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留学先のアメリカで孤独な日々をおくる19歳の尚美を救ったのは、多様な生徒が自ら運営する学生食堂〈サード・キッチン〉との出会いだった……仲間に支えられ成長していく姿に共感、感涙必至の青春小説!
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Posted by ブクログ
偶然なのだけれど、ここのところ、差別問題と料理の本を立て続けに読んでしまった。この本は1990年代後半にアメリカの大学に留学した日本人が主人公。得意だったはずの英語もネイティブの前では片言でしか話せない。周囲の日本人は元々帰国子女だったりしてネイティブ並みの発音。疎外感で鬱々と過ごしている。共感する...続きを読むところも多いのだけれど、彼女が英語に出来ずに内心で毒ずく場面はちょっと苦手。でもこれは最初だけで、学内でサード・キッチンというマイノリティのための場所を見つけて、友人が増えてくる。一方で差別という問題に向き合わざるを得ない状況になる。言葉にならないモヤモヤを、きちんと文章にしてくれる本。
アメリカ留学で様々な事に気づく物語 以下、公式のあらすじ ------------------- 都立高校を卒業しアメリカ留学した尚美は拙い英語のせいで孤独な日々。どん底に現れた美味しくてあたたかい食事と人種も性別もバラバラの学生たちが、彼女を変えていき……感動の青春成長譚! ---------...続きを読む---------- 理想的本箱「人にやさしくなりたい時に読む本」で紹介されていた本 あと、読書会でも紹介されたので、何かと記憶に残っている 加藤尚美は都立高校を卒業し、アメリカに留学している大学生 父を亡くした母子家庭で、経済的に裕福ではないが、山村久子という高齢の女性からの支援を受けて留学できている その援助を受ける条件として、定期的に手紙のやりとりをしている ただ、その内容は孤独な生活を送っているにもかかわらず、心配させまいと嘘で塗り固められた内容 尚美は英語が拙い事もあってか、周囲の人間と上手くコミュニケーションが取れず、ルームメイトであるクレアやセレスタとは上手くいっていない 英語ができない事から、子供っぽく思われたり、頭が悪いという扱いを受けている 自分の本分は勉強して良い成績を修める事と勉強に励む尚美 、他の人達はパーティーに出かけたとある日の夜、向いの部屋から物音がし、気になって覗いてみると、絵を描く女性アンドレアと出会う 自分の話を真摯に聞いてくれ、同じく絵を描く事で二人は理解を深める そして、アンドレアの友人であるマライカがも登場し、学生が運営する食堂「サード・キッチン・コープ」に誘われる サード・キッチンは、マイノリティ学生のためのセーフ・スペース それまで孤独だった尚美は、サード・キッチンに入ることで、新たな気づきを得ていく 日本で暮らしていると、自身がマイノリティであるとはあまり思わない ただ、アメリカでば黄色人種も"peaple of color"としてマイノリティとして扱われる また、人種だけでない差別 戦争の加害国としての日本 性的マイノリティなどへの偏見と差別 異性愛が「ノーマル」で同性愛が「アブノーマル」という言葉 ただ、「ストレート」という言い方もどうなんだろ? 真っ直ぐではないというのはネガティブな意味にならないのか? 日本では気づかなかった、自分がマイノリティで「差別される側」という認識 それと同じく、自分も事柄によっては「差別する側」でもあるという気付き 尚美は偏見について -- 私はどういう人間か。それを、よく知らない他人に決められるということ。いやだーほとんど、反射的に、そう思う。 -- と思っているけど、私個人としては、別に他人がどう思っていようと、勝手に思ってれば?と思うけどね あくまで思う分にはで、口に出したり行動に影響を及ぼさない限りはね 内心の自由は、差別的な考えや頓珍漢な偏見であろうと問題にはならないと思うよ 韓国のジウンとの確執 「無知」と「無関心」は罪なのか?