【感想・ネタバレ】雨に消えた向日葵のレビュー

あらすじ

埼玉で小五女子が失踪。県警の奈良も捜査に入る。錯綜する証言、意外な場所で出た私物、男に目を付けられていた――情報は集まるも少女は見つからない。捜査本部が縮小されるが、奈良は捜し続ける。彼を駆り立てるのは、かつて見知らぬ男に陵辱され、今も心に傷を負う妹の存在だった。奈良の執念は少女発見に繫がるのか。警察小説の新旗手、最高傑作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

これほどまでに胸を締め付けられ、そして最後には深い優しさに包まれる警察小説に出会ったのは久しぶりだ。
埼玉で起きた、小5女子の失踪事件。
「日本は安全」と言われがちだが、それは絶対に言い切れないのだと、本作のリアルな描写に終始背筋が寒くなった。
いつもの通学路、いつもの下校時間という日常のすぐ隣に、これほど深い闇が潜んでいる。今や子どもを一人で学校から帰らせるのは危険だと、地続きの危機感を強く突きつけられる。

何より辛いのは、被害者であるはずの家族が置かれる不条理な環境だ。
事件直後はプライバシーを暴くマスコミの過熱報道に追い詰められ、時間が経って世間が忘れる頃になると、今度は事件の風化を防ぐために「マスコミの報道がありがたい」と願わざるを得なくなる。このどちらに転んでも地獄という皮肉な構造には、胸が苦しくなる思いがした。
しかし、そんな絶望の中でも、家族が地に足をつけ、必死に生きようとする姿には、こちらが本気で「負けないで」と応援したくなるほどの強さがある。

そして、この物語の主人公は、間違いなく刑事の奈良である。
組織が諦めかけても少女を捜し続ける彼を突き動かしているのは、被害者に寄り添う不退転の覚悟と、過去に救えなかった妹への深い悔恨だ。その二つが入り混じった強い覚悟があるからこそ、彼は事件を決して諦めず、同時に、最後まで傷ついた人々への細かな配慮を忘れない人物であり続けられるのだと思う。彼の徹底した優しさがあるからこそ、読者である私たちも救われ、最後まで彼と共に走り切ることができた。

これほど過酷な現実を描きながら、これほど優しい作品を紡げるのは、作者の吉川英梨さんご自身がきっと、理不尽に苦しむ人々に寄り添えるとても優しい方だからなのだろう、と感じずにはいられない。
単なる犯人当てのミステリーではなく、社会の歪み、人間の底力、そして「人の優しさ」を描ききった最高傑作です。

0
2026年06月21日

Posted by ブクログ

雨の日に忽然と失踪した小5女子の葵。
そして行方を追う捜査官の奈良刑事。

家庭崩壊手前から一致団結して、誹謗中傷や嫌がらせにも耐え、諦めなかった家族。
奈良刑事や警察の執念が実り、葵は無事に発見されるけど、発見までに3年。

子供が犠牲者って許せない。
葵失踪直前に一緒にいた友達と友達の家族も可哀想。何も悪いことしてないのに責められて。
奈良刑事にも心に傷を持つ妹の存在があり、
なかなか息苦しいお話でした。
この先も色々問題があるだろうけど、犠牲者や犠牲者の家族が幸せであって欲しいと願う。

0
2025年11月09日

匿名

購入済み

物語の始まりは、少女が教室にいる時から始まり。学校を舞台にした物語かな?と、思っていたら、少女が失踪し、話はどんどん複雑になってゆき、刑事達の真剣な捜査に何度も次こそは見つかるかも!と、希望を持ち。けれど何度も事件とは関係ないとなり苦しかったです。最後まで読み切って涙が出ました。

