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ローズ・コード
政府暗号学校に潜む裏切り者は誰なのか――。 第二次大戦下の英国で暗号解読に挑む女たちがいた。 本の雑誌が選ぶ2019年度文庫ベストテン第1位(本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2020』) 『戦場のアリス』著者が放つ最新作! 全米ベストセラー! 第二次世界大戦下、社交界の令嬢オスラは国に召喚され、ブレッチリー・パークに辿り着く。 そこには秘密裏にドイツの暗号解読に挑む政府暗号学校があった。 オスラは下町育ちのマブ、パズルの名手ベスと知り合い友情を育むが、ある事件から3人に悲劇が訪れ―― 7年後、オスラは差出人不明の暗号文を受け取る。 それはかつて自分を裏切った友人が助けを求める手紙で……。 陰謀渦巻く歴史ミステリー! 【好評発売中既刊】 『亡国のハントレス』 『戦場のアリス』 -
熱源
樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。 一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。 日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。 文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。 樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、 国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。 金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、 読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。 ※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
平家物語推理抄
治承四年(一一八〇年)。平清盛は、高倉上皇や平家一門の反対を押し切って、京から福原への遷都を強行する。清盛の息子たち、宗盛・知盛・重衡は父親に富士川の戦いでの大敗を報告し、都を京へ戻すよう説得しようと清盛邸を訪れるが、その夜、邸で怪事件が続発する。清盛の寝所から平家を守護する刀が消え、「化鳥を目撃した」という物の怪騒ぎが起き、翌日には平家にとって不吉な夢を見たと喧伝していた青侍が、ばらばらに切断された屍で発見されたのだ。邸に泊まっていた清盛の異母弟・平頼盛は、甥たちから源頼朝との内通を疑われながらも、事件解決に乗り出すが……。第四回細谷正充賞を受賞した話題作『蝶として死す』に続く、長編歴史ミステリ! -
ペンギンの憂鬱
恋人に去られ孤独なヴィクトルは売れない短篇小説家。ソ連崩壊後、経営困難に陥った動物園から憂鬱症のペンギンを貰い受け、ミーシャと名づけて一緒に暮らしている。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたヴィクトルだが、身辺に不穏な影がちらつく。他人の死が自分自身に迫ってくる。ウクライナはキーウ在住のロシア語作家による傑作長編小説。 -
サスペンス小説の書き方
パトリシア・ハイスミス曰く、「あらゆる物語には、サスペンスがある。」 鋭利な観察眼と執拗な心理描写、深い洞察と巧みな構成で世界中の読者を魅了するサスペンスの巨匠が、「書くこと」と「仕事にすること」についてのノウハウを明かす。 「私は物語のきっかけになるような日々の出来事からこの本を始めている。作家はそこから進んでいく——まず作家が、次に読者が動き出す。芸術はいつでも、おもしろいことや、数分ないし数時間を費やす価値があると思えることを語って、読者の気を惹けるかどうかの問題なのである。」(本文より) 鋭利な観察眼と執拗な心理描写、深い洞察と巧みな構成で多くの文芸ファンをも魅了するサスペンスの巨匠、パトリシア・ハイスミス。「この本はハウツー式の手引き書ではない。どうすれば成功する本、つまり読みやすい本が書けるかを説明することは不可能である」と本書冒頭で確言する著者が、自らの「小説を書くことと、それを職業にすること」についてのノウハウを明かした、文章読本・執筆論。 本書は、1966年に初版が刊行され、その後なんども版元を変えながら現在まで熱心に読み継がれてきたハイスミスの隠れた名著。長編・短編集を合わせ30タイトルほどある作品のほぼすべてが邦訳されている作家の唯一の小説指南書であり、今回が待望の初邦訳となる。 何が「小説を書くこと」を専門的職業としうるのか、なおかつ何がそれを刺激的で生き生きとしたものにするのか。同時に、絶えず失敗の可能性を秘めたものである「執筆」において、失敗から学べることとはなんなのか。ハイスミスは本書において、サスペンス小説の重要な要素をプロセスに分けて解説し、アイディアの芽、書き始め、プロットの作り方、行き詰まり、初校、改稿など、自身の小説から豊富な実例を示しながら余すところなく説明していく。自身の経験から成功や失敗についても包み隠さず語られ、そのキャリアに基づいた実践的なアドバイスは、失敗や行き詰まりを経験した作家志望者の心を必ず捉えるだろう。ミステリにとどまらず、全てのジャンルの小説家志望者の必読書! -
