無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説!
東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
青山文平の描く武士の姿に、武士とは何かを考えさせられる。武士個人の哲学や生き方を描いているようでも、時代の掟にがんじがらめになっている、と思えてならない。
豪農で武士の資格をとった下垣内家の家長昌邦は、自分は武士に向いていない、俳句を嗜んで人生を送りたいと思っていても、忠実に武士であろうとする。
突然の出来事により、弟邦雄は兄の仕事を受け継ぐのだが・・・。
兄からは前を向け、と言われたにも関わらず、邦雄は後ろを向いて、武士であろうとすることを選んだ。兄の思いを知るために。
ある新聞記者の取材のもとに、美術の目利きとして明治時代に活躍した下垣内邦雄の、幕末の意外な姿が描かれる。
知識がすごい人なので、まずその蘊蓄にとっつきにくい入りかもしれないが、頑張って読み進むと、ひらけた展開と、意外性のある物語が待っている。最後までとても面白かった!
Posted by ブクログ
幕末、豪農の次男として生まれ
“当代きっての日本美術の目利き”と言われるまでになった下垣内邦雄。
昭和初期にかけ芯を持って生き抜いた。
その身の上を新聞記者に語る。
家を継ぐのは長兄の昌邦。
幕末江戸の混沌とした背景や
下垣内家の内情も少しずつわかってくる。
つましく生きる兄が人を斬った。
その訳を探るため邦夫は旅に出る。
出会った縁がその先へ、前に進むことを促す。
皆さんが書かれているように前置きが少々長い。
読破している青山文平さんのご著書なのだから
おもしろいことはわかっている。
邦雄が人を斬る旅に出たところから引き込まれていった。
青山文平さんのお陰で、また新たにその時代を知ることができました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。