無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
古い町並みが残る街・川越の小さな活版印刷所、三日月堂。
『活版印刷 三日月堂』は、店主の弓子さんが活版印刷を通じて、お客さんたち思いを汲んで、文字を組む物語です。
初版には実際に活版印刷で刷られた1ページが追加されています。
自分の名前入りのレターセットが、活版印刷で刻まれるなんて、すてきですね。私も欲しくなりました。
作中でも語られていますが、活版印刷のレトロで不便なところが、デジタル世代の若い人たちに受けているそうです。
けれど、不器用さをほめられるのは、職人たちとっては複雑な気持ちなのだとか。
かといって、古いものがすべて良いわけではなくて、弓子さんはそんな現代の活版印刷の活かし方を探しているように思えます。
Posted by ブクログ
蔵造りの街、川越が舞台。
活版印刷「三日月堂」に戻って店を再開した弓子さんと、訪れる客との触れ合いを連作4編に纏めたもの。壁一面の活字の棚や、古めかしい印刷機の写真を見て、活版印刷所に足を運びたくなった。
「世界は森」
来週末、息子が北大の寮に入る。
「母さん、心配しすぎだよ。大丈夫だよ、家事なんてどうとでもなるって!」と言われたハルさん。これまで一人で育ててきた自分は何だったのかと腹立たしくて情けなくなる。母親の寂しい気持ちが手に取るように伝わってきた。
桜色のハルの名が入った便箋で息子に宛てた手紙を書く。三日月堂に頼んだ卒業祝いのレターセットには、森の緑の色で息子の名が刻まれている。亡夫と二人で、「ほかのすべての文字を捨てて、森太郎って名前を選んだ。生まれてきた子を見たとき、ああ、これでよかった」と思えた。
親から子へと手渡される思いに、何度も涙が込み上げ止まらなくなった。
「八月のコースター」
叔父の珈琲店〈桐一葉〉を継いだ僕は、ハルさんの紹介で三日月堂を訪れた。
「前に踏み出すのは怖い」けれど、活版で刷られた高浜虚子の句が僕に…。
『桐一葉日当たりながら落ちにけり』
活字を一つ一つ拾うように時を刻む。
「叔父さんが残したこの店をお客さんといっしょに作って行きたい!」と心が定まるラストに温かみを感じた。
「星たちの栞」
『われの星燃えてをるなり星月夜』
〈桐一葉〉のコースターに刷られた俳句を見て、国語教師の遠田真帆は、すずかけ祭に活版印刷のワークショップを依頼して…。
「どんな言葉も文字の組み合わせでできている。この文字の天の川のなかにある星たちでできている」
『銀河鉄道の夜』をイメージした教室の壁面に、活版で印刷された栞がつけられていく。文芸部員がそれぞれ選んだ一節の中には「『ほんとうのさいわい』ってなんなんでしょうね」の一文も! 教室に広がる宇宙…美しいその光景が見えるように思えた。
「ひとつだけの活字」
すずかけ祭で活版印刷を体験した雪乃は、結婚の招待状に祖母の遺品の活字を使えないかと、弓子さんに相談する。
戦前の銀座には活字店が多かったことを初めて知った。雪乃の曽祖父が営んでいた『平田活字店』の話が明かされていくストーリーにワクワクした。大切な活字でどんな招待状が出来上がるのだろう!