晴れ、時々くらげを呼ぶ
彼女と出会った。僕の日常は変わった。 純度100%! 小説現代長編新人賞受賞作。 売れない作家だった父が病死してから、越前亨は日々をぼんやり生きてきた。亨は、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。 図書委員になった彼は、後輩の小崎優子と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。 くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見ていた亨だったが、いつしか自分が彼女に興味を抱いていることに気づく。 自分の力ではどうにもできないことで溢れている世界への反抗。本への愛。父への本当の想いと、仲間たちへの友情。青春のきらきらがすべて詰まった一作。 -
風を彩る怪物
「私たち、本当は何になりたいの?」 音大受験に失敗した名波陽菜は自信を取り戻すため、姉の住む自然豊かな奥瀬見にきていた。 フルートの練習中に出会ったのは、オルガン制作者の芦原幹・朋子親子。同い年の朋子と〈パイプオルガン〉の音づくりを手伝うことに。 だが、次第にオルガンに惹かれた陽菜はこのままフルートを続けるべきか迷ってしまう。中途半端な姿に朋子は苛立ちを募らせ、二人は衝突を繰り返す。 そんな中、朋子に思いもよらぬ困難が押し寄せる! 絶望に打ちひしがれながら、オルガン制作を続けるか葛藤し、朋子は〈怪物〉を探しに森の中に入っていくが……。果たしてオルガンを完成させることはできるのか? 二人の十九歳が〈パイプオルガン〉制作で様々な人と出会い、自ら進む道を見つけていく音楽小説。 -
不屈の達磨
従業員5300人を擁する一部上場企業ジャパンテックパワー。日本の将来を背負って、再生可能エネルギーの送電施設を開発・運営する期待の企業は大きく揺れていた。株主総会を間近に控えたある日、社長が失踪。それに端を発した後継者争いが激化していく。混乱を極める会社に追い討ちをかけるように、中国系ファンドの介入も噂されはじめ……。社内派閥、恫喝、誘惑、陰謀、権謀術数、手練手管。保身と欲にかられた者たちが暗躍する権力闘争。一部上場企業の現役役員として現実を知り尽くす著者が圧倒的リアリティで描く経済エンターテインメント。文芸評論家・関口苑生氏絶賛、組織に働くすべての人の胸を打つ、人間ドラマの誕生! -
119
ベストセラー『教場』『傍聞き』の短篇の名手が贈る、心震える9つのミステリ短篇。 人を救うことはできるのか―― 和佐見消防署消防官たちの9つの物語。 雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。 新米の土屋と大杉は「無敗コンビ」だった(「白雲の敗北」)。 女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。 西部分署副所長の吉国は殉職した息子のお別れ会で思い出を語るが……(「逆縁の午後」)ほか5篇 巧みな手法と豊かな蘊蓄とが、複雑な人間関係と心理の綾をより鮮やかに浮かび上がらせ、 ミステリを超えた味わいを生み出す。 ※この電子書籍は2019年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
地面師たち
辻本拓海は大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。メンバーは元司法書士の後藤、土地の情報を集める図面師の竹下、土地所有者の「なりすまし役」を手配する麗子の五人。彼らはハリソンの提案で泉岳寺駅至近にある市場価格100億円という広大な土地に狙いをつける。一方、定年が迫った刑事の辰は、かつて逮捕したが不起訴に終わったハリソン山中を独自に追っていた――。次々と明らかになる地面師たちの素顔、未だかつてない綱渡りの取引、難航する辰の捜査。それぞれの思惑が交錯した末に待ちうけていた結末とは? 実在の事件をモチーフに描いた新時代のクライムノベル。 -
マネーの魔術師 ハッカー黒木の告白
日本経済復活のフィクサーか? 廃れゆく伝統文化の守護神か? 天才ハッカーvs.金融資本主義 イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にもCIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯くのだが――。黒木は、金融市場が拡大し続ける世界を相手に、何を目論んでいるのか? 現在を分析し未来を予見する、興奮の知的エンタメ巨篇。 【目次】 稲妻 気前のいい客 長い長い夜 夜明けの柴田 ツタエテ TSUTAE‐TE チャンス! 神々の黄昏 また逢う日まで あとがき -
