきから逃れるため、少年は知恵をめぐらせる。 ------------------------ ミネソタ州ミネアポリスに暮らす12歳の少年ルークは、両親こそごく平凡だが、優秀な子供の特待校に通う神童だ。彼にはちょっとした特殊能力があった。ふとしたときに、周りのごく小さな物品をふれることなく動かしてしまうのだ。と言っても、それは他人が気づくほどのことでもない。 一流大学MITの入学内定を勝ち取ったルークだが、ある夜、3人の不審な男女が眠る彼をかどわかす。目覚めたルークが見たのは、自分の部屋そっくりにしつらえられているが、何かが違う一室だった。扉の外は自宅とは似ても似つかぬ、古びた大きな施設。そこには様々な少年少女が拉致され、自室と似た部屋を与えられて戸惑いながら暮らしていた。 目的も知れぬこの〈研究所〉で、残忍なスタッフや医師に、気分の悪くなる注射や暴力的な検査を繰り返される少年少女たち。彼らの共通点は「テレキネシス」か「テレパシー」の超能力を持っていることだった。 ルークは黒人少女カリーシャ、反抗的な少年ニック、幼く泣き虫だが強いテレパシーをもつ男の子エイヴァリーらと知り合うが、一定期間検査を受けた子供はひとり、またひとりと〈研究所〉の別棟〈バックハーフ〉へ連れ去られ、決して帰ってこないのだった。ルークはこの不穏な施設からの逃亡計画を温めはじめる――。 -
寝煙草の危険
カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛! 「美しく、怖ろしい……近ごろ私が発見した最高に面白い小説」 ――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」 〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!! 寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、 庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、 愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、 死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街…… 「もっと 火をつけねば」 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者マリアーナ・エンリケスは、〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉と称され数々の賛辞を受ける、現代アルゼンチン文学の頂点に君臨する作家である。 【2021年度国際ブッカー賞最終候補作】 LOS PELIGROS DE FUMAR EN LA CAMA, Mariana Enriquez, 2009 -
逆ソクラテス
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。 -
高瀬庄左衛門御留書
第165回直木賞候補作、第34回山本周五郎賞候補作。「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位! 第9階野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回「本屋が選ぶ時代小説大賞」をそれぞれ受賞。 美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説。 神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、 さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、 寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。 「心が洗われる」というのは、こういう感覚を言うのだと実感した。ーー作家・江上剛(朝日新聞6月5日) この人がこれから作品をどんどん出していくのがドキドキするし嬉しい。すごい時代に立ち会っている気がする。 次回作も必ず読みたい! ーー北上次郎(YouTube「北上ラジオ」) 誰でも歳を取れば、違う生き方もあってのではとの悔悟を抱くもの。 その迷いにどう向き合うか。考えさせられた。ーー記者・佐藤憲一(読売新聞1月19日) 私は、作者がこれからの時代小説界をリードしていく存在になることを信じて疑わない。 ーー縄田一男(産経新聞2/21) 美しい物語だ。穏やかで、静かで、そして強い物語だ。ーー大矢博子(「小説すばる」3月号) 生きることの喜び、悲しみ、諦め、希望をすべてのみ込んだ時代小説ーー内藤麻里子(毎日新聞2/7) 主人公もさることながら脇の人物たちもよく書き込まれ魅力がある。