パトリシア・ハイスミスの作品一覧

「パトリシア・ハイスミス」の「キャロル」「アメリカの友人」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • サスペンス小説の書き方
    4.2
    1巻1,999円 (税込)
    パトリシア・ハイスミス曰く、「あらゆる物語には、サスペンスがある。」 鋭利な観察眼と執拗な心理描写、深い洞察と巧みな構成で世界中の読者を魅了するサスペンスの巨匠が、「書くこと」と「仕事にすること」についてのノウハウを明かす。 「私は物語のきっかけになるような日々の出来事からこの本を始めている。作家はそこから進んでいく——まず作家が、次に読者が動き出す。芸術はいつでも、おもしろいことや、数分ないし数時間を費やす価値があると思えることを語って、読者の気を惹けるかどうかの問題なのである。」(本文より) 鋭利な観察眼と執拗な心理描写、深い洞察と巧みな構成で多くの文芸ファンをも魅了するサスペンスの巨匠、パトリシア・ハイスミス。「この本はハウツー式の手引き書ではない。どうすれば成功する本、つまり読みやすい本が書けるかを説明することは不可能である」と本書冒頭で確言する著者が、自らの「小説を書くことと、それを職業にすること」についてのノウハウを明かした、文章読本・執筆論。 本書は、1966年に初版が刊行され、その後なんども版元を変えながら現在まで熱心に読み継がれてきたハイスミスの隠れた名著。長編・短編集を合わせ30タイトルほどある作品のほぼすべてが邦訳されている作家の唯一の小説指南書であり、今回が待望の初邦訳となる。 何が「小説を書くこと」を専門的職業としうるのか、なおかつ何がそれを刺激的で生き生きとしたものにするのか。同時に、絶えず失敗の可能性を秘めたものである「執筆」において、失敗から学べることとはなんなのか。ハイスミスは本書において、サスペンス小説の重要な要素をプロセスに分けて解説し、アイディアの芽、書き始め、プロットの作り方、行き詰まり、初校、改稿など、自身の小説から豊富な実例を示しながら余すところなく説明していく。自身の経験から成功や失敗についても包み隠さず語られ、そのキャリアに基づいた実践的なアドバイスは、失敗や行き詰まりを経験した作家志望者の心を必ず捉えるだろう。ミステリにとどまらず、全てのジャンルの小説家志望者の必読書!
  • 水の墓碑銘
    -
    1巻1,210円 (税込)
    ヴィクの美しく奔放な妻メリンダは次々と愛人と関係を持つ。その一人が殺害されたとき、ヴィクは自分が殺したとデマを流す。そして生じる第二の殺人……傑作長編の改訳版。映画化原作。
  • ふくろうの叫び
    -
    1巻660円 (税込)
    四人の男女が織りなす愛憎劇。ロバートは結婚生活に破れ、ペンシルヴァニア州の田舎町に越してくる。唯一の楽しみは隣家のジェニファーの暮らしぶりを覗きみることだったが、相手にさとられてしまう。だが彼女は彼を家の中に招き入れ、親しくなる。ジェニファーは一人暮らしをする銀行勤めの二十三歳の女性で、医薬品セールスマンのグレッグと婚約していた。だがロバートに惹かれてゆき、婚約を破棄するまでになる。収まらないグレッグは怒りと嫉妬にかられ、意地でも彼女を奪い返そうとする。それに手を貸すのがロバートの別れた妻ニッキーだ。売れない画家のニッキーは、ロバート同様のおとなしい男と再婚したが、ロバートへの嫌がらせをやめようとはしない。ニッキーはこれでもかと女のいやな部分を見せつける。
  • 太陽がいっぱい
    -
    1巻880円 (税込)
    米国の貧乏青年トムはひょんなことから、富豪グリーンリーフに息子を連れ戻してほしいと頼まれ、礼金欲しさにイタリアへと旅立った。現地でトムが出会ったのは、金にも女にも恵まれた放蕩息子ディッキーだった。裕福で自由奔放なディッキーに羨望を抱くトムは、自分を下男同様にこき使うディッキーに殺意をも抱くようになる。そしてディッキーの許婚マージをも手に入れようと画策する。自分とディッキーの容貌が酷似しているのに気づいたことが、そのきっかけに……。サスペンスの巨匠ハイスミスの代表作。ルネ・クレマンの映画で有名になったが、原題は「才子リプリー」で、典型的なピカレスク・ロマンだ。
  • 見知らぬ乗客
    -
    1巻880円 (税込)
    ハイスミスの処女長編。若い建築家ガイは、妻と離婚するため故郷へ向かう列車の中でチャールス・ブルーノーと名乗る青年に出会う。彼は富豪の息子で、異常なまでに父を嫌っていた。それを打ち明けられたガイはふと、妻とのトラブルに悩んでいると話す。彼の妻ミリアムは、他人の子供を身ごもっていたのだ。ガイに同情したチャールスは、驚くべき計画を持ちかける。彼がガイの妻を殺すかわりに、ガイに自分の父を殺してくれと言うのである──異常な状況に置かれた人間たちの心理と行動を綿密に描き出した、心理小説、サスペンス小説の傑作。
  • 死者と踊るリプリー
    4.5
    1巻1,078円 (税込)
    天才的犯罪者トム・リプリーが若き日に殺した男ディッキーの名を名乗る者から電話が来た。これはあの妙なアメリカ人夫妻の仕業か?いま過去が暴かれようとしていた……リプリーの物語、最終編。
  • 見知らぬ乗客
    3.5
    1巻968円 (税込)
    妻との離婚を渇望するガイは、父親を憎む青年ブルーノに列車の中で出会い、提案される。ぼくはあなたの奥さんを殺し、あなたはぼくの親父を殺すのはどうでしょう?……ハイスミスの第一長編、新訳決定版。
  • リプリーをまねた少年
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    犯罪者にして自由人、トム・リプリーのもとにやってきた家出少年フランク。トムを慕う少年は、父親を殺した過去を告白する……二人の奇妙な絆を美しく描き切る、リプリー・シリーズ第四作。
  • アメリカの友人
    3.0
    1巻968円 (税込)
    簡単な殺しを引き受けてくれる人物を紹介してほしい。こう頼まれたトム・リプリーは、ある男の存在を思いつく。この男に死期が近いと信じこませたら……いまリプリーのゲームが始まる。名作の改訳新版。
  • 贋作
    4.0
    1巻990円 (税込)
    トム・リプリーは天才画家の贋物事業に手を染めていたが、その秘密が発覚しかける。トムは画家に変装して事態を乗り越えようとするが……名作『太陽がいっぱい』に続くリプリー・シリーズ第二弾。
  • 太陽がいっぱい
    4.2
    1巻1,210円 (税込)
    息子ディッキーを米国に呼び戻してほしいという富豪の頼みを受け、トム・リプリーはイタリアに旅立つ。ディッキーに羨望と友情を抱くトムの心に、やがて殺意が生まれる……ハイスミスの代表作。
  • キャロル
    4.3
    1巻902円 (税込)
    クリスマス、デパートのおもちゃ売り場の店員テレーズは、人妻キャロルと出会い、運命が変わる……サスペンスの女王ハイスミスがおくる、二人の女性の恋の物語。映画化原作ベストセラー。