タフィー
父さんの暴力から逃れ,家を飛びだしたアリソン.古い家の納屋に身を隠すが,家主のマーラという老女に見つかってしまう.認知症のマーラは,彼女を昔の友人・タフィーと間違えているようで――.孤独を抱えたふたりが出会い,思いがけない同居生活がはじまる.カーネギー賞作家が詩でつむぐ,友情と再生の物語. -
高村光太郎詩集
世俗的なものとの妥協を排し,不断の情熱をたぎらせて人生の意味を追求し続けた光太郎の詩は,美しいもの,真実なものに対する善意と愛に満ちている.その歩みの中から九十三の詩篇を精選し,「道程」より・「道程」以後・「智恵子抄」より,の三部に編んだ.作者が生前自ら校閲した最後の詩集である. (解説 奥平英雄)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
はじめての
「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しい。 日本エンターテインメントの最前線&最高峰! 日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にするユニット”YOASOBIが奇跡のコラボレーション! 小説、音楽、映像など、さまざまなジャンルで作品を展開しながら物語世界をつくりあげていく、壮大なプロジェクトが始まりました。 小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」。 この書籍『はじめての』には以下の4作品が収録されており、これらの小説を原作としたYOASOBIの楽曲が、2022年中に順次配信リリースされます。(第一弾は、「私だけの所有者」を原作とした楽曲「ミスター」) 「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生) 「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき) 「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都) ※文字をやや大きくし、漢字にはルビを多めにふっています。 それぞれの作家のファンはもちろん、全ての世代の方々に楽しんで頂ける、「はじめての」読書にもお勧めしたい小説集になりました。 ■YOASOBIからのメッセージ 4作品全て本当に面白くて、読み終えた時、全作品、計4回「めちゃくちゃ面白かった!」と声に出し、原稿の前で拍手をしました。「はじめての」という一つのテーマから生まれた4つの色とりどりな物語が、それぞれ違うゴールへと向かう様に心が震えました。 (YOASOBI composer Ayase) はじめて読んだ物語なのに、私の奥底に眠っている記憶が呼び起こされるような体験でした。 4つの物語、4つの世界と出会って生まれたこの感動を、まっすぐに歌に乗せられたらと思います。 (YOASOBI vocal ikura) ■作家からのメッセージ 初めての挑戦をたくさん詰め込んだら、むしろ自分の原点とも言うべき、好きな人との物語になりました。恋よりも強い絆で結ばれた「私だけの所有者」にこの短編で出会ってください。 (島本理生) 人は誰でも、その出会いの前と後で人生が変わってしまうような一生モノの出会いの経験があると思います。その一夜を通じて、前の自分にはもう戻れなくなるような、そんなはじめての家出を書きました。この小説もまた、読む前と読んだ後で誰かの何かが変わると信じて、送り出します。 (辻村深月) いつも物語をつくる時は、そのイメージに合った音楽を探すようにしています。ぴったりな音楽が見つかれば、その音楽が私を正しい方向に導いてくれるからです。今回はまず物語が先にあり、そこから音楽が誕生するという企画で、私にはまったく新しい経験に、胸が高鳴っています。 (宮部みゆき) 「はじめての」というお題をいただき、私もはじめての設定にトライしてみました。時空を超える片思い――この物語が、読者の皆さんの過去に灯る大事な瞬間とつながってくれますように。 (森 絵都) -
プルースト効果の実験と結果
思春期の苦くて甘い心情を、 鮮やかでポップに描き出す佐々木愛のデビュー作! はじめてのことをするたび、彼を思い出す。 痛々しい自意識過剰、空回る都会への憧れ、思い通りにいかない初恋。 プルースト効果という言葉を教えてくれたのは、同じクラスの男子「小川さん」だった。 「はじめてのキスは想像もつかないところでしよう」小川さんはそう言ったはずなのに…… 表題作「プルースト効果の実験と結果」の他、オール讀物新人賞受賞作の「ひどい句点」、 「春は未完」「楽譜が読めない」の四篇を収録。 狂おしく瑞々しい10代の心情を鮮やかに描き出す、珠玉の恋愛小説集! ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
サラバ!
