マザーズ(新潮文庫)

マザーズ(新潮文庫)

869円 (税込)

4pt

同じ保育園に子どもを預ける作家のユカ、モデルの五月、専業主婦の涼子。先の見えない育児に疲れ切り、冷めてゆく一方の夫との関係に焦燥感を抱いた母親たちは、それぞれに追い詰められてゆくが……。子どもへの愛情と憎しみに引き裂かれる自我。身も心も蝕む疲労、そして将来への深い不安――。不倫、虐待、流産などのタブーにあえて切り込み、女性性の混沌を鮮烈に描く話題作。

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マザーズ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月04日

    すごい。圧巻。すべてを書き切っているのでは。

    3人の若き母たちを題材に、母親であることの幸福と孤独、身を切るような痛み。金原ひとみ節として不倫、クスリ、暴力の描写はあるけれど、それもその時々で彼女たちには必要なもの。

    読むタイミングは選んだほうがいい。若すぎるとわからないし、登場人物に近すぎると...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月08日

    あなたは、『育児』真っ只中の女性がこんなことを口にしたらどう思うでしょうか?

    『子どもと二人でずっと家にいる。それがぐつぐつと煮えたぎる五右衛門風呂に沈められたり、針山に落とされたりするのと同等の地獄であると知ったのは、出産直後の事だった』。

    2021年に改正された”育児・介護休業法”の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年05月01日

    金原ひとみさんは、蛇にピアスを芥川賞受賞時以来。
    蛇にピアスは、露悪趣味な感じが、うーんって感じだったけど・・・

    この作品も露悪的なところがあるけど、あえて出産育児という神聖視される領域を露悪的に描くことによって、現代の出産育児をリアルに描くことに成功している。

    母親は意識的、無意識的に母親とい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月06日

    子どもを持つことって、幸せなことではないんだろうか。
    衝撃的な展開の重なりに、実際に自分が育児をしてみたらどんな風になるんだろうと一抹の不安を感じた。今はまだ経験がないから共感できないことも、子どもができたらまた変わるだろう。

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    Posted by ブクログ 2024年01月22日

    一気に読めました。
    人間の描き方が魅力的で楽しい。
    母親業をやっている人たちは色々な種類の人がいる。

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    Posted by ブクログ 2023年11月21日

    これやばち。この気味の悪い、無機物的な文章はなかなか普通の作家には書けない。
    理論と論理
    理論は論理の行き着く先。論理はプロセス
    人の生や死は、ある程度なんらかのルールの中にないと、どうしていいかわからなくなっちゃうもの
    子育ての大変さ。というよりもはや異常といっていいほどの苦労がわかる。
    ずっとス...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月04日

    こいつはまた、ええじゃないか。
    最初はセレブvsパンピーかよー、このブルジョアどもめが、って感じだったけど、まぁ最終的にも感情移入できて心情が理解できるのはパンピーだけだったけど、でも三者三様にそれぞれ楽しいのよ。
    ユカが突然と厨二病みたいな説教始めるのも悪くない。こんな面倒くさいこと言うのか普通っ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年04月04日

    まったく関連性がないのだが、読みながら島尾敏雄の「死の棘」を思い返しながら本作を読んでいた。

    ・不倫モチーフという共通点。
    ・精神的に追い詰められた果てを執拗に追う著述。
    ・触れると崩れ落ちそうな緊張感に包まれた小説世界。
    ・鳥かごのような逃げ場のない地獄を、どこか引いた目線で見つめる態度。

    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年03月21日

    * 母という、男である自分が分かり得ない物語。不安定な3人の人生を読んでいる間は常にハラハラさせられる。読んでて凄く疲れるんだけど、止められない本だった。
    * SNSのフィードに流れてくるキラキラした赤ちゃんの写真の裏側、子育てのダークサイドが詰め込まれた物語。こんなにもヘビーなのか…と、素直に世の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月31日

    2012年度、第22回 ドゥマゴ文学賞受賞。著者、金原ひとみは『蛇とピアス』『アッシュベイビー』でアンダーグラウンドなイメージしかなかった。この長編の登場人物、ユカのキャラはちょっとそちら側の雰囲気が漂う、読み進めるごとに、育児ノイローゼの母親たちの、深刻なこころの叫びに共感を覚えた。読み終えて、産...続きを読む

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