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Posted by ブクログ
三日月堂のシリーズ完結編。
川越に戻り、たった一人で祖父の活版印刷所
「三日月堂」を再開した月野弓子。
訪れるお客さんや周りの人に支えられながら
手探りで活版の仕事を続けてきた。
「この先どう生きて行きたいか」
彼女が自分の"夢"をやっと言葉にできたラスト、涙が溢れ止まらなくなった。
星をつなぐ線
街の木の地図
雲の日記帳
三日月堂の夢
「街の木の地図」から「雲の日記帳」への流れがとても良かった。
立花ゼミの三人は春休みに「川越の街をテーマに雑誌を作る」課題に取り組む。
川越を巡り、木の思い出を街の人から聞き、一枚の紙の雑誌を作る。イラストマップが深緑色に活版印刷された「街の木の地図」はとてもきれいで…。
「目に見える葉や幹の下に広がる木の根っこのように、言葉にも根っこがあるのかもしれない。
残しておきたい思いがたくさん隠れている。」
雑誌『街の木の地図』は古書店「浮草」で販売され、店主の水上は同人誌作りに夢中だった大学時代を思い出す。
新人賞を取った後、書くことをやめた水上。
久しぶりにやってきた友人の岩倉から「雲日記」の出版を持ちかけられて…「雲の日記帳」
「水は雨や雪になって、地上を流れて、海になって、雲になる。わたしたち生きものの身体も水でできている。人が生きるのは、雲になる練習のようなものかもしれない。」
シリーズに今まで登場した人たちが三日月堂に集まって水上さんの本作りを手伝う場面はまるで星の輝く銀河のよう!
水上が弓子にかけた最後の魔法にニヤリとさせられた。
この春に新生活を始めた人たちに、是非シリーズを通して読んで頂きたい。
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。「シリーズ完結編」と書いてあるけれど、調べるとその後も6巻まで出ている模様。5は番外編で過去の話、6は少し未来の話だとか。
4では三日月堂が少し成長して大きくなっていく経過が書かれている。最初は弓子さん一人でやっていたのが、いつの間にか悠生や楓がいなくてはならない存在になっていて、更に協力者も増えて賑やかになっていく。
今回も日頃抱えている生きることや仕事に対する迷いや躊躇いを言葉にしてくれて、さらに思い切って踏み出してと後押ししてくれるような言葉がたくさんあった。あたたかくて安心できるシリーズ。
ほしおさなえさんの著作はこのシリーズしか読んだことが無いので、他のものも是非読んでみたい。
●印象的な言葉
「落ちた時に自分のせいだと思ってたらキリがないよ。自分じゃなくて相手が悪いって思った方がいいよ。そうしないと負けるよ。」
「言葉にも根っこがあるのかもしれない。目に見える葉や幹の下に根っこが伸びて土の中に広がって。地面の中で他の根っこと出会ったり、絡まり合ったりしてるのかも。」
「言葉はいつも人と人の間にあって所有することはできない。自分が発するどの言葉も元々は外からやってきたものだ。」
「人ははっきり説明できるような役割なんてなくても生きていていいんだよ。その人がいることで助かっている人は必ずいるんだ。」
「自分の身体も財産も借り物。大切な人も物も最後は全て世界に返さないといけない。仕事・業績・人のためにしたこと、生きるためにしたことは何もかも世界のものでその人の死後もこの世に残る。本人は持っていけない。でも、その人の思い・記憶・夢だけはその人と共に消える。その人だけのもの。形のない夢だけがその人の持ち物。」
「夢っていうのはそもそも自分勝手なもの。世のためになるかもわからないし、人に迷惑もかける。それでも引かずに求め続けた人だけが叶えることができる。」
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