というテーマ この問題に限らず、差別的言動の言い訳に「知らなかった」を振りかざすことや 「知らないからそっちが教えろ」という態度の問題点 なぜ差別される側が負担を強いられなければいけないのか? ただまぁ戦争責任については、祖先の罪を背負う必要はあるのか?や 同じく、祖先の被害の補償を求める事は是か?という課題も出てくる 罪はないけど、責任はあるのか? 責任も背負わなくともよいのか? そんな事言いだしたら、直近ではなくもっと昔の歴史まで引っ張り出すけど、それでいいのか?とも思う 国同士、政府間での交渉事ならともかく、個人間で歴史を持ち出すのは愚かな行為に思えるけどね それにしても、差別に関しては自身を顧みても色々と難しい 自覚している差別心は表に出さない事ができるけど 無自覚な差別心は隠すことができない 前述の通り、その差別の訴えをマイノリティに押し付けているという批判もあるけど でもどうすればいいのかがわからない また、差別と区別の違いはどこかか? 何が偏見で、何が差別か? 対応の違いが許されるケースとはどんなものか? また、時には類型化も必要な状況はあると思うし 本当にこの手の問題は難しい 日本にいると、今でも圧倒的な人種や民族の偏りがあるため 自分はマジョリティでいる側はその優位性を特別に意識したりしない マイノリティ、そして作られたイメージによる差別もある アメリカでは様々なな人種が昔からいるけれども、その接し方について最適解はない 今でも酷い状況ではあるが、遥か昔に比べればましではある 尚美も日本人だからといって差別を受けていたわけではなくて、自分が言葉の壁を感じて自ら相手方に対して壁を作って塞ぎ込んでいる側面もあるのではないかと後に気づく 結局は、文化の尊重と個人の相互理解が必要って事だと思うのだが ジウンは「ちゃんとした韓国人じゃない」と言われる 尚美も自分を馬鹿にしてきたアメリカ育ちの日系人を「日本人じゃない」「本当の日本語じゃない」と馬鹿にしていたという気付き 本当に、差別というのは単なるヒエラルキーでもないし、きっちり全てが分けられるものでもないし 厄介なものだよ 世の中、スッキリ理解できたほうが楽で気持ちいい そんな単純化して理解できればいいのだろうけど 理解できない状態でも受け入れる、認めるという姿勢が求められるのだろうなぁ あと、解説でも語られているように、舞台が1998年 湾岸戦争から続く中等のあれこれが問題になっていて、この後にイラク戦争があり、911があり、リーマンショックがある 本当に、尚美はどんな人生を歩んでいるのだろうな?と物語の続きを想像すると陰鬱な気分になってしまう また、これは著者の留学経験が大いに反映されている小説らしい となると、著者もこんな時代を生き抜いてきたという事なのだろうか?
海外に留学している日本人女子が語る物語。 「サードキッチン」とは、差別や貧困など、何らかの問題を抱えた留学生たちが利用できる、安心できる居場所としてのキッチン。 なかなか海外の大学になじめず、言葉の壁から生じる様々な障壁や差別を日々感じながら勉学に打ち込む主人公が、サードキッチンと出会い、世界の扉を...続きを読む開いていく。 日常に潜む潜在的な差別や偏見について、考えさせられる内容。 そして英語がネイティブのように話せないことで感じるもどかしさや孤独感、そして起きてしまう差別についても考えることができた。 「差別を受けたり弱者であることを理由に、逆にマジョリティをサードキッチンから排除して、被害者づらすることこそ、差別なのでは」という、ストーリー中の訴えにもなんとなく共感を覚えた。 作中で主人公が感じることは、人種差別に限らずに当てはまる部分も多いなと感じて、良い刺激になる一冊。 海外の人たちと、交流してみたくなった。
差別はしてはいけない、なくすべきものである。 そう思っていても、自覚なく差別してしまっていることが誰にでもある。だからこそ、気づいた時にどうするかが大切なのだと思う。そんなことをぐるぐる考えさせられた。もがきながら、諦めない。