ベストセラー!第152回直木賞受賞作! 僕はこの世界に左足から登場した――。 圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。 そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。 -
恋が生まれたこの街で #東京デートストーリー
新進気鋭の人気作家・カツセマサヒコ氏をはじめとする、りょかち氏、Shin5氏が執筆する18篇の短編オムニバス小説。50の駅を巡る、おとなのデートストーリー。付き合う前の食事デートや、一緒に暮らすための雑貨を買いに行くデート、将来を想像しながらのんびり過ごすデートなど、いろんなデートを味わえます。 目次 1.「彼女は僕より本が好きだから」 2.「まだ見てなかったものを探しに」 3.「今日だけは先を歩きたい」 4.「まるであの頃の二人のように」 5.「今のままでも、大人になっても」 6.「あなたはいつも正しいよ」 7.「娘がハタチになりまして。」 8.「ゆっくりと時間が流れる場所を探して」 9.「答えなんて、出なくても。」 10.「『またね』が言えなくなる前に」 11.「『また来ようね』と言える幸せ」 12.「だからこれからもよろしくね」 13.「予想外の雨が教えてくれたこと」 14.「飽きっぽい私たち」 15.「東京を、もっと知りたくなった夜」 16.「腹が空くまで歩こうよ」 17.「未来に続く道で、ふたり」 特別書き下ろし小説「昔行ったあの店がなくても」 本書は「東京デートストーリー」のインスタグラムで連載していたものを、加筆修正のうえ、本書オリジナル書き下ろし小説1編を加え、書籍化したものです。 -
六つの村を越えて髭をなびかせる者
直木賞作家の新たな到達点! 江戸時代に九度蝦夷地に渡った実在の冒険家・最上徳内を描いた、壮大な歴史小説。本当のアイヌの姿を、世に知らしめたい――時は江戸中期、老中・田沼意次が実権を握り、改革を進めていた頃。幕府ではロシアの南下に対する備えや交易の促進などを目的に、蝦夷地開発が計画されていた。出羽国の貧しい農家に生まれながら、算学の才能に恵まれた最上徳内は、師の本多利明の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。そこで徳内が目にしたのは厳しくも美しい北の大地と、和人とは異なる文化の中で逞しく生きるアイヌの姿だった。イタクニップ、少年フルウらとの出会いを通して、いつしか徳内の胸にはアイヌへの尊敬と友愛が生まれていく……。松前藩との確執、幕府の思惑、自然の脅威、様々な困難にぶつかりながら、それでも北の大地へと向かった男を描いた著者渾身の長編小説! -
にじいろガーデン
三十代半ばの高橋泉は、別居を続ける夫との行き詰った関係に苦しんでいた。仕事帰りのある日、泉は駅のホームで女子高生の島原千代子と出会う。千代子は自由な生き方を認めない両親との関係に悩み、命を絶とうとしていた。心の痛みを分かち合ううち、ふたりは恋に落ちる。お互いをかけがえのない存在だと気づいたふたりは、泉の一人息子を連れて、星がきれいな山里「マチュピチュ村」へと駆け落ち。やがて千代子は、泉と出会う前に関係を持った男性との間の子どもを出産。長女が加わり一家は四人に。ゲストハウス開業、念願の結婚式とハネムーンツアー、千代子の闘病、そして……。喜びと悲しみに彩られた十六年間の軌跡を辿る、新たな家族小説の誕生。 -
跳ぶ男
切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。 藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。 天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。 謎と謀(はかりごと)、美と畏れ。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説! 「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」 ――川出正樹 (解説より) ※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
