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どの藩の経済も傾いてきた宝暦八年、奥脇抄一郎は江戸で表向きは万年青(おもと)売りの浪人、実は藩札の万(よろず)指南である。戦のないこの時代、最大の敵は貧しさ。飢饉になると人が死ぬ。各藩の問題解決に手を貸し、経験を積み重ねるうちに、藩札で藩経済そのものを立て直す仕法を模索し始めた。その矢先、ある最貧小藩から依頼が舞い込む。三年で赤貧の藩再生は可能か? 家老と共に命を懸けて闘う奥脇がみたものは……。
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Posted by ブクログ
江戸時代の地域経済問題についての小説はほとんど読んだことがなかったが、着眼点もストーリーもとても面白かった。価値を生み出す農産物などがない貧しい藩がどうやって困窮から抜け出すのか、その実現に向けた武家の矜持。今の世の中にかけての感想評論など多くあるが、本当にやるべきことをいかにできるか、その覚悟がタ...続きを読むイトルにあり後半の物語で進む。
藩札で藩の経済に取り組む物語ですが、武家の矜持の一端を教えられました。「考えても分からぬときは軀に聞く」「たかが力不足なんぞの理由で、力を出せぬのが罪なのだ」 続編を読んでみたいです。
主人公(抄一郎)と準主役(清明)の人間性が深堀して描かれていて、物語に引き込まれた。藩札を通した経済小説の一面もあり、人としての筋を通すという生き方を表現している部分もあり、とても良い作品。
いちょう祭りで50円で購入。面白いわ。時代物とは思えない読みやすさでサクサク読めた。時代物なのに経営コンサルタントの主人公と、それでも登場人物たちは武家であるという事を上手に組み合わせて編む手腕が凄い。この人の本もっと読みたい。
貧乏藩の藩札の話。 自らの藩を守るために藩札を出して財政的に凌いだもののやがて野放図になり失敗したことを忸怩たる思いを抱いて暮らす主人公と武家として商売に精を出す後見人が、本当に貧乏に喘ぐ藩に招かれ、見事に再生する話。 物語としてはかなり都合よくできているが、貧乏藩の家老の決意とその心情に心打たれる...続きを読む。 一名を賭して藩の改革に挑む家老の覚悟とその仕様に泣かされる。最後まで読んで題名が府に落ちた。 面白かった。
本の表紙に惹かれて買った。 なぜこの表紙、題名なのか読み進めて行くと分かり、胸が締め付けられる。泣いた。久々にいい本に出会えた。
司馬遼太郎や山本周五郎にも、ひけを取らない文章を書く作家に出会った。昨今、時代小説を書く作家は多いが、これほど言葉が、文章がインパクトを持って心に沁みた作家は初めて。香り立つ文章と言ったところか。 話も武家にしかできない藩建て直しの財政問題を感動的に描いてくれて、また一人、お気に入りの作家が生まれた...続きを読む。
派手でダイナミックな戦国の世を舞台には選ばず、小難しいイメージのある「経済」をテーマにした時代小説ということで、読む前はお堅い地味な作品なんじゃないかと不安だったのですが、心配は杞憂に終わりました。とても面白かったです。藩札という恐らく誰も取り扱ったことのないであろうものを主題に据えた作者の勝利だと...続きを読む思います。 美点はいっぱいあって、抄一郎が現代でいうところの敏腕コンサルタントとなっていくまでの成長過程も良かったですし、最貧藩の立て直しにかける清明の命懸けの覚悟がもたらす緊張感も読みごたえがありました。現代の経済政策への批判的視点があるのもいいですね。馬鹿の一つ覚えのようにお札をじゃぶじゃぶ刷ればいいとしか思っていない政治家は、すぐに本作を読むべきでしょう。 これだけの内容をこのページ数に収めつつ、なおかつ書き急いだような印象が残らなかったあたり、すごく上手にまとめているなあと感じました。個人的には直木賞受賞作の『つまをめとらば』よりも本作のほうが出来は上だと思います。 ただ、女性絡みの部分は別に無くても良かったんじゃないかな、という気もしました。ラスト1行も、それで締めていいんですか青山さん、という感じで正直納得できませんでした。続編への布石なのかな?
面白そうな内容なので 読んでみました。 藩札というものがあったという事実にびっくりしました。 時代劇だと 小判とか 銀銭とか が 流通貨だったもので・・・・ ホント 本を読むと色々な事が わかって楽しいですね。 で、この小説なのですが・・・ 主人公達は 命がけで 国を良くしようと政策を考えた。 ...続きを読む(命をすぐに捨てるのは どうかと思うけど) 実際には 昔のお役人達が どうだったかわかりませんが・・・・ 義の為に 命を捨てるのは 良いってイメージがありますよね。 今の政治家って 命がけで 政策を出しているのかしら?? と、 ふと 思っちゃいました。
とてつもなく貧困な北国の小さな藩が、藩札(藩内で通じる紙幣)を通じて経済再生を図る物語。 江戸中期の地方経済なんて全く未知の世界で、せいぜい年貢とか冷害とかそんな言葉を知っている程度だったが、船舶すぎる知識でも十分に楽しめた。 まず登場人物たちの設定や背景や描写が良い。主人公なんて女たらしの修行...続きを読むをしている剣術免許皆伝の男。さらには脱藩してその藩をつぶすきっかけすら作っている過去があるという、情報が多すぎて混乱する設定。それなのに小説の中ではすんなり分かりやすく入ってくる。勿論、主人公以外の登場人物たちも生き生きと働き、いきいきと命を落とす。 そう、この小説では命の落とし方もまた大切な描写の一つであり、そもそも「命を落とす」ことができるのが武士の強みと言い切ってはばからない。 鬼となって命を張るのはまずスタートライン、その上で同命がけで動くのか…つまりタイトルの「鬼はもとより」なのである。 命を軽んじる傾向は良くないと思うし、今に当てはめることにも違和感はあるが、それにしても現代政治家どもの覚悟のなさを嘆かずにいられなくなる。 そして、命を懸けずとも、もっともっと真剣にやれることはあるだろうと、自分を叱咤激励できる、そんな良い小説だった。 やっぱ青山文平は面白い
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鬼はもとより
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青山文平
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