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少子化は正しい。問題は長寿だ。
突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。
そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。
助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。
迫真のポリティカル・サスペンス!
<内容紹介>
悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使――。
日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
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Posted by ブクログ
ちょっと重厚な本を読まないと行けなかったので、
気分転換に楡さんの最新の文庫本を読んでみました。
コロナ真っただ中に、「予言の書」と話題にもなった(らしい)小説。
コロナ前の話ですが、新種のインフルエンザウィルスが出現し、
日本中が大混乱に陥ってしまった際の、国の対応について書かれている。
楡さんの他の書籍からも感じることだが、
強烈な日本に対する著者の危機意識と課題・解決策の提示を感じさせてくれる本になっている。
純粋に小説を楽しむだけでなく、
日本の将来についても自ずと考える機会をくれる本である。
小説内では、人為的にインフルエンザが作られた設定になっているが、
実際のところはどうであれ、今回のコロナも同じようなことが起こってしまった可能性も
十分あり得るなと思わされるような設定だった。
(真実は、我々一般庶民は、知る由もない訳ですが…。)
命の重さや危機の際の対応など、考えさせられることが多かった小説。
(でも、普通に面白いです。)
Posted by ブクログ
楡周平『サリエルの命題』講談社文庫。
少子高齢化社会と社会保障制度、新型ウイルスの感染症のパンデミックに対する政府の在り方を問うポリティカル・バイオ・サスペンス。
事が起きてから右往左往し、理解不能の無策を連発する政府の対応の杜撰さは新型コロナウイルス感染症の拡大で既に明らかとなった。本作は一種のシミュレーション小説の形式でそんな情けない政府に問題提起しているようにも読み取れる。
面白さはあるのだが、現在進行形の新型コロナウイルス感染症に対する政府の無策ぶりの方が酷過ぎて、本作に描かれた内容が事実を超えていないのが非常に物足りない。問題の核心部分まで今一つ踏み込めていないし、新型インフルエンザウイルスを拡散した犯人への言及も無いという点で消化不良を起こしているように思う。
学会での権力に人生を翻弄され、癌で余命幾ばくもない学者が『サリエル』と名付けられた新型インフルエンザ人工ウイルスを日本海の孤島に滞在していた自身の人生を台無しにした日本科学会の重鎮に送り付ける。ウイルスは瞬く間に島内に広がり、島民は全員死亡する。感染力が非常に強く、致死率100%という悪魔のようなウイルスの出現に日本だけでなく、海外各国も震撼する。
やがて変異した『サリエル』の感染者が本州の宮城県の過疎の町でも見付かり、周辺にも広がりを見せる。政府は僅か150万人分しか無い治療薬トレドールの投与の優先順位を決めようとするが……
最後にワクチンを巡る蛇足のようなエピローグは不要にも思うのだが。
定価1,089円
★★★
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