さとりをひらいた犬 ほんとうの自分に出会う物語
仕事・人間関係・お金・健康… 「ほんとうの自分」に目覚めると、 心から納得いく人生を生きられる! 「ほんとうの自分」に目覚めること、 それこそが人生に奇跡を起こす たったひとつの方法である。 主人に仕える勇敢な猟犬・ジョンは主人や仲間から離れ、「ほんとうの自分」「ほんとうの自由」を探しに、伝説の聖地・ハイランドを目指す。旅の途中、多くの冒険、いくつもの困難を乗り越えながら、仲間や師との出会いを通じて、聖地・ハイランドに導かれていく。そして、ついにハイランドへの到達を果たすことになるのだが、そこでジョンが見た景色とは…。 私たちはなんのために生まれ、どう生きるべきか――人生に迷うすべての現代人におくる珠玉の人生寓話。 -
臆病な僕らは今日も震えながら
【きっと見つかる、大切なもの。 ――実業之日本社文庫GROWからあなたへ。】 遂に、この冬の大本命登場! 著者累計90万部突破! 青春小説の人気No.1作家が贈る完全書き下ろし最新作! 孤独な少女が、幼い頃から繰り返し見る夢。 そこに隠された真実とはいったい……!? 汐見夏衛史上、最も切なく、最も温かい! 愛する人へつなぐ命の物語。 またこの夢か――。 疎外感ばかりの灰色の現実世界に、生きる希望を失った女子高生・緒方きらら。彼女は、不可解な「虹色の世界」の夢を幼い頃から繰り返し見ていた。 自殺を思い訪れた地で彼女は偶然、その「虹色の世界」を描く青年・芳川景と出会う。彼もまた同じ夢を見続けていた。 これはいったい何を意味するのか!? やがて、夢の謎を追うふたりを待っていたのは、想像を絶する過酷な真実と衝撃の運命で……。 生きる意味、命の尊さにボロ泣き必至! 人知を超え、心揺さぶる「命と再生」の感動作! -
レイン・ドッグズ
密室状況で見つかった女性の死体と、警視正爆殺事件。二つの事件の関係とは? ショーン自身の物語も大きく動く〈ショーン・ダフィ〉シリーズ最新作。 -
遺跡発掘師は笑わない 三体月の呪い
「天才発掘師」の噂を聞きつけた地権者から依頼を受け、和歌山へ赴いた無量。平家の落人伝説が残る、風光明媚な町だ。 しかし、意気込んで向かった発掘現場で、無量の身に立て続けに不穏なことが起こる。 聞こえるはずのない声が聞こえたり、誰かに腕を掴まれたような気がしたりするのだ……。 不穏な気配を感じながら発掘作業を進めると、現場からは経筒(きょうづつ)が出土した。経巻を保護するための筒形容器だ。 経筒から出てきたのはなんと、人形の頭(かしら)。 それを知った発掘現場の同僚で元舞台俳優の佐分利亮平は、無量を家に招く。 佐分利家には、「道成寺雛」という内裏雛が代々伝わっていた。 その雛人形を見た無量はぞっとする。女雛には頭がなかったのだ……。 経筒の中に入っていた頭はその女雛のものなのでは、と疑う亮平に、 カメケンチームは結託して、この内裏雛の謎を解こうとするが、そんな最中に亮平が事故に遭う。 背後には「安珍清姫」伝説や、佐分利家に伝わる「三体月の呪い」の言い伝えも絡んでいそうで……? -
神様 2011
くまにさそわれて散歩に出る。「あのこと」以来、初めて――。 1993年に書かれたデビュー作「神様」が、2011年の福島原発事故を受け、新たに生まれ変わった――。「群像」発表時より注目を集める話題の書! 2011年。わたしはあらためて、「神様2011」を書きました。原子力利用にともなう危険を警告する、という大上段にかまえた姿勢で書いたのでは、まったくありません。それよりもむしろ、日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。――<「あとがき」より> -
たそがれてゆく子さん
男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、本当によかった。 夢に見た専業詩人の生活、ぽっかりとした自由。 もんもんと考え、るると書く。 カリフォルニアのキャニヨンを犬どもを従えひたすら歩く。 料理や洗濯は、しないことにすぐ慣れた。 山賊のように台所で立って食べた。卵ばっかり食べていた。 ひとりの肩にのしかかるローンに光熱費、熊本地震、石牟礼道子さんのこと、末っ子の結婚、 そして……日本に帰ろう。 「みんなホルモンのせいでしたと、今は言い切りたい」―― 女のための戦記『閉経記』から五年。 書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に、今、広がる光景は。 -
