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彼女と出会った。僕の日常は変わった。
純度100%! 小説現代長編新人賞受賞作。
売れない作家だった父が病死してから、越前亨は日々をぼんやり生きてきた。亨は、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。
図書委員になった彼は、後輩の小崎優子と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。
くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見ていた亨だったが、いつしか自分が彼女に興味を抱いていることに気づく。
自分の力ではどうにもできないことで溢れている世界への反抗。本への愛。父への本当の想いと、仲間たちへの友情。青春のきらきらがすべて詰まった一作。
Posted by ブクログ 2023年02月10日
ぜひ高校生の方には読んでほしい
青春ものではあるが恋愛物語ではないです。空からクラゲが降ってくるというトンデモ展開のSF要素がありますが、登場人物の抱えるものはどれも現実感溢れるものばかりで、読者はきっと共感できるものだと思います。
世の中は理不尽で溢れていて生きづらいと思うこともあるとは思うけれど...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月20日
わたしたちは日々迷惑をかけたりかけられたりして生きています。ただ一口に迷惑と言っても、色々な種類(あるいは背景)があり、様々な形式、レベルでの「許し」「償い」が必要とされます。本書の主人公は、迷惑が何かが分からなくなり、すべての迷惑を同質な「迷惑」で片付けようとし、それを単に「かけるべきではないもの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月06日
p13「春の空は柔らかく、引きちぎられた綿菓子のような雲が青の半分を占めていた」
とても良い表現!好き。空をこんなにきれいに表す言葉、初めて。
p182「無関心である事は、人に優しくできないという事だ。自分勝手である事は、感情の矛先を間違えるということだ。優しさの本質は他者への興味だ。」
先輩が読...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月19日
作品内に、実在の本が色々出てくるので、同じ世界線のどこかで、このお話が実在しているように感じられる。
ヒロインの「くらげを降らせる」というちょっと変わった目標をきっかけに主人公が少しずつ変わっていく様子は心温まる。そして主人公を取り囲む人々が、大人も含め、心優しい人が多くて嬉しくなる。「目撃者の義務...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月02日
最近、気になっていた作家さんだったため、お試しがてら本作を手に取りましたが、青春真っ盛りな感じが好みでした。
無気力な主人公、クラゲを呼ぶ後輩、運動部で明るい親友、図書室の主である先輩など、どこかベタではあるけれども登場人物のキャラクターが粒立ってて魅力的でした。
ところどころ陰りが見られますが、全...続きを読む
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