晴れ、時々くらげを呼ぶ

晴れ、時々くらげを呼ぶ

792円 (税込)

3pt

彼女と出会った。僕の日常は変わった。
純度100%! 小説現代長編新人賞受賞作。

売れない作家だった父が病死してから、越前亨は日々をぼんやり生きてきた。亨は、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。
図書委員になった彼は、後輩の小崎優子と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。
くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見ていた亨だったが、いつしか自分が彼女に興味を抱いていることに気づく。

自分の力ではどうにもできないことで溢れている世界への反抗。本への愛。父への本当の想いと、仲間たちへの友情。青春のきらきらがすべて詰まった一作。

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晴れ、時々くらげを呼ぶ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年02月10日

    ぜひ高校生の方には読んでほしい
    青春ものではあるが恋愛物語ではないです。空からクラゲが降ってくるというトンデモ展開のSF要素がありますが、登場人物の抱えるものはどれも現実感溢れるものばかりで、読者はきっと共感できるものだと思います。
    世の中は理不尽で溢れていて生きづらいと思うこともあるとは思うけれど...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月20日

    わたしたちは日々迷惑をかけたりかけられたりして生きています。ただ一口に迷惑と言っても、色々な種類(あるいは背景)があり、様々な形式、レベルでの「許し」「償い」が必要とされます。本書の主人公は、迷惑が何かが分からなくなり、すべての迷惑を同質な「迷惑」で片付けようとし、それを単に「かけるべきではないもの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月31日

    ふと、目にしたTwitterで知り何気なく借りた小説

    ・優しさの本質は他者への興味
    ・見た限りは話を聞いてあげるなり、諭してあげるなり、何か手を差し伸べてあげるべき
    ・ひとりは最も近くにいる気軽にやってくる地獄

    これらの言葉が心に刺さる。
    感動するオススメの本です。

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    Posted by ブクログ 2022年11月06日

    p13「春の空は柔らかく、引きちぎられた綿菓子のような雲が青の半分を占めていた」
    とても良い表現!好き。空をこんなにきれいに表す言葉、初めて。

    p182「無関心である事は、人に優しくできないという事だ。自分勝手である事は、感情の矛先を間違えるということだ。優しさの本質は他者への興味だ。」
    先輩が読...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月20日

    たった2冊の売れない本を残した作家の言葉は呪いか、標か。様々な理不尽に抗う高校生の青春群像。

    そぉかぁ、くらげ、降るんだ…。 ま、いいか。

    亨くん、いつか「未完成本」を完成させるんだろうな。

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    Posted by ブクログ 2022年08月23日

    表紙の装丁が素敵。
    実在する小説が出てきて、この本読んだことある!と思ったり、読んだことのない本に興味をもったりした。
    心に残る文章やセリフがたくさんあった。
    この作家さんの他の作品も読みたい。

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    Posted by ブクログ 2022年07月19日

    作品内に、実在の本が色々出てくるので、同じ世界線のどこかで、このお話が実在しているように感じられる。
    ヒロインの「くらげを降らせる」というちょっと変わった目標をきっかけに主人公が少しずつ変わっていく様子は心温まる。そして主人公を取り囲む人々が、大人も含め、心優しい人が多くて嬉しくなる。「目撃者の義務...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月12日

    新刊の時に読んでて
    めちゃくちゃ面白かった!
    けど内容ちょっと忘れてたので文庫本版も購入

    やはり良い話だ
    こういう世界ならば
    この前の様な悲劇は起こらなかったであろう

    これが受賞時は大学生だっというのも凄い話

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    Posted by ブクログ 2022年07月02日

    最近、気になっていた作家さんだったため、お試しがてら本作を手に取りましたが、青春真っ盛りな感じが好みでした。
    無気力な主人公、クラゲを呼ぶ後輩、運動部で明るい親友、図書室の主である先輩など、どこかベタではあるけれども登場人物のキャラクターが粒立ってて魅力的でした。
    ところどころ陰りが見られますが、全...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月30日

    真面目にくらげを降らせる方法や手段を考えている純粋さって、誰にでも出来る事じゃないよな、と思った。

    周りの環境や人に左右されやすい時期のなか、コレと信じて行動できる原動力に惹かれた。

    失敗してから気づくこともあると思う。そこからどう関わっていくか、考えることが大事なんだろうと思った。

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