宇能鴻一郎のレビュー一覧
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ネタバレ全体的に湿度が高くじっとりとした作品が多い短編集。その中から特に印象に残った作品について。
ズロース挽歌
病により余命わずかとなった男が、かねてより抱いていた性的倒錯を実行するに至った過程を記録した作品。
主人公の性へのこだわりの強さや、女学生に対する神聖視は程度が過ぎていて、少しおかしく笑ってしまうほどである。特に「セーラー服は便所にふさわしくなかった。一切の排泄行為を彼女たちにはしてほしくなかった。いっそ法律で禁じたかった。刑法第何条『ウンコやオシッコは女学生は、これを行ってはならない』とでも。」という一文は、冗談ではなく本気で思っていそうな狂気を感じて度肝を抜かれた。
主人公は様 -
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2冊目のアルマジロの手を先に読んでしまい、急いで買い求めた短編集
最初に収められている表題作も期待通りの内容だったが、その次の「鯨神」の素晴らしさに圧倒された
芥川賞作家とだけは知ってはいたものの最後のページに該当作品との記述があり、そうとは知らずに読んでしまったが納得の出来
「花魁小桜の足」
どんでん返しが好み
「西洋祈りの女」
鰻の伏線
「ズロース挽歌」
ラスト5行の現実が際立つ
「リソペディオンの呪い」
言葉は知らなかったが現象は手塚治虫ブラックジャックで知っていたのでイメージしやすかった
好きな作品は鯨神、次点でズロース、花魁小桜
2冊目と比べるとインモラル度が高いけれ -
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筒井康隆のエッセイでよく見た名前だな、くらいのとっかかりと、タイトル、表紙に惹かれて買いましたが面白いのなんの。
「姫君を喰う」とはそういう意味なの?と読んでびっくり。何を読まされているのだ(笑)。
とは言え古い元ネタがありそれを現代(といっても1970年の作品!)にエロくかつ怪談のように蘇らせてお見事。食事と性欲の身近さが濃密に感じられて若者が読むと性癖が捻じ曲げられそうです。
続く「鯨神」も明治初期の話で、巨大な鯨に祖父、父、兄貴が殺され仇を討つ若者が主人公。
そこまで熱も無いのに鯨と死闘を繰り広げる主人公の独白がまたしても現代に通用してしまうのが全く恐ろしい。
他の作品も楽しみです。 -
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「姫君を喰う話」
千年の時を超えて生きる虚無僧と並び、モツ焼きを喰いながら
セックス&カニバリズム談議にふけるという話
モツ焼きを食べるということが
むかし愛した女を想ってするオナニーのようなものであるらしく
それを指摘された虚無僧はどこかに消えてしまう
「鯨神」
明治時代初頭の長崎で
巨大な鯨に親兄弟を殺された若き漁師が
これに復讐をこころみる話
復讐を果たした彼は、自らも深手を負ってしまうのだが
死に際の夢の中で鯨と和解する
人を人たらしめるのは物語であり
そこを離れれば人も自然界の一部にすぎないという
ひとつの気づきであるが
死を目前にしなければそれを実感できないという
物悲しさもある -
Posted by ブクログ
ネタバレ本の雑誌で「芥川賞受賞作家で、官能小説家に転身した」と紹介されていて興味を持って手に取った。興味を持たざるを得なくないか!?笑。
本短編集自体は面白く読んだが、沼落ちするわけでは残念ながらなかった。紹介されるフェティシズムというか、官能要素が、私が谷崎に感じるものと結構一緒で笑、「あー足ね、はいはい」と言った感じ。収録作品は6つの短編+エッセイ。収録作品の中では、表題作の「姫君を喰う話」と「花魁小桜の足」が好きだったかなあ。引きたいと思う文章には特に出会わなかったのも残念〜
「姫君を喰う話」これエロというより、飯テロ小説とも言える笑。最初のモツ焼き屋の描写が食欲をそそる。
隣にいる虚無僧が実 -
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1961(昭和36)年から1970(昭和45)年にかけて発表された短編小説を集めたもの。
令和3年8月に出たこの新しい新潮文庫を店頭で見かけ、「宇能鴻一郎ってどこかで聞いた名だけど誰だっけ」と首をかしげ、巻末の解説をパラパラ見てみたら、そういえば「官能小説家」ではないか。団鬼六と並んで、中学時代にはこれらの作家の名を出しただけで淫靡な笑いを友人たちと共有したものだ。
知らなかったのだが、この宇能鴻一郎さんはもともと芥川賞作家であって、当初は純文学畑の小説家であったそうなのだ。この新刊の帯には「ただならぬ小説がここにある。」「官能の巨匠か、文芸の鬼才か。」「人間の深淵を容赦なく抉る至高の六