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Posted by ブクログ 2017年10月09日
ちょっと、三島由紀夫さんのような。
水面下に脈々と流れる、異常で変態な、ぞくぞくぬめっとする不安感というか。足下の地面がぐにゃっと軟化しそうな味わい。この本には、それが上手くマッチしていていました。
若くて才能があるのに、努力してもどうにもならない境遇の自分と。
なにもしなくても親の巨額な財産で、...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年04月30日
アラン・ドロンの映画で知って、ずっと気になっていた作品。
まず印象的だったのは、リプリーのゲイ的視点。
ライバル的女性への感情や人間の観察具合がとてもゲイゲイしい。
そしてこの作品の読みどころは、自分がだんだんリプリーなんじゃないかと感じるくらいの心理描写だろう。
昔のサスペンスらしく、
たまたま運...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月01日
これは完全犯罪と言えるのだろうか…
トムの衝動的で突飛な殺人と、臆病なまでに練るに練られた計画的な偽装工作の連続。
そして、あまりにも幸運すぎる逃亡劇とその最後。
この作品では、事件自体の完全さというよりも、トム自身の感情の浮き沈みと、はたまた何があってもうまく立ち回る身のこなし、そして綻びをうま...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月04日
ルネ・クレマンとアラン・ドロンの映画「太陽がいっぱい」は封切られた時に観た。映画全盛時代ゆえ鮮明に覚えている。テーマ音楽と明るい青い海とドロンの美貌が強烈な印象だった。
マット・ディモンのリメイク「リプリー」はTVで観た。これはこれで「トム」と「ディッキー」の関係を同性愛的に色濃く描いていて陰影が...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月15日
ミステリー小説、という事前情報だけで読み進めた。
主人公リプリーはクズと評されることも多いけれど、誰もが持っている側面の一つを演じているに過ぎないように思う。
彼は偶然にも機会と、閃きがあった。
きっとそれだけなのだ。
そのように思う私もまた、クズの素質があるということなのだろうか。
犯人視点の小説...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月02日
以前、アラン・ドロン主演の映画「太陽がいっぱい」を観て面白かったので、いつか原作を読んでみたいと思っていた。本屋で探しても見つからなく残念に思っていたら、最近新訳で再出版された。
有名なリプリーシリーズの一昨目である本作は、原題は「太陽がいっぱい」ではなく「The Talented Mr.Ripl...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月02日
1955年作。
1960年、ルネ・クレマン監督による、アラン・ドロン主演の映画が名作としてすこぶる有名で、「太陽がいっぱい Plein Soleil」というタイトルはこの映画によるもの。小説の原題は「才能あるリプリー氏」という、ちょっとつまらなそうなタイトルである。
犯罪サスペンスもの、という...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月25日
1960年にルネ・クレマン監督/アラン・ドロン主演で映画化(1999年「リプリー」として原作をほぼ忠実にリメイク)されたことにより、ハイスミスの最も有名な作品となった。1955年発表作だが、全編独特なトーンを持ち、時代を感じさせない。物語の舞台として、当時のローマ、カプリ、ベネツィアなどの名所を巡る...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月01日
かつてはアラン・ドロン主演で映画になり大ヒットし、最近はマット・デイモンが主演してリメイク(題名は「リプリー」)された映画の原作。
アメリカ人の青年トム・リプリーは家柄も地位も定職も持たず、薄汚れた部屋で、その月の部屋代にも事欠く生活をしていたが、友人のディッキー・グリーンリーフを連れて戻るようディ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月30日
2023年一番の作品でした。
初めはグレート・ギャッツビーと同じ系統かと思ったものの、まったく違うものでした。
トムの行動や、できごとにどう思ったかということは細かく書かれているものの、心情についてはあまり書かれていないよう思う。けれども、トムの閉塞感や焦燥感、嫉妬なんかがじわっと迫ってくる。トムと...続きを読む
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