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埼玉で小五女子が失踪。県警の奈良も捜査に入る。錯綜する証言、意外な場所で出た私物、男に目を付けられていた――情報は集まるも少女は見つからない。捜査本部が縮小されるが、奈良は捜し続ける。彼を駆り立てるのは、かつて見知らぬ男に陵辱され、今も心に傷を負う妹の存在だった。奈良の執念は少女発見に繫がるのか。警察小説の新旗手、最高傑作。
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「雨に消えた向日葵」
2022年7月24日~ WOWOWプライムほか 出演:ムロツヨシ、佐藤隆太、平岩紙
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
これほどまでに胸を締め付けられ、そして最後には深い優しさに包まれる警察小説に出会ったのは久しぶりだ。 埼玉で起きた、小5女子の失踪事件。 「日本は安全」と言われがちだが、それは絶対に言い切れないのだと、本作のリアルな描写に終始背筋が寒くなった。 いつもの通学路、いつもの下校時間という日常のすぐ隣に、...続きを読むこれほど深い闇が潜んでいる。今や子どもを一人で学校から帰らせるのは危険だと、地続きの危機感を強く突きつけられる。 何より辛いのは、被害者であるはずの家族が置かれる不条理な環境だ。 事件直後はプライバシーを暴くマスコミの過熱報道に追い詰められ、時間が経って世間が忘れる頃になると、今度は事件の風化を防ぐために「マスコミの報道がありがたい」と願わざるを得なくなる。このどちらに転んでも地獄という皮肉な構造には、胸が苦しくなる思いがした。 しかし、そんな絶望の中でも、家族が地に足をつけ、必死に生きようとする姿には、こちらが本気で「負けないで」と応援したくなるほどの強さがある。 そして、この物語の主人公は、間違いなく刑事の奈良である。 組織が諦めかけても少女を捜し続ける彼を突き動かしているのは、被害者に寄り添う不退転の覚悟と、過去に救えなかった妹への深い悔恨だ。その二つが入り混じった強い覚悟があるからこそ、彼は事件を決して諦めず、同時に、最後まで傷ついた人々への細かな配慮を忘れない人物であり続けられるのだと思う。彼の徹底した優しさがあるからこそ、読者である私たちも救われ、最後まで彼と共に走り切ることができた。 これほど過酷な現実を描きながら、これほど優しい作品を紡げるのは、作者の吉川英梨さんご自身がきっと、理不尽に苦しむ人々に寄り添えるとても優しい方だからなのだろう、と感じずにはいられない。 単なる犯人当てのミステリーではなく、社会の歪み、人間の底力、そして「人の優しさ」を描ききった最高傑作です。
雨の日に忽然と失踪した小5女子の葵。 そして行方を追う捜査官の奈良刑事。 家庭崩壊手前から一致団結して、誹謗中傷や嫌がらせにも耐え、諦めなかった家族。 奈良刑事や警察の執念が実り、葵は無事に発見されるけど、発見までに3年。 子供が犠牲者って許せない。 葵失踪直前に一緒にいた友達と友達の家族も可哀...続きを読む想。何も悪いことしてないのに責められて。 奈良刑事にも心に傷を持つ妹の存在があり、 なかなか息苦しいお話でした。 この先も色々問題があるだろうけど、犠牲者や犠牲者の家族が幸せであって欲しいと願う。
匿名
物語の始まりは、少女が教室にいる時から始まり。学校を舞台にした物語かな?と、思っていたら、少女が失踪し、話はどんどん複雑になってゆき、刑事達の真剣な捜査に何度も次こそは見つかるかも!と、希望を持ち。けれど何度も事件とは関係ないとなり苦しかったです。最後まで読み切って涙が出ました。
もの凄い物語に触れた後、色々な言葉が浮かぶが本作は圧倒的である。小学生失踪事件に端を発する警察小説だが、夜に読んではいけない。結末が気になって手が止まらなくなるからだ。 事件に当たる捜査員たちの緊張感はもちろん、被害者家族に吹き付ける誹謗中傷、顔のない悪意まで満ちているのは吐き気がする。胃の中に剣山...続きを読むでも入れられたような気持ちになった。 一欠片の容赦もなく、吉川は人間の悪意を、それに触れた人間がどうなってしまうのかを描き出す。それに立ち向かうにはどれだけの強さがないといけないのかも。それらの存在感は確かだ。読後、物語の中にいた人々の顔が浮かんでくるよう。
とても良かった。感動的な物語でした。 大きな波は来ないが、被害者周辺の3年にわたる生活がジワジワと・・・ずっと引き込まれ放しでした。 吉川英梨作品は「13階の母」以来2冊め、他の作品も読んでみようと思う。
吉川英梨さんの作品は今回が初めて。たまたま100円セールだったので買った本ですが、これはよかった。 奈良刑事が人として最高に好き。刑事ものミステリの中で好きな作品の一つです。
