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父親からの抑圧に耐える高校生の智佳。誰にも言えない夢があり、密かに日帰り旅で東京へ向かう。そのバスで同級生のギャル・優亜と遭遇し、彼女の“男への復讐”を手伝うことに。智佳は大好きなホラー映画から着想し、復讐劇を実行するが……。何年経っても拭い切れない、怖れの記憶。暴力に歪められた自分の心を取り戻すため、懸命に闘い続ける少女たちの、希望への疾走を描く連作短編集。(解説・彩瀬まる)
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Posted by ブクログ
ぜったいにつらいのに、どうして何度も闘う物語に手を伸ばしてしまうのだろう。それはきっと、いつかのじぶんを救いたいからだ。繰り返し立ち上ってくる恐怖と暴力に、なんどでも立ち向かわなければならないからだ。こんな理不尽なことはない、膝をついてもう立ち上がれないと涙も渇れるとき。それでもおもいだすため。ひと...続きを読むびとが繰り返し綴ってきた、絶望とのあまりに尊い闘いの記録と、意志の有り様を。息ができなくなるような苦しみのなか、息をするように求めている。闘い、闘い、疲れはてても。闘う限り「いつか」はくるかもしれないと信じて。
何のために頑張っているのか、 頑張った先に何が待っているのか。 誰しも漠然とした将来への不安を抱えたことがあるのではないでしょうか 人は生きている限り悩み、苦しむ運命にあるんだと生々しい現実が描写されるとともに、そっと背中を押してくれる、そんな応援メッセージのような小説です。 個人的には解説の...続きを読む彩瀬まるさんの闘わずに誤魔化すのか、という言葉にも考えさせられました。
痛々しい。 家族をコントロールしたがる父親。その娘、妻。 一方で男に酷い仕打ちを受けトラウマと戦う女子。 それぞれが現状から逃れ、新しい世界を切り拓けるかの物語。
父親からDVを受けている智佳と、過去のレイプ体験に怯える優亜の二人を主人公に据えたお話で、有り体に言えばつらい体験を克服していくお話。つらい過去のお話は読んでいても辛いのだが、希望を持って生きようとする姿は読んでいて応援したくなる。良作。
最後智佳が父親に電話するシーンかっこよかった 無茶苦茶な人間に何を言ってもこちらの声なんて届くことはないけど、智佳の最後まで貫き通して冷静に話す言葉。父親は支配出来なかったことに絶望を覚える。最高の復讐。 あと智佳の母の回が個人的に1番好きだった。 望まれず産まれた 無関心な母親の元で育った雪子 ...続きを読むそんな雪子の母親の危篤を聞いて重い腰をあげて尋ねる。この人に以前は認められたかった。でもそれをやめて自分の家族を作れた時 息が吸えたような感覚。亡くなった母親に自分を見て欲しかったと最後ビンタするシーンに雪子の苦しみが溢れてた。 そしていま自分の家族も危ういことを認めざるえなくて、でもそれが果たして最悪のことなのかと、娘を縛りつける夫に加担することは正しいことなのか?そうではないと認めたとき、また春がみえた気がした。 かっこいい。
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