雨に消えた向日葵

雨に消えた向日葵

小説・文芸
826円 (税込)

4pt

埼玉で小五女子が失踪。県警の奈良も捜査に入る。錯綜する証言、意外な場所で出た私物、男に目を付けられていた――情報は集まるも少女は見つからない。捜査本部が縮小されるが、奈良は捜し続ける。彼を駆り立てるのは、かつて見知らぬ男に陵辱され、今も心に傷を負う妹の存在だった。奈良の執念は少女発見に繫がるのか。警察小説の新旗手、最高傑作。

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  • ドラマ化

    「雨に消えた向日葵」

    2022年7月24日~ WOWOWプライムほか
    出演:ムロツヨシ、佐藤隆太、平岩紙

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雨に消えた向日葵 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    小学校5年生の女の子が大雨の日の学校からの帰宅途中に行方不明に。
    事件なのか事故なのか家出なのか。
    家族の立場や刑事の立場で物語が展開するが、とにかく長い闘いになる。
    小説というより実際の事件を体験している気分になってしんどかった。
    奈良刑事の凄まじい執念と人間味があるところがとても良かった。

    0
    2026年08月21日

    Posted by ブクログ

    これほどまでに胸を締め付けられ、そして最後には深い優しさに包まれる警察小説に出会ったのは久しぶりだ。
    埼玉で起きた、小5女子の失踪事件。
    「日本は安全」と言われがちだが、それは絶対に言い切れないのだと、本作のリアルな描写に終始背筋が寒くなった。
    いつもの通学路、いつもの下校時間という日常のすぐ隣に、これほど深い闇が潜んでいる。今や子どもを一人で学校から帰らせるのは危険だと、地続きの危機感を強く突きつけられる。

    何より辛いのは、被害者であるはずの家族が置かれる不条理な環境だ。
    事件直後はプライバシーを暴くマスコミの過熱報道に追い詰められ、時間が経って世間が忘れる頃になると、今度は事件の風化を防ぐために「マスコミの報道がありがたい」と願わざるを得なくなる。このどちらに転んでも地獄という皮肉な構造には、胸が苦しくなる思いがした。
    しかし、そんな絶望の中でも、家族が地に足をつけ、必死に生きようとする姿には、こちらが本気で「負けないで」と応援したくなるほどの強さがある。

    そして、この物語の主人公は、間違いなく刑事の奈良である。
    組織が諦めかけても少女を捜し続ける彼を突き動かしているのは、被害者に寄り添う不退転の覚悟と、過去に救えなかった妹への深い悔恨だ。その二つが入り混じった強い覚悟があるからこそ、彼は事件を決して諦めず、同時に、最後まで傷ついた人々への細かな配慮を忘れない人物であり続けられるのだと思う。彼の徹底した優しさがあるからこそ、読者である私たちも救われ、最後まで彼と共に走り切ることができた。

    これほど過酷な現実を描きながら、これほど優しい作品を紡げるのは、作者の吉川英梨さんご自身がきっと、理不尽に苦しむ人々に寄り添えるとても優しい方だからなのだろう、と感じずにはいられない。
    単なる犯人当てのミステリーではなく、社会の歪み、人間の底力、そして「人の優しさ」を描ききった最高傑作です。

    0
    2026年06月21日

    Posted by ブクログ

    雨の日に忽然と失踪した小5女子の葵。
    そして行方を追う捜査官の奈良刑事。

    家庭崩壊手前から一致団結して、誹謗中傷や嫌がらせにも耐え、諦めなかった家族。
    奈良刑事や警察の執念が実り、葵は無事に発見されるけど、発見までに3年。

    子供が犠牲者って許せない。
    葵失踪直前に一緒にいた友達と友達の家族も可哀想。何も悪いことしてないのに責められて。
    奈良刑事にも心に傷を持つ妹の存在があり、
    なかなか息苦しいお話でした。
    この先も色々問題があるだろうけど、犠牲者や犠牲者の家族が幸せであって欲しいと願う。

    0
    2025年11月09日

    匿名

    購入済み

    物語の始まりは、少女が教室にいる時から始まり。学校を舞台にした物語かな?と、思っていたら、少女が失踪し、話はどんどん複雑になってゆき、刑事達の真剣な捜査に何度も次こそは見つかるかも!と、希望を持ち。けれど何度も事件とは関係ないとなり苦しかったです。最後まで読み切って涙が出ました。