0
2025年08月10日

Posted by ブクログ

もの凄い物語に触れた後、色々な言葉が浮かぶが本作は圧倒的である。小学生失踪事件に端を発する警察小説だが、夜に読んではいけない。結末が気になって手が止まらなくなるからだ。
事件に当たる捜査員たちの緊張感はもちろん、被害者家族に吹き付ける誹謗中傷、顔のない悪意まで満ちているのは吐き気がする。胃の中に剣山でも入れられたような気持ちになった。
一欠片の容赦もなく、吉川は人間の悪意を、それに触れた人間がどうなってしまうのかを描き出す。それに立ち向かうにはどれだけの強さがないといけないのかも。それらの存在感は確かだ。読後、物語の中にいた人々の顔が浮かんでくるよう。

0
2025年07月16日

Posted by ブクログ

とても良かった。感動的な物語でした。
大きな波は来ないが、被害者周辺の3年にわたる生活がジワジワと・・・ずっと引き込まれ放しでした。
吉川英梨作品は「13階の母」以来2冊め、他の作品も読んでみようと思う。

0
2024年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「奇跡とは、何かが起こることではなく、状況が整うことだ」

ムロさん主演のドラマにいたく感動して、再読。
犯人逮捕の奇跡は、僥倖などでは決してなく、捜査に関わる警察関係者一人一人の、まさに乾草の山から針を探すような地道で粘り強い作業の積み重ねの結果に他ならない。称賛や感謝を期待するわけでもなく、酷暑も大雨も極寒も関係なく、ただ犯人逮捕の使命感と執念をもって粛々と職務にあたる捜査官たちの姿に、ただただ深い敬服の念。
小説もドラマも、事件発生から犯人逮捕に至るまで、その時々の被害者家族の苦悩、捜査陣の士気の波が過不足なく丁寧に、違和感なく描かれていて、どちらも本当に良かった。

0
2024年09月17日

Posted by ブクログ

吉川英梨さんの作品は今回が初めて。たまたま100円セールだったので買った本ですが、これはよかった。 奈良刑事が人として最高に好き。刑事ものミステリの中で好きな作品の一つです。

0
2024年08月18日

Posted by ブクログ

子供が行方不明になった時
報道されている以外のことはわからない
その見えない部分を
家族 警察 マスコミ 地域住民
それぞれのサイドから多角的に見せてくれた物語

小学5年生の女子児童失踪事件のリアルを俯瞰しながら、関係者の心情に寄り添う

あらゆる事を想定して捜査する警察の非情さ
公開捜査後の家族への誹謗中傷、プライバシー侵害
1ヶ月もすれば日常に戻ろうとする地域社会
1年経って縮小される捜査の規模
いつまでも失踪したその日に留まり続ける家族達の苦痛 後悔を引きずりながら希望を捨てずに

女の子は見つかるのだろうか
事件か事故か家出か
生きているのか
死んでいるのか

現実では無責任な傍観者にすぎない読み手としての自分だけれど、一番感情移入したのは家族の願いと
粘り強い捜査で家族を支え続けた人達の思い

痛みを抱えながら諦めない人たちを
心強く思う

この物語で
それぞれの立場の
それぞれの思いを受け取ってしまったから
これからは、
子供達の行方不明の報道を見聞きする度に
今まで以上に心がざわついてしまうに違いない

0
2026年07月10日

Posted by ブクログ

大雨の日の下校途中、小学五年生の葵が一本のひまわり傘を残して突然姿を消した。事件か事故か家出なのかすら分からない――。

読み進める中で最も胸が苦しくなったのは、葵の失踪によって一変してしまった石岡家の過酷な現実だった。事件当時、両親は離婚協議中で、姉は受験を控えているという繊細な時期だ。そんな家族をさらに追い詰めるのが、周囲の人々の無関心さや、怪しまれる男性教師への容赦ない目。さらにSNS上で飛び交う無責任な誹謗中傷が、家族の心を深く傷つけていく。娘の帰りをただ信じたいだけの家族に対して、顔の見えない悪意が牙をむく現代社会の冷酷さに、強い憤りを感じた。