ーー川本三郎(毎日新聞2/20) 人はどう生き、どう老いていくべきかの指針となる。(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん) 全日本人に読んでほしい。(旭屋書店池袋店 礒部ゆきえさん【ダ・ヴィンチニュース3月6日】) 心情が清らかに流れ続けながら、激動の大河浪漫があり、心奪われました。ずっと浸っていたいこの至福の感覚を、 たくさんに人に味わってもらいたい。(うさぎや矢板店 山田恵理子さん) 様々な制限の中で生き、迷いながら歩み続け、心のわだかまりが少しずつ溶ける有り様に、自分の心にも穏やかな風が入り込んだ。 時代小説のすばらしさを感じた。(正文館書店本店 鶴田真さん) 厳しい現実を突き付けながらも生きることの温かさと優しさを感じさせてくれる。(くまざわ書店錦糸町店 阿久津武信さん) -
ほとんど記憶のない女
「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」 わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全51編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。 -
【著者メッセージ付き】余命0日の僕が、死と隣り合わせの君と出会った話
高2の瀬山慶は、涙失病――一定量の涙を流すと死に至る病を患っていた。発症した幼少期から親に泣くのを禁じられていたが、小学生のとき母が亡くなり、堪えきれずに涙を流し、生死の境を彷徨った。以来、極力感情を動かさないように生き、気づけばあらゆることに無感動な人間になっていた。青春真っ盛りの友人たちの中で感じる孤独。いつしか自分も泣いてみたいと渇望するようになる。そんな折、図書館で号泣していた同じクラスの星野涼菜から、泣けるという本を借りるが、その縁で映画研究部――旧“感涙”部へ入部することに。やがて、瀬山は彼女のある秘密を知ることになって……? 累計30万部の大ヒット「よめぼく」シリーズの著者が贈る、涙なしでは驚きの結末を見届けられない衝撃作、第4弾! -
おしょりん
明治三十八年、福井県麻生津村。増永五左衛門は、この地に農業以外の産業を根づかせるべく苦闘していた。そんな時、大阪へ出稼ぎに出ていた弟の幸八が、当時はほとんど普及していなかっためがねに着目、村でのめがね製造を提案する。村人たちの猛反対の中、輝く地平を求めて、二人は困難な道を歩み始めるのだった――。「金の角持つ子どもたち」等で注目を集める作家・藤岡陽子の新たなる代表作の誕生! -
八咫烏シリーズ
累計180万部ファンタジー 珠玉の8編 累計190万部のファンタジー「八咫烏シリーズ」の外伝第二弾! とんでもない意気地なし、と噂の少年・雪哉に剣の指導を頼まれた 腕に覚えのある市柳は、おびえる雪哉に自信満々で打ち込むが、 まもなく違和感を覚え始める――(「ふゆのことら」) 貴族の少年たちが、父の跡を継いだ職人が、全身全霊で守りたい ものとは何か。 山内に生きる人々の幸せを誓った彼、そして、権力闘争のはざまに育つ姫君の 心の奥にある思いとは。 読者の胸を刺し貫く魅力でベストセラーとなった異世界ファンタジーシリーズ、 震撼の第二部へと橋をかける必読の8編。 ※この電子書籍は2021年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム
いよいよ最終章に突入! 累計42万部突破!大人気警察小説「ハラマキ」シリーズ 黒幕が仕掛けたシリーズ最大の”罠” どうするハラマキ!? トラックから発見された一家3人の全裸死体。 事件の背後に浮かび上がる「愛犬家」の正体とは――!? (あらすじ) 左派の論客のSNSに、「活動を停止しなければフォロワーを殺す」という脅迫が届く。 相談を受けた警視庁捜査一課の原麻希は、よくあるSNSのいたずらと受け流すが、 実際にフォロワー3人が全裸遺体で発見される事件が発生する。 事件を追う麻希だったが、捜査は思いも寄らない方向へと進み、 麻希の新たな相棒・相原寛太郎の身にも危険が迫る――。 (著者プロフィール) 吉川英梨(よしかわ・えり) 『私の結婚に関する予言38』(宝島社文庫)にて第3回日本ラブストーリー大賞のエンタテインメント特別賞を受賞し、2008年デビュー。近著に『ブラッド・ロンダリング』(河出文庫)。そのほか、「原麻希」シリーズ(宝島社)、「新東京水上警察」シリーズ、「海蝶」シリーズ(ともに講談社)、「十三階」シリーズ(双葉社)、「警視庁53教場」シリーズ(KADOKAWA)、「感染捜査」シリーズ(光文社)など著書多数。
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