    0
    2025年08月10日

    Posted by ブクログ

    もの凄い物語に触れた後、色々な言葉が浮かぶが本作は圧倒的である。小学生失踪事件に端を発する警察小説だが、夜に読んではいけない。結末が気になって手が止まらなくなるからだ。
    事件に当たる捜査員たちの緊張感はもちろん、被害者家族に吹き付ける誹謗中傷、顔のない悪意まで満ちているのは吐き気がする。胃の中に剣山でも入れられたような気持ちになった。
    一欠片の容赦もなく、吉川は人間の悪意を、それに触れた人間がどうなってしまうのかを描き出す。それに立ち向かうにはどれだけの強さがないといけないのかも。それらの存在感は確かだ。読後、物語の中にいた人々の顔が浮かんでくるよう。

    0
    2025年07月16日

    Posted by ブクログ

    とても良かった。感動的な物語でした。
    大きな波は来ないが、被害者周辺の3年にわたる生活がジワジワと・・・ずっと引き込まれ放しでした。
    吉川英梨作品は「13階の母」以来2冊め、他の作品も読んでみようと思う。

    0
    2024年12月18日

    Posted by ブクログ

    吉川英梨さんの作品は今回が初めて。たまたま100円セールだったので買った本ですが、これはよかった。 奈良刑事が人として最高に好き。刑事ものミステリの中で好きな作品の一つです。

    0
    2024年08月18日

    Posted by ブクログ

    大雨の中、下校時に行方不明になった小学生。
    必死に捜索する警察や消防団、家族の様子がリアルだった。
    事件か事故かはっきり分からない場合、初動捜査が曖昧になりがちですごく不利だなと思う。
    緊迫感のあるなか、執念で捜査を続ける奈良刑事を応援しながら読んだ。

    0
    2026年08月12日

    Posted by ブクログ

    子供が行方不明になった時
    報道されている以外のことはわからない
    その見えない部分を
    家族 警察 マスコミ 地域住民
    それぞれのサイドから多角的に見せてくれた物語

    小学5年生の女子児童失踪事件のリアルを俯瞰しながら、関係者の心情に寄り添う

    あらゆる事を想定して捜査する警察の非情さ
    公開捜査後の家族への誹謗中傷、プライバシー侵害
    1ヶ月もすれば日常に戻ろうとする地域社会
    1年経って縮小される捜査の規模
    いつまでも失踪したその日に留まり続ける家族達の苦痛 後悔を引きずりながら希望を捨てずに

    女の子は見つかるのだろうか
    事件か事故か家出か
    生きているのか
    死んでいるのか

    現実では無責任な傍観者にすぎない読み手としての自分だけれど、一番感情移入したのは家族の願いと
    粘り強い捜査で家族を支え続けた人達の思い

    痛みを抱えながら諦めない人たちを
    心強く思う

    この物語で
    それぞれの立場の
    それぞれの思いを受け取ってしまったから
    これからは、
    子供達の行方不明の報道を見聞きする度に
    今まで以上に心がざわついてしまうに違いない

    0
    2026年07月10日

    Posted by ブクログ

    大雨の日の下校途中、小学五年生の葵が一本のひまわり傘を残して突然姿を消した。事件か事故か家出なのかすら分からない――。

    読み進める中で最も胸が苦しくなったのは、葵の失踪によって一変してしまった石岡家の過酷な現実だった。事件当時、両親は離婚協議中で、姉は受験を控えているという繊細な時期だ。そんな家族をさらに追い詰めるのが、周囲の人々の無関心さや、怪しまれる男性教師への容赦ない目。さらにSNS上で飛び交う無責任な誹謗中傷が、家族の心を深く傷つけていく。娘の帰りをただ信じたいだけの家族に対して、顔の見えない悪意が牙をむく現代社会の冷酷さに、強い憤りを感じた。

    絶望の淵にいる家族の唯一の光となるのが、執念の捜査を続ける奈良刑事だ。しかし、地道な捜査も虚しく手掛かりがないまま失踪から3年という残酷な月日が流れる。周囲の関心が薄れ、事件が風化していく恐怖。それでも諦めずに足を動かし続ける奈良刑事の姿に、私は「誰か一人でも信じ続けてくれる人がいること」の尊さを感じた。彼の執念こそが、家族の希望の灯火だ。

    この本を読み終えて、ニュースの向こう側の事件を他人事として見てしまいがちだが、そこには絶望と戦い続けるリアルな家族がいることを痛感した。

    0
    2026年07月07日

雨に消えた向日葵 の詳細情報

  • ドラマ化

    「雨に消えた向日葵」

    2022年7月24日~ WOWOWプライムほか
    出演:ムロツヨシ、佐藤隆太、平岩紙

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