絶望の淵にいる家族の唯一の光となるのが、執念の捜査を続ける奈良刑事だ。しかし、地道な捜査も虚しく手掛かりがないまま失踪から3年という残酷な月日が流れる。周囲の関心が薄れ、事件が風化していく恐怖。それでも諦めずに足を動かし続ける奈良刑事の姿に、私は「誰か一人でも信じ続けてくれる人がいること」の尊さを感じた。彼の執念こそが、家族の希望の灯火だ。

この本を読み終えて、ニュースの向こう側の事件を他人事として見てしまいがちだが、そこには絶望と戦い続けるリアルな家族がいることを痛感した。

0
2026年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小学5年生の葵が失踪。埼玉県警の奈良が職務以上に熱心に捜査し家族はどんなに救われるだろう、なのに見つからない。捜査本部が解散しても足で地道な調査を続ける、奈良には過去被害を受けた妹がいる。妹も、捜査も、被害者家族である姉まで詐欺にあったりトラブル続き。腐らず続ける事は簡単ではない、救われる結末でよかった。

0
2026年06月06日

Posted by ブクログ

 豪雨の中、一人の少女が消えた――そこから始まる、警察と家族の、長いたたかいの物語です。

 埼玉県の小さな町で、豪雨の夕方、小学五年生の女子生徒の姿が見えなくなった。失踪したのは17時過ぎに学校を出てから、母親が帰宅した20時前までの間。学校と自宅の間の通学路は田んぼの一本道。田んぼの中に傘だけが落ちているのが見つかった。事故か、事件か、家出か。的が絞り切れないまますべての可能性に当たっていくうちに時間が過ぎていき、どんどん捜査が縮小されていく。一か月が過ぎ、三か月が過ぎ、半年が過ぎ、一年が過ぎて二年が過ぎても、諦めずにわずかな証言から手がかりを追い求め、彼らは真実に辿り着くことはできるのか。

 人一人が失踪した時の捜査の困難さを感じることのできる一冊です。途中で『死体は情報の宝庫』という言葉が出てきますが、死体もない、誘拐犯からの脅迫や要求もない、目撃情報も少ない、となるとどの線で捜査したらいいのか絞り切れないものなのだな、と。まして、田舎の町のこと、心無い誹謗中傷や周囲との軋轢、捜査以外の障害も多く、情報に振り回されて二転三転しながら捜査を進める警察や家族の姿がリアルでした。
 何としても見つけてやりたい、と必死に捜査に当たってくれる警察の方々の気持ちがありがたく感じられる一冊でもありました。最後の最後までどこに転がるか分からない展開で、ハラハラドキドキしながら見守ることができました。

 どんな情報でも、捜査に役立つ情報になり得るのだ、と改めて感じた話でもありました。事件や事故などで情報提供の求めがあった際には、私も協力ができればと思います。

0
2025年09月06日

Posted by ブクログ


推理モノ小説は怪しい人物が複数でてきてそのための証拠集め、人間関係の模様に焦点が当たることが多いですが、この小説は明確な怪しい人物はおらず、警官の奈良及び警察官たちが事件事故誘拐ということもわからないまま始まります。
読んでいて、あまりにも手がかりがなくこの事件は解決するんだろうか、、、と不安になるくらいでしたが、早く解決を望む気持ちがどんどんページを捲らせてくれる一冊です。

0
2025年07月30日

Posted by ブクログ

映像化された作品
粗はあるけれど、リーダビリティはいいです

次々と浮かんでは消える疑惑
女児失踪事件に対する、刑事と家族の3年におよぶ執念の物語
まさに、その執念が犯人の尻尾を捕まえる

0
2025年06月01日

Posted by ブクログ

久しぶりにオーソドックスな警察小説を読んだ気がした。推理モノと思って読んだが、社会派ミステリーだと思う。

派手な展開はなく、ただひたすら地道な捜査が続く。解決の糸口や犯人を見つけたと思えばすぐに道に行き詰まる。事件発生から数年が経過する間に、家族や担当刑事が何を経験して、どのような心境の変化をし、諦めずに失踪した少女を探し続けるかが淡々とした日常の中にも丁寧に描かれていて、深みを感じさせる話だった。

0
2025年01月12日

Posted by ブクログ

少女の行方不明者事件を扱った、吉川さんにしては珍しく派手さのない作品。
そのイメージのギャップを除いて読んでみれば、家族や警官たちのやるせない想い、周囲の人や不特定の他人から向けられる思慮に欠ける無自覚な攻撃など、この種の事件の残酷さが生々しく描かれた考えさせられる作品ででした。
もしかしてこれをきっかけに作風を変えるのかな?