この本の存在はNHKの本の紹介番組で知った。 読んでみて、ありありとウン十年前の留学時代に感じた記憶が読みがえって来た。 何度「チャイニーズ!」っと遠くから叫ばれた事だろう。 土曜日の、まだ街が起きだす準備をしている静けさに包まれている朝に、街の中心を突っ切り駅へ向かう道で、私は顔面に黒い色の皮膚...続きを読むを持つ人に唾をかけられたのだ。 一瞬、何が起こったのかを脳が理解する事が出来ない…息も出来ない… 近くのスタバの入り口を叩き、顔を洗わせて欲しいと懇願する自分がいた。 怒りより驚きが、何度顔を洗っても落ちない唾の感覚が残る。 こんなに露骨にも差別とはこの世に存在するものなのだ… あの日の事は一緒忘れない。 大好きな国の醜い一面。 世界の中にいるアジア人の私。 一方で、表には出さないが私の中にも間違い無くある差別的な感情。 人間の心は複雑で、また、世界も複雑なのだと痛感させられる。 言語の問題で、自分をうまく表現出来ないもどかしさと悔しさ。 白人、黒人だけではない、わかりやすさからくる差別。 無知であることへの自覚。 折に触れて、何度も読もうと思う一冊です。
人は、何かを理解しようとする時、 自分の知っている既存の知識や常識の枠で ものを捉えようとする。 それは自然なことに思えるけれど、 それゆえに、決めつけや差別を無意識にしてしまっていることに気づかないこともある。 自分の価値観や考え方は、変わるものであり、育てるものだと思う。 未知の人、もの、こと...続きを読むに出会った時には、まずはよく観察し受け入れることから始めたい。 それは学習と同じだと思う。 あらゆる差別やマイノリティに対する考え方が発信される世の中において、だんだんと身動きが取りにくい感覚に陥ることがある。 時に、過剰な理解や配慮に感じることがあるけれど、『それは過剰じゃないか、』という部分は、自分の立場から見た一つの意見であって、『必要である』と感じる人もいることに気づく。 何事も、良い悪い、0か100かでは割り切れないし、決めれられない。話し合っても、結論が出ず、平行線のこともある。 主人公ナオミの良いところは、 手を離して、考えるのをやめて、楽になりたいと思うような複雑な他者との関係性や価値観の理解を放棄しなかったこと。読んでいて、とってもネガティブな発言が多くて疲れるけど、それでも逃げなかったことがナオミの成長を描いていて、象徴的だった。 そして、外国人同士だけでなく、家族や友達 色々な関係性を引用しながら、本書では、 もっと本質的な、 人と人が分かり合うということの難しさ示しながら、 なお、私たちにどうするかを問うている。 分かり合えないというのはある意味当然だと思うのだが、それでも分かり合いたいと願い、分かり合えた時に喜ぶことは世界共通のことなのかな、と感じた。 自分の感覚を、いつも柔らかく保っていたいと思った。 私はこういった、問いをくれる本がとても好きなので、 面白かったです。
アメリカに住んでた身として、主人公のナオミに超共感。 アメリカにおいてマイノリティの身分でありつつ、マイノリティが直面する、提起する問題がいまいちピンときていなかった。 単なる無知。無知であることの恥ずかしさ。声を上げることの大切さ。 簡単にわかるものではないけど、知ろうとし続けること、話し合おうと...続きを読むし続けること。それが重要。
海外留学した事のある人なら、共感できるところがたくさんあると思う。うまく外国語が話せないもどかしさ、相手にめんどくさそうな顔された時に傷ついたり、簡単な言葉しか使えないから、子供扱いされたり… 自分でも無自覚な、差別と偏見。それに向き合い、考え続ける事の大切さを改めて考えさせられた。
少しも上達しない英語の勉強も、答えのない差別や人間関係の問題を考え続けることも、諦めないで頑張りたい。励まされました。
どこからどこまでを差別とするか難しいと感じた。違う扱い受けたらそれは差別なのか。サードキッチンに白人生徒が許可なく入った件がきっかけでなおみと白人学生の議論からもおもったこと。皆が人種性別国籍等問わず心地よく過ごすための是正措置としてなら、簡単に差別と言ってしまっていいのかなって思いました
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