作品一覧

  • アルマジロの手―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)
    3.7
    1巻693円 (税込)
    彼は「手が……アルマジロの手が」というばかりだったのです――。不気味な緊張感を孕む怪奇な作品「アルマジロの手」、美しい姫君に恋をした狸の哀切「心中狸」、むさぼり喰らう快楽にとり憑かれた男の無上の幸福「月と鮟鱇男」の他、「海亀祭の夜」「蓮根ボーイ」「鰻池のナルシス」、そして甘美な爛熟世界に堕ちた男を描く傑作「魔楽」を収録。官能の深みと生の哀しみを短編に昇華させた七編。(解説・鵜飼哲夫)
  • 官能文学電子選集 宇能鴻一郎『女医も濡れるの
    -
    1巻660円 (税込)
    女医を目指す「あたし」は医学生だけど、まだ処女。けれども、アルバイト先の病院で数々の変な先生や患者たちにイケナイことを教えられて・・・・・・もう普通には戻れない!? あたしは女医の卵。人間の体に接するチャンスが多いから、アレにも関心が強いの。同僚の女子たちもみんなそう。でも、勉強は忙しいし、意外にチャンスが少ないの。欲求不満をため込んだあたしたち処女軍団は遊び人の男たちに「卒業」させてもらおうと思ったんだけど、あたしは不覚にも失敗。悶々とするあたしに病院でのアルバイトが舞い込んだの。でも、そこは男性器増大や包茎手術専門の病院で、しかも院長が大のスケベ。あっという間にあたしの純潔は奪われちゃったわ。ううん、それだけじゃないの。包茎の童貞くんに頼まれて、「オトコ」にする手伝いをやらされたり、増大しすぎて、勃起したままの暴力団員らに「責任をとれ」と言われて代わる代わるお相手をさせられたりと散々。新しいバイト先の病院は処女膜再生手術専門で、そこの院長先生もとんでもないの。麻酔で眠らせた大勢の処女を奪いながらも処女膜を再生するから大丈夫だ、なんてほざくのよ。同僚のミツ子さんと組んでこの悪徳医師を懲らしめようとしたんだけど、逆に快感に目覚めちゃって・・・・・・もう変態ばっかり。ほんとうに女医になれるのかしら。
  • 官能文学電子選集 宇能鴻一郎『濡れて飛ぶ』
    -
    1巻660円 (税込)
    あたしは18歳。高校卒業したばかりのスチュワーデス見習いなんです。乗員やお客様にどんな恥ずかしいことをされても愛想良く裁かないと本採用にならないんです。それにしても、なんで男の人ってみんなこんなにエッチなのかしら! あたしは高校卒業したばかりの18歳、スチュワーデス見習い。もちろん、処女。だけど、憧れのスチュワーデスになるためにはいろいろなエッチな研修があるの。それにパスしないとスチュワーデスにはなれないの。研修ではお口で奉仕させられたり、危うく処女も奪われそうになったりしたわ。スケベな機長や副操縦士、他のスチュワーデスは多国籍で、本採用のあとのフライトで飛んだハワイでは、もちろん外国の男たちも相手にしなくてはならない。さらにはズーズー弁のハイジャック犯まで登場しての大乱交。ハチャメチャすぎるコミックエロス。
  • 味な旅 舌の旅 新版
    3.0
    1巻946円 (税込)
    芥川賞作家にして、官能小説の巨匠。唯一無二の作家・宇能鴻一郎が、日本各地の美味・珍味を堪能しつつ列島を縦断。喰いつき、口にふくみ、汁をすすり、飲み下す……食も官能も生命力の源。貪婪な食欲と精緻な舌で味わいつくす、滋味豊かな味覚風土記。新たにエッセイ「男の中の男は料理が上手」を収録。 〈巻末対談〉近藤サト・宇能鴻一郎
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)
    4.1
    1巻825円 (税込)
    煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈祷師の異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪なる物語「リソペディオンの呪い」。圧巻の迫力に満ちた六編。(解説・篠田節子)
  • 官能文学電子選集 宇能鴻一郎『濡れて立つ』
    -
    1巻660円 (税込)
    ああ、あたし、この人とも、セックスすることになるのかしら……若妻が発揮するイケナイ内助の功とは? マイホーム主義者で、40代までに家を建てることを目標にしている、サラリーマンの夫。週に一度のあのことの最中にも、いいアイディアが浮かんだら設計図を書き始めるほど、家づくりに夢中だ。しかし、肝心の土地と資金は、まだなかった。夫の夢を実現させるには、「主人にまかせるんじゃなくて、あたしが積極的に動かないと、ダメなんじゃないかしら」と思いはじめた若妻は、OL時代に何度かデートしたことのある銀行の支店長に連絡を取り……。「男性をクラクラとさせて、言うことを聞かせちゃう」ことには自信のある彼女が、土地所有者、一級建築士、弁護士らを相手に、次々とイケナイ内助の功を発揮しまくる。ねっとりとエロティックな語り口とコミカルなストーリー展開は、まさに宇能鴻一郎の真骨頂! 団鬼六に師事、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。

