下垣内教授の江戸

下垣内教授の江戸

1,980円 (税込)

9pt

4.0

ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説!

東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。

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下垣内教授の江戸 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    青山文平の描く武士の姿に、武士とは何かを考えさせられる。武士個人の哲学や生き方を描いているようでも、時代の掟にがんじがらめになっている、と思えてならない。

    豪農で武士の資格をとった下垣内家の家長昌邦は、自分は武士に向いていない、俳句を嗜んで人生を送りたいと思っていても、忠実に武士であろうとする。

    0
    2025年02月05日

    Posted by ブクログ

    正史には残らない市井の幕末。あれだけの混乱期、それはそれは色々あっただろう。幕府は倒れるべくして倒れた事が腑に落ちたし、混乱を乗り越え我が道を進んだ美術家もいたんだ。阿片戦争、アロー戦争のイギリスの非道ぶりに「よくもあれだけの不正義を抜け抜けとやるものだ」NHKの映像の世紀見たあとだけに驚かないが、

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    2025年02月20日

    Posted by ブクログ

    三人の人を斬った兄の気持ちを知るため、下垣内教授は手練れ浪人を探す旅に出るのだが…彼が出会った剣の手練男と白根山の絵画との奇縁に心を打たれた。美しさと哀愁を帯びた物語。

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    2025年02月17日

    Posted by ブクログ

    目には入っていても、見てはいない。何につけ、見落として見ていないと、何も見えてこない。
    何より大事なのは、今を生きることだ。死んだ者への高校は、生きているものの将来を損なわいやすい。後ろに引かず、前へ進め。気持ちの持ち方次第で景色がガラッと変わって見えることがある。

    0
    2025年01月31日

    Posted by ブクログ

    人を殺すと斬る、人を殺した後は何を思うのか、兄が人を殺したと知りどう感じるのか人を殺そうと決意する18才の弟が色々波乱に富んだ江戸から明治にかけての世相の中旅に出る。様々な人との出会いから自問自答しながら生きていく過程は自分も考えさせられる内容だし、偶然が重なって今に至るのも流れに身を任せる人生も有

    0
    2025年02月11日

下垣内教授の江戸 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2024年12月17日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

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