子供が行方不明になった時 報道されている以外のことはわからない その見えない部分を 家族 警察 マスコミ 地域住民 それぞれのサイドから多角的に見せてくれた物語 小学5年生の女子児童失踪事件のリアルを俯瞰しながら、関係者の心情に寄り添う あらゆる事を想定して捜査する警察の非情さ 公開捜査後の家族...続きを読むへの誹謗中傷、プライバシー侵害 1ヶ月もすれば日常に戻ろうとする地域社会 1年経って縮小される捜査の規模 いつまでも失踪したその日に留まり続ける家族達の苦痛 後悔を引きずりながら希望を捨てずに 女の子は見つかるのだろうか 事件か事故か家出か 生きているのか 死んでいるのか 現実では無責任な傍観者にすぎない読み手としての自分だけれど、一番感情移入したのは家族の願いと 粘り強い捜査で家族を支え続けた人達の思い 痛みを抱えながら諦めない人たちを 心強く思う この物語で それぞれの立場の それぞれの思いを受け取ってしまったから これからは、 子供達の行方不明の報道を見聞きする度に 今まで以上に心がざわついてしまうに違いない
大雨の日の下校途中、小学五年生の葵が一本のひまわり傘を残して突然姿を消した。事件か事故か家出なのかすら分からない――。 読み進める中で最も胸が苦しくなったのは、葵の失踪によって一変してしまった石岡家の過酷な現実だった。事件当時、両親は離婚協議中で、姉は受験を控えているという繊細な時期だ。そんな家族...続きを読むをさらに追い詰めるのが、周囲の人々の無関心さや、怪しまれる男性教師への容赦ない目。さらにSNS上で飛び交う無責任な誹謗中傷が、家族の心を深く傷つけていく。娘の帰りをただ信じたいだけの家族に対して、顔の見えない悪意が牙をむく現代社会の冷酷さに、強い憤りを感じた。 絶望の淵にいる家族の唯一の光となるのが、執念の捜査を続ける奈良刑事だ。しかし、地道な捜査も虚しく手掛かりがないまま失踪から3年という残酷な月日が流れる。周囲の関心が薄れ、事件が風化していく恐怖。それでも諦めずに足を動かし続ける奈良刑事の姿に、私は「誰か一人でも信じ続けてくれる人がいること」の尊さを感じた。彼の執念こそが、家族の希望の灯火だ。 この本を読み終えて、ニュースの向こう側の事件を他人事として見てしまいがちだが、そこには絶望と戦い続けるリアルな家族がいることを痛感した。
豪雨の中、一人の少女が消えた――そこから始まる、警察と家族の、長いたたかいの物語です。 埼玉県の小さな町で、豪雨の夕方、小学五年生の女子生徒の姿が見えなくなった。失踪したのは17時過ぎに学校を出てから、母親が帰宅した20時前までの間。学校と自宅の間の通学路は田んぼの一本道。田んぼの中に傘だけが...続きを読む落ちているのが見つかった。事故か、事件か、家出か。的が絞り切れないまますべての可能性に当たっていくうちに時間が過ぎていき、どんどん捜査が縮小されていく。一か月が過ぎ、三か月が過ぎ、半年が過ぎ、一年が過ぎて二年が過ぎても、諦めずにわずかな証言から手がかりを追い求め、彼らは真実に辿り着くことはできるのか。 人一人が失踪した時の捜査の困難さを感じることのできる一冊です。途中で『死体は情報の宝庫』という言葉が出てきますが、死体もない、誘拐犯からの脅迫や要求もない、目撃情報も少ない、となるとどの線で捜査したらいいのか絞り切れないものなのだな、と。まして、田舎の町のこと、心無い誹謗中傷や周囲との軋轢、捜査以外の障害も多く、情報に振り回されて二転三転しながら捜査を進める警察や家族の姿がリアルでした。 何としても見つけてやりたい、と必死に捜査に当たってくれる警察の方々の気持ちがありがたく感じられる一冊でもありました。最後の最後までどこに転がるか分からない展開で、ハラハラドキドキしながら見守ることができました。 どんな情報でも、捜査に役立つ情報になり得るのだ、と改めて感じた話でもありました。事件や事故などで情報提供の求めがあった際には、私も協力ができればと思います。
推理モノ小説は怪しい人物が複数でてきてそのための証拠集め、人間関係の模様に焦点が当たることが多いですが、この小説は明確な怪しい人物はおらず、警官の奈良及び警察官たちが事件事故誘拐ということもわからないまま始まります。 読んでいて、あまりにも手がかりがなくこの事件は解決するんだろうか、、、と不安にな...続きを読むるくらいでしたが、早く解決を望む気持ちがどんどんページを捲らせてくれる一冊です。
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雨に消えた向日葵
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吉川英梨
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