ユーザーレビュー

  • 死者と踊るリプリー

    Posted by ブクログ

    リプリーシリーズの5作目であり、最終作。
    2作目『贋作』の続編にあたるため、3、4作目をすっ飛ばして、つい読んでしまった。

    「ディッキー・グリーンリーフだ。おぼえてる?」リプリーが若き日に殺したディッキーを名乗る者から電話がかかってきた。一体誰が?なぜ…?

    今まで殺人を犯しても罪悪感ゼロで過ごしてきたリプリーが、最終作では嫌がらせを受ける立場になる。
    じわじわと追い詰められるリプリーを見ていると、最初は嫌いだった彼が可哀想に思えてきた。
    シリーズを追うごとに、リプリーへの感情が「嫌悪」から「共感」へ、最終作では「応援」へと変化していったのは、自分でも驚きだった。

    家政婦マダム・アネットの

    0
    2025年09月12日
  • キャロル

    Posted by ブクログ

    4.7

    軽い気持ちで読み始めたのに読み終わった時にはすごくいい気持ちになったし、傑作!と思ってしまったことが自分でも意外でした。
    この時代の小説は車で逃避行(のような)するシーンが描かれたものが多いような気がします。トレンドだったのだろうか。

    映画版も観なければ!

    0
    2025年09月12日
  • キャロル

    Posted by ブクログ

    半世紀以上前のニューヨークを想像しながら読んだ。古き良き時代。しかし、現代以上に、偏見や差別も酷かった時代。愛するとは何か、愛されるとは何か。愛とは理屈ではない。この本を読んで、強くそう思った。

    0
    2025年08月26日
  • 太陽がいっぱい

    Posted by ブクログ

    The Talented Mr. Ripley
    Patricia Highsmith, 1955

    有名な映画「太陽がいっぱい」の原作。映画も見てストーリーは知っているのにそれでも面白い。
    いかに彼が冷淡で神経質で、いかにイタリアの広い青い空と対照的か、

    0
    2025年08月06日
  • 太陽がいっぱい

    Posted by ブクログ

    映画『リプリー』が大好きなので、原作をずっと読んでみたいと思っていた。

    イタリアに行ったまま帰らない息子ディッキーを連れ戻して欲しいと、富豪に頼まれたリプリーだったが…

    読んでいると、マット・デイモンとジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウの映像が自然と脳内再生される。

    倒叙が大好きなので、「バレる!バレる!もうダメだ!」と何度も叫びたくなるような、ハラハラどころではない緊張感がたまらない。
    肩が凝るほどの張りつめた空気に、「早くバレて、楽にしてくれ」と何度も願ってしまった。

    イタリアの明るくて美しい景色と、リプリーの内面に渦巻く劣等感や不安が対照的。
    リプリーは、あれほどの知性と鋭い

    0
    2025年08月03日

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