警官嫌い
夏の夜の大都会――まばゆい灯のかげに街があり、夜空の下でうごめく暗い生活があった……。闇を引き裂く何者かの兇弾が、87分署の刑事たちを次々と倒していった。果して警官嫌いの狂人のなせる業か? 同僚刑事たちの胸は憤激で燃え上った。探偵小説に新生面を開いたシリーズ第一作! -
自死という生き方 覚悟して逝った哲学者
著者は立命館大学の哲学講師。2006年4月、自死を遂げるが、そこには一冊分の完成原稿が残されていた。自殺の意味と理由、方法、哲学的背景、そして決行日に向けての心理分析と行動録……淡々と描かれる「積極的な死の受容」の記録がここに。 ※2008年に刊行された本書は、「人生観を試される衝撃の書」として話題になりました。 65歳の春。晴朗で健全で、そして平常心で決行されたひとつの自死。 「人生の果実は充分味わった。」そう感じた著者の遺稿『新葉隠 死の積極的受容と消極的受容』に、評論家・浅羽通明氏による解説と御子息による巻末文を加え、『自死という生き方 覚悟して逝った哲学者』と改題して出版したものです。 電子書籍化した本書を読むことで、様々に変容する世の中を生きる我々もまた「老いと死」に向き合えるかも知れません。 -
神さまを待っている
誰にも「助けて」と言えない。 圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。 文房具メーカーで派遣社員として働く26歳の水越愛。 会社の業績悪化で派遣切りに遭い、失業保険を受けながら求職活動をするが どこにも採用されない。アパートの更新料や家賃、住民税、そして食費… あっという間にホームレスになった愛は、漫画喫茶に寝泊まりしながら 日雇いの仕事を始め、前の生活に戻ることを目指していたが、次第に 価値観、自己認識が揺らぎ始める。 同じ境遇の女性たち、「出会い喫茶」に来る客との交流。 生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか。 ここまで追いこまれたのは、自己責任なのだろうか。 大学に進学し、勉強や就活に励み、まじめに勤めていた女性が またたくまに貧困に呑み込まれていき、抜け出せなくなる。 著者自らの体験をもとに描いた「貧困女子」長篇小説。 解説は 俳優・佐久間由衣 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ガラスの海を渡る舟
大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作! 相容れない兄妹ふたりが過ごした、愛おしい10年間を描く傑作長編。 -
地球にちりばめられて
「国」や「言語」の境界が危うくなった現代を照射する、新たな代表作! 留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語〈パンスカ〉をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る――。 誰もが移民になりえる時代に、言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。 「国はもういい。個人が大事。そこをいともたやすく、悲壮感など皆無のままに書かれたのがこの小説とも言える」 ――池澤夏樹氏(文庫解説より) -
マイ・ダディ
