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Posted by ブクログ
2冊目のアルマジロの手を先に読んでしまい、急いで買い求めた短編集
最初に収められている表題作も期待通りの内容だったが、その次の「鯨神」の素晴らしさに圧倒された
芥川賞作家とだけは知ってはいたものの最後のページに該当作品との記述があり、そうとは知らずに読んでしまったが納得の出来
「花魁小桜の足」
どんでん返しが好み
「西洋祈りの女」
鰻の伏線
「ズロース挽歌」
ラスト5行の現実が際立つ
「リソペディオンの呪い」
言葉は知らなかったが現象は手塚治虫ブラックジャックで知っていたのでイメージしやすかった
好きな作品は鯨神、次点でズロース、花魁小桜
2冊目と比べるとインモラル度が高いけれど、このクオリティーの短編集ならいくらでも読めるし読みたい
Posted by ブクログ
筒井康隆のエッセイでよく見た名前だな、くらいのとっかかりと、タイトル、表紙に惹かれて買いましたが面白いのなんの。
「姫君を喰う」とはそういう意味なの?と読んでびっくり。何を読まされているのだ(笑)。
とは言え古い元ネタがありそれを現代(といっても1970年の作品!)にエロくかつ怪談のように蘇らせてお見事。食事と性欲の身近さが濃密に感じられて若者が読むと性癖が捻じ曲げられそうです。
続く「鯨神」も明治初期の話で、巨大な鯨に祖父、父、兄貴が殺され仇を討つ若者が主人公。
そこまで熱も無いのに鯨と死闘を繰り広げる主人公の独白がまたしても現代に通用してしまうのが全く恐ろしい。
他の作品も楽しみです。
Posted by ブクログ
「姫君を喰う話」
千年の時を超えて生きる虚無僧と並び、モツ焼きを喰いながら
セックス&カニバリズム談議にふけるという話
モツ焼きを食べるということが
むかし愛した女を想ってするオナニーのようなものであるらしく
それを指摘された虚無僧はどこかに消えてしまう
「鯨神」
明治時代初頭の長崎で
巨大な鯨に親兄弟を殺された若き漁師が
これに復讐をこころみる話
復讐を果たした彼は、自らも深手を負ってしまうのだが
死に際の夢の中で鯨と和解する
人を人たらしめるのは物語であり
そこを離れれば人も自然界の一部にすぎないという
ひとつの気づきであるが
死を目前にしなければそれを実感できないという
物悲しさもある
「花魁小桜の足」
江戸時代の長崎出島
世間知らずの花魁小桜は、天国に行けると言いくるめられ
御禁制の基督教に入信してしまう
天国に行くには、踏み絵を拒否して処刑されねばならない
その日が近づくなか
小桜は足フェチおじさんの相手を言いつけられる
「西洋祈りの女」
キリスト教の祈祷師が谷間の村に呼ばれるのだが
それは子連れの美しい女であった
彼女の出現と共に、村の若い男たちは
なにか熱病におかされたようになってしまい
ある惨劇をひきおこす
消費社会のおぞましさであるとともに
ある意味では健全さと言えるだろう
インターネットの現代にも似たようなことはおきる
「ズロース挽歌」
女学生の制服
とりわけ、スカートの内側にのぞくズロースへの憧れが
ひとりの男を狂わせる
持病の悪化によって死期を悟った彼は
女学生誘拐の罪を犯すのだが
逮捕後、獄中から小説家に手紙を出し
やがて物語となる
身寄りのない彼は、そのようにしか己の淋しさを癒せなかったのか
「リソペディオンの呪い」
とある因縁を持って生まれた侏儒の男が
孤独な少年時代を経て、ストリップ小屋に勤めるようになるが
結局すべてを失って
故郷に帰ってくるという話
運命にあらがおうと神殺しを果たしたものの
その影響力からは逃れられやしない
そういう悲劇である
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小説・文芸