ユーザーレビュー

  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「鯨神」からの「西洋祈りの女」が、形の違う壮絶な神殺しの話2連発で圧倒された。
    他はやたら文章の上手い足フェチ変態小説なんだけど、物悲しさの敷かれたホラーやコメディとしてどれも出来が良過ぎる。強い短編集だった

    0
    2025年01月27日
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    筒井康隆のエッセイでよく見た名前だな、くらいのとっかかりと、タイトル、表紙に惹かれて買いましたが面白いのなんの。

    「姫君を喰う」とはそういう意味なの?と読んでびっくり。何を読まされているのだ(笑)。
    とは言え古い元ネタがありそれを現代(といっても1970年の作品!)にエロくかつ怪談のように蘇らせてお見事。食事と性欲の身近さが濃密に感じられて若者が読むと性癖が捻じ曲げられそうです。

    続く「鯨神」も明治初期の話で、巨大な鯨に祖父、父、兄貴が殺され仇を討つ若者が主人公。
    そこまで熱も無いのに鯨と死闘を繰り広げる主人公の独白がまたしても現代に通用してしまうのが全く恐ろしい。
    他の作品も楽しみです。

    0
    2023年02月08日
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「姫君を喰う話」
    千年の時を超えて生きる虚無僧と並び、モツ焼きを喰いながら
    セックス&カニバリズム談議にふけるという話
    モツ焼きを食べるということが
    むかし愛した女を想ってするオナニーのようなものであるらしく
    それを指摘された虚無僧はどこかに消えてしまう

    「鯨神」
    明治時代初頭の長崎で
    巨大な鯨に親兄弟を殺された若き漁師が
    これに復讐をこころみる話
    復讐を果たした彼は、自らも深手を負ってしまうのだが
    死に際の夢の中で鯨と和解する
    人を人たらしめるのは物語であり
    そこを離れれば人も自然界の一部にすぎないという
    ひとつの気づきであるが
    死を目前にしなければそれを実感できないという
    物悲しさもある

    0
    2021年09月30日
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ふーん。えっちじゃん。
    ドン引きするような性癖を読まされて勃ちはしないけど、何故かエロいと感じる文章で、これが官能的ということかと思ったりした。

    0
    2025年09月04日
  • 姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『花魁小桜の足』
    愛する男と天国で出会うためカトリックに入信した小桜が来たる踏み絵に向けて苦慮する話。
    踏み絵を断った遊女が処刑される場面が強烈で、ハリツケを受け入れる信者の盲信が不気味で結末も捻りのある展開で好ましいものであった。

    『西洋祈りの女』
    青年会館での場面では、その場の異質な雰囲気に呑まれる大衆に対して一人黙って凌辱され続ける女との対比が素晴らしい。

    上記に加え『姫君を喰う話』、『ズロース挽歌』が好き。

    0
    2025年08月26日

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