ムロツヨシ初主演! 映画『マイ・ダディ』9月23日(木・祝)全国公開に先がけ小説版発売! 確かめようのない過去。それでも愛する娘を救いたい――。 娘を救うため必死に奔走する父親の姿を描くヒューマンドラマを完全小説化。 御堂一男(ムロツヨシ)は、中学生の娘・ひかり(中田乃愛)と2人暮らし。 最愛の妻・江津子(奈緒)は8年前に他界。一男は小さな教会の牧師をしながら、 ガソリンスタンドでアルバイトに励みつつ、ひかりを男手ひとつで育てている。 思春期に突入したひかりはちょっぴり反抗的な時もあるが、優しくて面白いお父さんのことが大好き。 牧師として多くの人に慕われ、たまに娘と些細な喧嘩をしながらも、2人の穏やかで幸せな日々は続いていくと思っていた。 ある日、突然ひかりが倒れる。病院で下された診断は“白血病”。 混乱し事実が受け入れられない一男だったが、なんとか自らの口で病名をひかりに伝える。 「私……頑張るね」覚悟を決めたかのようにつぶやくひかりに、 「あぁ。頑張ろう」と力強く応える一男。 つらい闘病生活をなんとか乗り越え、退院できることになったひかり。 喜びでいっぱいの一男だったが、担当医師からある衝撃的な事実を告げられ――。 -
左京区
キュートな「京都の恋」を描く青春恋愛長編 「たっくんて呼んでいい?」京都での学生生活も4年目を迎えた七夕の夜、主人公の花は友人のアリサから合コンに誘われ、たっくんと出会う。三条木屋町の店にひとり遅れてあらわれた彼は、その場にはそぐわない一風変わった雰囲気の持ち主だった。文系の学生で数学嫌いの花にとって、理学部数学科のたっくんは謎に満ちていて、彼の暮らす学生寮の友人たちもかなりキテレツな理系男子ばかり。食べ物にうるさい巨漢アンドウくんの研究対象はミクロの遺伝子、おかっぱ頭のヤマネくんは工業化学科で専攻テーマは爆薬。ゆかいな仲間たちに囲まれ、花はこれまで経験しなかった不可思議でにぎやかなキャンパスライフに巻き込まれていくが、いまどき携帯電話も持たないたっくんとの距離はゆるやかにしか縮まらない。バイト先の古着屋の店長・陽子さんらの助言を受けつつ、やがて花は恋のライバルが「数学」であることを知る――。寮でのたこ焼きパーティー、鴨川デルタでの花火、自転車デート、学園祭、卒業旅行……学生の街・京都を舞台に、かけがえのない時間と仲間たち、ほっこりと育まれる等身大の恋を描く。甘酸っぱい記憶を呼びさますたまらなくキュートな青春恋愛小説。 -
チェスナットマン
バリー賞新人賞受賞! デンマークを震撼させる連続殺人事件。 手首のない死体の側には、 “栗の人形(チェスナットマン)”が残されていた―― 「1ページ目から鷲掴み!」 ジェフリー・ディーヴァー Netflixドラマ原作の絶賛北欧ミステリー! 〈ニューヨーク・タイムズ〉〈カーカス〉〈ライブラリー・ジャーナル〉ベストブック・オブ・ザ・イヤー選出! リアルな登場人物、秘密と欺瞞に満ちたストーリーに 巻き込まれ、ラストまで目が離せない。 警察小説としても第一級。今年の本命作品。 ――ジェフリー・ディーヴァー スティーグ・ラーソンを思わせるアドレナリン全開の スリラー。一言一句見逃せない。 ――A・J・フィン コペンハーゲンで若い母親を狙った凄惨な連続殺人事件が発生。 被害者は身体の一部を生きたまま切断され、 現場には栗で作った小さな人形“チェスナットマン”が残されていた。 人形に付着していた指紋が1年前に誘拐、殺害された少女のものと知った 重大犯罪課の刑事トゥリーンとヘスは、服役中の犯人と少女の母親である 政治家の周辺を調べ始めるが、捜査が混迷を極めるなか新たな殺人が起き――。 -
あめつちのうた
土と向き合う。雨を信じる。 そうして、日本最高のグラウンドが生まれる。 甲子園の神整備、「阪神園芸」が小説に! 絶望的な運動神経の持ち主・雨宮大地は、自分とは正反対の弟や頑なな父への鬱屈を抱え、甲子園のグラウンド整備を請け負う阪神園芸へと入社する。ところが、持ち前のセンスのなさから、仕事は失敗続き。広いグラウンドのなかで、たったひとりうろたえる自分は、本当に一人前のグラウンドキーパーになれるのか?同性愛者であることを周囲に隠す親友・一志や、重い病気を患いながら歌手を目指すビールの売り子・真夏、ケガでプロへの道を断念した、同僚の長谷。大地は同じく「選べなかった」運命に思い悩む仲間たちと関わり合いながら、自らの弱い心を掘り起こすように土へ向き合っていく。 タイガースファン、高校野球ファンのみならず、 すべてのスポーツファンに捧げる、唯一無二のグラウンド整備お仕事小説! 今日も彼らは、地味に地道に、あのグラウンドを守り続けている。
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