0
2024年12月27日

Posted by ブクログ

オーディブルで聴きました。
長い間なかなか捜査が進まず、ずっとこんな調子なの?と思っていたけど、実際の捜査もこんなものなのでしょう。そのせいもあり、後半の展開に加速度がついて引き込まれました。

それにしても、ダークウェブって実際の話?恐ろしすぎる。子どもを持つ親は、心して子どもを守る対策を考えて欲しい。老人もまた然りだが。怖い世の中過ぎる。

そして性犯罪は殺人罪と同等にするべき。命があるだけでも良いとすると言う人はいるだろうが、被害者は死ぬまで苦しむわけだから。そしてその家族も。

悪い警察の小説を多く読んでいるので、警察は信じないほうがいいと思っていたけれど、奈良刑事みたいな人もいるのだろうと考えを改めました。小説に左右され過ぎか。

0
2024年11月03日

Posted by ブクログ

一気読み。

WOWOWでドラマ化されているのでそっちも見たいと思った。

幼女誘拐事件。残された家族と一人の刑事の執念でついに誘拐された女児を見つける。

現実にありそうな事件

0
2024年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーディブルにて。
あっと驚くどんでん返しもないが、良かった。
これは少女失踪のミステリーではなく、少女失踪事件を通して不器用ながら熱い奈良という刑事を主役としたその周りの人々の話なのか。
奈良の妹ですら長年苦しんだから、あおいはこれから先もまた別の苦しみ・戦いがあると思うが、未来が明るくあってほしい。

0
2024年06月03日

Posted by ブクログ

埼玉県坂戸市で小5の葵が失踪した
現場に残されたのは傘一本
誘拐か家出かー
県警捜査一課の奈良は執念の捜査で真相に迫る

先が気になってぐいぐい読めた
読み応えたっぷりでとてもよかったからこそ、知りたかったことが書かれてなかったのがちょっと残念

0
2024年06月01日

Posted by ブクログ

まさに執念の捜査。事件解決に近づく糸口が見つかってからは怒涛の如く捜査が進んでいく。
特別なトリックや仕掛けがあるわけではないか゛
面白かった。

0
2024年03月31日

Posted by ブクログ

2024.03.21
ストーリー本体と刑事の抱える苦悩とがうまく描きわけられていることに感動した。こういう二つのストーリーを並行させるとバランスを取るのが難しい。しかし、バランスよく配置されていて読み進めるのに違和感なかった。

0
2024年03月21日

Posted by ブクログ

吉川英梨さんが好きで、読みました。

誰が誘拐犯人なんだろう?先が気になり読み進めていきました。
事件に巻き込まれた少女、そしてその家族の精神的な傷は一生消えないのでしょう。
そのことは、奈良刑事の妹さんの事件から想像して欲しいとの事で敢えて、この少女については書かれていないのかもしれませんね。

吉川さんの小説のラストはいつも斬新な気がします。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

レビューに惹かれて吉川英梨さん、初読みです

現実的で地道な捜査過程を描いた警察小説
フィクションなのにミステリーの様な刺激的な話ではなく、エンタメ性も控えた作品なので、より現実感のある作品だった

激しい雨の中失踪した美少女葵ちゃん
探す家族と奈良刑事の執念の三年間の話
そして並行して時が過ぎて行く奈良刑事と妹の人生

捜査が難航し、不確かな望みと不安を常に抱えながら葵ちゃんの情報収集に費やす家族の日常が克明に描かれていて、いつまでもやまない雨の中にいる様でなかなか辛いものがあった