結婚前の雪乃の不安な気持ちや、弓子さんの辛い過去もわかり、またしても涙が止まらなくなった。
シリーズ2も続けて読みたい。
Posted by ブクログ
活版印刷の魅力とともに、人の温かな思いを感じられるストーリー。
著者の「銀河ホテル」シリーズでも感じましたが、作品のもつ優しい雰囲気と言葉にまつわる物語の世界観がとてもとても素敵。
また、追いかけたいシリーズが増えました。
素敵だなぁと感じるフレーズがいくつもあって、そういうときは心の中で繰り返してしまう。
「言葉」がもつ表現力というか力みたいなものを感じることがある。それは違和感なく心にスーッと入ってくることもあれば、ちょっとした衝撃を受けることもある。
そういう読書体験が、著者の作品にはあるような気がしています。
「八月のコースター」がとても良くて、一番好きかも?と思ったのですが、次の「星たちの栞」では深く心に響くシーンがあり涙がほろり…。
噛みしめるように、ゆっくり味わって読みたいと思える素敵な1冊でした。
活版印刷のワークショップとか良いなぁ。
実は活版印刷のレターセットを持ってます。
わずかに感じられる凹凸と温もりある風合いがとても素敵で、使うのがもったいないくらい。
特別な便箋だったので、昨年秋、退職する同僚への手紙に使いました。
ほしおさんの作品は、読破を目指して少しずつ読み進めていこうと思います。
読めば読むほど、ほしおさんが好きになるなぁ。
『人のなかに思いがあって、でもその人の姿を見ていても思いは見えない。句の形、言葉の形になって、はじめて浮き上がる。思いの強さが輪郭みたいに。そして、いつまでも残る。』
『物語というのはすごいものですね。ひとりの人がつむいだものが、こうやってあとの人たちの心になにかを残す。印刷にはそれを助ける力がある。』
Posted by ブクログ
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
久々にこのシリーズを読み直そうと思い手にしました。私の大好きな作品です。全シリーズ購入して持っているので、好きなタイミングで読めるのがいいですね。ゆっくり、全巻読んでいきます。
祖父が経営していた印刷所を、孫娘の弓子が継いで再開するお話なんですが、活版印刷と弓子の想いを通じて、皆が前に進んでいきます。
弓子は活版印刷を再開したばかりで、新しいことに挑戦していきますが、「慣れたことだけをしていてはダメ」という言葉に共感します。今までに経験していない新しいことにいつまでも手を出していきたいと思わせてくれます。それこそ、活版印刷をやってみたいという気持ちは、以前この作品を読んだ時から持っています。来年はやってみようと思います。
以前読んだ時は、感想を書いていなかったためか、記憶にない部分が多くて、初めて読んだような感じでした。序盤からジワっと涙が溢れてきて、とても心が動かされました。
とても温かさを感じる作品で、多くの悲しみや迷いの感情の中で、ジワリと幸せを感じることができる作品です。この作品を読むと、静寂に包まれる感じになるとともに、前へ進んでいく気持ちになります。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/_/
連作短編集です。
各話で主人公となる人物と、弓子と活版印刷を通じて、皆が前に進んでいくお話です。
■世界は森 ハル
ハルの息子の森太郎が北海道大学の入学に合わせて、巣立っていきます。
弓子は活版印刷でレターセットをつくります。
■八月のコースター 岡野
喫茶店を経営する岡野、元経営者の叔父さんと自分を比べて苦悩する日々を送っています。
弓子は活版印刷でショップカードとコースターをつくります。
■星たちの栞 遠田
宮沢賢治の作品に関わる思い出を持つ遠田先生と、生徒二人が、活版印刷のワークショップに関わっていく。
弓子は活版印刷のワークショップを開き、栞をつくります。
■ひとつだけの方じゃ 雪乃
結婚を控えた雪乃が祖母が持ってい活字を使って招待状を作りたいと考える。
弓子は活版印刷で結婚式の招待状をつくります。
/_/ 主な登場人物 _/_/_/_/_/_/
■三日月堂
月野弓子 28歳、不器用、気まじめ、職人気質
■ランニング仲間
市倉ハル 川越運送店
市倉森太郎 しんたろう、ハル息子、北海道大学、大学生
大西 観光案内所のバイト、文具フェチ、20代、大学院生
柚原 30代後半、背が高い
葛城 ガラス店兼工房経営、男性
■桐一葉
岡野
■私立鈴懸学園(高校) すずかげ
遠田真帆 おんだ、先生
村崎小枝 文芸部部長、高校2年生
山口侑加 〃
■結婚を控えた2人と友人
雪乃 大西の一年先輩、司書
宮田友明 結婚相手
金子 デザイナー
/_/ 機械 _/_/_/_/_/_/
■手キン
手刷の機械
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