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切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。
藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。
天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。
謎と謀(はかりごと)、美と畏れ。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説!
「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」
――川出正樹 (解説より)
※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
「能」の蘊蓄が9割方あり、難解な内容。
ただ、筋としては面白いので、難解な部分は読み飛ばして拾い読みした。
貧困で苦しむ弱小藩の道具役(能役者)の長男として生まれた主人公の屋島剛。母親が死亡し後妻に次男が生まれたことから後継を諦める。兄がわりを師と仰ぎ、野墓の原で「能」に励むが、師が事件を起こし自裁する。一旦全てを諦めるが、再度「能」を一人稽古する。
殿様が突然死し、藩を救うために殿様の身代わりとなる。「能」が藩を救うということで、江戸で頭角を表す。
「自分の国をちゃんとした墓参りができる国にする」という師からの言葉を自分の命題とした屋島剛は最後の手段に出る。これが衝撃的な内容だった。最後にこれは無いのではと思ってしまう。
Posted by ブクログ
主人公の剛(タケル)は能を生業とする道具役(能の役者)の家に生まれた。能の師でもあり、兄のように慕った保は武士として死んだ。
貧しくて墓に埋葬する土地もない台地の国では遺体は川に流される。「ちゃんとした墓参りができる国」にするために、剛は身代わりの藩主となって、能の力で御当代様へ働きかけようとするが・・・・。
なんとも壮絶な物語だった。能のなんたるかを解き明かそうとする文章が後半にあるのだが、能の真実はわからないながらも引き込まれた。そして剛の衝撃的な決断・・・。いや、極めるのはそっちじゃないだろう、勿体無いと思うのは、能だけに囚われていた自分だから。能が、それほど魅力的なものに映った。
以下ネタバレになるけど、
保の鵺の能を見たかった。それを見ている剛。
だんだん一体化していく2人。
映像が浮かんでくる(でも誰がやるの?)
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