しかし悪い事ばかりではなく、離れていた家族は次第に歩み寄り、捜査が打ち切られても周りの人や刑事が協力を惜しまないという静かなドラマもある

ラストは、この三年間の家族とそこに協力してきた人々や奈良刑事の姿が走馬灯の様に駆け巡り、目頭が熱くなった
そして奈良刑事が大切に見守って来た妹の人生も重ねて動き出す…

動機が弱い部分が気になって☆四つにしてしまったが、いつも変化に富んだ作品を読む事が多い中、久しぶりに静かに味わえる話を読んだ気がする
こういうのも有りだなあ〜

どうでもいいことかもしれないが、私はずっとカバーの傘の色が赤だと思っていた
読んでオレンジだと知る
確かにオレンジか・も・・(๑•ૅㅁ•๑)
思い込みだったと気付いた時、人はやたら驚く
(๑ʘㅁʘ๑)!!

0
2024年01月27日

Posted by ブクログ

事件を追う刑事と事件に巻き込まれた家族達を描いた作品。
事件としては、何人もの容疑者を出しておいて、その中に紛れてるというリアリティのある内容で、良い手法だなーと感心した。

この本で1番描かれてるのは残された人たちの環境だったと思う。
ネットの誹謗中傷、被害者に対する詐欺、冷たい目。
実際に起こってることを描いてくれており、被害者と被害者家族に対する考え方を改めないとあかんな。

0
2024年12月20日

Posted by ブクログ

花田七海は学校一のワル
補導歴があり、池袋にて万引きで捕まったっ!

小山啓泰は単独行動がお得意
今日も班長の奈良の指示に背いて独自路線の捜査を続ける
完全に組織から外れている

浮島航大は児童ポルノ所持でたいーほ
これで教師人生は終わったネ☺️

沙希が通う第六中はクラス対抗大縄跳び大会があるそう
なんて長閑な中学なんだろう
俺もこんなまったりとした中学生活をおくりたかった

鶴舞ニュータウンの過疎っぷりに仰天
まわりは、じじばばだらけ
お線香のかほりが漂う
住民の平均年齢は還暦超えっ!

ぼりぼりぼり
沙希がたくあんを噛み砕く音がダイニングに響き渡った

豚肉の生姜焼きと山盛りのキャベツ
キャベツの千切りを肉で包んで食べるのが葵はちゅきっ!
明日は葵の大好物、巨大エビフライだっ!! ママより

奇跡とは何かが起こることではなく、状況が整うことである
霊能力者エヴリン・ガテーニョの金言に唸った
うんちくをたれる際に使わせてもらう

0
2026年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雨の日に小学生の少女が誘拐されてしまい、事件を追う刑事と家族の話です。
刑事と家族の執念を感じました。
と同時に、実際の警察は本当に一つの事件にここまで時間を使うのかとも思ってしまいました。
ストーリーは収支暗めではありますが、緊迫した状況が伝わってきて面白かったです。

0
2026年06月12日

Posted by ブクログ

刑事の多忙さ、ねばり強い執念には、頭が下がる思いで読み進んだ。被害者家族への詐欺や悪戯電話の場面は、読むのを中断する程読んでて嫌な気分になった。3年もの月日を経て、過去に取り調べた人物の癖を覚えてた奈良刑事には、脱帽する。
エピローグが素敵で、ホッとした。

0
2025年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある日突然消えた我が子。捜査線上に何人も怪しい人物が浮かび上がっては消え、浮かび上がっては消えの繰り返し。錯綜する証言。ドラマとは違い、遅々として進まない捜査。被害者家族に対する悪意の数々。事件そのものもですが、事件の背景にあるものや事件によって否応なく変化していかざるをえなかった家族の様子やその周囲の人々の様子がとても上手く描かれていると思います。

