鴨川ランナー

鴨川ランナー

日本という異国に住まいながら、日本人と外国人の間をさまよう人々を巧みな心理描写と独特の文体で描いた短篇2本。
「鴨川ランナー」第二回京都文学賞受賞作。選考委員の満場一致で選出された。日本から京都に仕事に来た西洋人の日常や周囲の扱い方に対する違和感を、「君」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。
「異音」・・・福井の英会話教室を突如やめる羽目になった外国人の主人公は同僚の紹介で結婚式の神父役のバイトを始める。

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鴨川ランナー のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年11月05日

    高校から日本語学習を始めたアメリカ人が巧みに日本語を操り素晴らしい小説を書いたという素朴な驚き。所々の単語の選択に独特のセンスを感じる。そして来日して働く外国人の心の葛藤を知り、これまで自分が外国人に対してとっていた言動を振り返ると心が痛い。はっとする角度から描かれていて得るものがとても大きかった。

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    Posted by ブクログ 2023年10月31日

    開墾地で一目惚れしたグレゴリー・ケズナジャットさんの処女作。「鴨川ランナー」は僕のクソ田舎の地元にもいたALTの先生が感じたであろういろんな気持ちを代弁してて、身悶えしながら読みました 笑
    そして「異言」では結婚式で毎回感じる「いや、この方このためにいらっしゃるの?」というなんちゃって?神父さんのあ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月26日

    めっちゃ好きな作品。
    とても乾いているのに、どこか突き放されている。浮遊して、接地していない感じがたまらない。

    文化や言語、この日本について考えてしまった。

    2編目の「異言」はさらにきつい話だった。
    日本人の英語に対する浅ましさが全開で。

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    Posted by ブクログ 2023年01月02日

    面白かった。
    「鴨川ランナー」と「異音」の2短編構成。

    私は京都に大学の時と社会人になってからも少し住んでいたので、街並みの情景が良くイメージできてストーリーに入りやすかった。著者の文章も歯切れが良く、テンポよく読み進めることが出来る点も◎

    外国語を習得していく中で、言葉や表現の意味は分かっても...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月06日

    鴨川ランナー読んだ! 福井の地名がこんなに出てくる小説は画期的やなぁ。福井出身としてうれしい。国語教科書に載せるには向かなそうだけども複数の言語を生きるむずかしさみたいな感情を想像できた。ALTの視点は考えたことなかった。とりあえず面白かった。

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    Posted by ブクログ 2024年02月25日

    高校時代から学習し始めた外国語(日本語)でここまでの物語が書けるとは…、なんとも稀有な存在の著者と作品に巡り会えた。
    これまで著者が経験したと思われる日本在住外国人特有のエピソードの数々。日本人として日々生きていると意識しないことでも、こうして言葉にされると共感して頷いてしまうことや、恥ずかしながら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月20日

    二人称で現在形の短めの文章が続いていって、本当にランニングしているようなリズムの文体でした。日本語を母国語としない人が日本語で書いた小説でしたが、美しい日本語で読んでいて気持ちよかったです。

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    Posted by ブクログ 2023年09月19日

    「優しい地獄」に続き、これも済東鉄腸氏の「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、・・・」で外国人作家の書籍を紹介していたもの。

    表題と「異音」の2編。
    どちらも、外国人として日本の中の微妙な違和感を、二人称と一人称、それぞれに表現している。
    確かに、流暢に話す外国人って、I=「ぼく」ではおかしい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月30日

    日本にいるいわゆる外国人(白人)に、知らず知らずの内に求めてしまうステレオタイプなイメージや行動。それに縛られてしまう外国人。
    英語が母国語の人の、第一外国語の選び方が羨ましかった。日本では、否応無しに英語を学ばなければいけない。必要なことだが、全員が学びたいと思って授業を受けている訳では無い中、モ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月29日

    多分に実体験をベースに構築された物語であろうことは、容易に推察できる。
    外国人が母語ではない日本語でしたためた小説、ということで、それを念頭に置いて意地悪な読み方をすればツッコミどころは皆無ではないが、そういった環境がまったく気にならずに内容に没入できるほど、文章力のレヴェルは高く、まず素直に敬服す...続きを読む

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鴨川ランナー の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    192ページ
  • 電子版発売日
    2021年10月26日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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