事件から月日が経ち、縮小、そして解散されていく捜査本部。それでも娘を必死に探す父親の姿と、諦めない奈良刑事の姿がとても印象的でした。娘(沙希にとっては妹)が帰ってくるまでは絶対に諦めないで探し続ける家族の姿が胸に迫り、読み進める毎に切なくなっていきました。葵は、最後の方で本当に些細な証言から発見されるのですが、そこに至るまでの警察の地道な捜査に脱帽です。とても読み応えのある作品でした。

0
2025年05月31日

Posted by ブクログ

地道や愚直という言葉を体現するかのような小説です。
ドラマだとあっという間に解決していく事件も、現実は途方もない時間の労力の積み重ねで一つずつ進めていくのだなと感じました。
また、詐欺被害に遭ってしまうシーンは、こんなにも酷いことをよく出来るものだと呆れてしまいました。

「沙希はケーキを二つしか買っていなかった。」

0
2025年04月29日

Posted by ブクログ


刑事、家族、被害者たちの折れない姿に
胸が揺らされる物語。

太陽を見続ける向日葵のように真っ直ぐで
力強い人たちのお話でした。

ーーーーー
豪雨の日に、学校から帰宅途中の一本道で
忽然と姿を消した小5の少女。

手がかりのないまま、必死に探し続ける
家族と刑事たち。

事件が事故か、もしくは家出か、幾つもの
選択肢から絞り込めずに捜査は進むけれど
少女の足跡も犯人の痕跡も見つからない。

センセーショナルな事件に周囲は騒然となるが
時間の経過とともに、徐々に人々の記憶から 
遠ざかり話題に上らなくなっていく。

そんな中、一人の刑事が諦めずに事件を
追いかけ続け、その真摯な姿に次第に家族とも
心を通わせていく。

使命感か正義感か、諦めない刑事の執念の
根底にあるものも並行して見えてきて、
失踪した少女が見つからないまま月日は経ち
疲弊していく人々の姿には絶望が堆積していく。



0
2024年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ど真ん中ストレーーート!!
って感じの警察小説。

ブグログ内で評価高いですね~。

行方不明になった少女を探す警察と家族の姿が描かれています。
まさに執念。主人公の警官の捜査には頭が下がります。
実際の警官がみんなこうだとどれほど頼もしいだろうか。
被害者家族の苦痛や頑張りも痛々しいほどでした。

まるでノンフィクションのようなフィクション。
でも、すらすら読めますね~。

そして私ですら2度も目頭が熱くなってしまいました。
ラストはもちろんですが、中盤での母親の置き手紙。あれはヤバい。
いつ帰ってきてもいいように鍵をかけずに仕事に行き、晩ごはんを用意しておくなんて。おそらく毎晩かかさずやっているのだろうと思うと、ゆるゆると涙腺が緩みます。
な、泣きはしませんよ。緩んだだけですから。
それにしても母親って不思議ですね。最後もそうだったけど、どうしてそんなに子供のお腹を心配するのか。本能の為せる業なのか~。

犯人にたいしてはもちろんですが、野次馬やら心無い言葉を発信するクズどもに大いにムカつき、さらにそれよりもゾッとしたのは、自分ではレイプできる力が無いからといって少女の情報を流してレイプに役立たせ、何処かの誰かにレイプされてる少女の姿を想像して歓んでいた男の醜悪さよ。クズか。クソか。どんな歪み方よ。
よくもこんな設定を思いつけるもんだわ。
ネットの進化は捜査にも役立つが、犯罪にも役立ってしまう。
人間の本質は善も悪もある。残念だが道具の進化はどちらにも利してしまうのだろうなー。

塩田武士さんの「罪の声」のときもそうだったが、あまりにも実際の事件に寄せられ過ぎていて、そこが嫌だった。
実際の事件から着想を得るのは構わないけど、そこから一歩も出ていない気がする。
良い意味でも悪い意味でもど真ん中ストレート。
いろんな感情を刺激された良い作品ではあったが、まんま過ぎんかな?

好きな人にはごめんなさ~いm(__)m

0
2024年04月28日

「小説」ランキング