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Posted by ブクログ
素晴らしい小説でした。
「家守娘」「ファーストレディ」は、自立していた女性が40代で母親の介護に携わると言うストーリーに、自分の年齢とも重なり、介護と、母親としての女性の心理について考えさせられました。母親の世代は〝自分〟を押し殺して結婚生活を送っていただけに、年齢を重ね、守る存在から守られる存在に変わった時、今までの苦労や悲しみを理解してほしい、尊重してほしい気持ちからか、娘に醜い感情を押し付けてしまっている状況が、息苦しくも切なかったです。
「ミッション」は、文明が発達していない地での医療から、死生観を問う話。
この3つの作品から、40代独身と言う自分と重なる状況に、世間一般から求められる女性の在り方、もう子供じゃない女として求める部分、いい子であろうとする自分、親の世代と違って個々が自立し個人単位で物事を考えることや若い感覚ゆえの適応力から、耐え抜いて生活してきた親を頑固で融通が効かないと決めつけてしまう愚かしさ。生き死にに対する価値観。いつまでも親であること。愛情と束縛。まだまだいっぱいあるけれど、どれもが苦しく切なかった。
人は、自分が自分らしくありたいと、その時間、その時代を大切にしてるのだと感じました。
ほんと良かった!
Posted by ブクログ
登場する三人の40歳代となる長女たちは、高齢化社会の陰で責任を一身に背負い、過酷な状況に置かれた人達だった。
男の兄弟や次女、三女たちは何気に苦境から逃げ切るかのような生き方が可能だが、責任を一身に背負ってしまう性格の長女にとっては、自由さえ遠い存在となる生き方を歩まなければならない。
そんな生き方を選ばざるを得なかった三人の長女たちの中編からなる物語だ。
⚫︎家守娘
認知症を患う母親の介護のため、キャリアと恋を諦めて自宅に縛り付けられる長女。
自らの自由は求められないのか⋯
⚫︎ミッション
自由な生き方を模索して生きてきた長女は、一人暮らしにした父親を孤独死させてしまう。
その贖罪の念に悩む長女の心情が綴られる。
⚫︎ファーストレディ
心情的に良好な関係ではなかった母親が、重度の糖尿病を患う。
救うためには腎臓移植が唯一の術だが、母親に提供するべきか悩む長女。
ここに登場した主人公の長女たちは、社会的に自立した人たちだ。
自立した長女は、様々な問題を抱えることになると云う一面が宿命的にあるように思える。
男女雇用機会均等法が1986年に施行された後、若い女性たちが口にしたのは「女性の自立って大変だから、私はいらない」と、笑いながらインタビューに応えていた報道を思い出す。
昔は人生50年などと言われていたが、今や人生100年時代だから大変な問題なのは明らかだが、解決策は見当たらないのが実情だ。
Posted by ブクログ
下記3つのエピソードが収まった本。
・家守娘
・ミッション
・ファーストレディ
私も長女だけど、ここに描かれてるような思い遣りや責任感や共感を母親に寄せたことはないなと感じた。
ファーストレディで描かれる主人公が母親の行動の背景にある孤独に思いを馳せて、大きな決断をして寄り添う場面があるけど、私はどこまでいっても「とはいえ、選べたでしょう?その選択をしたのは貴方でしょう?」という眼差しを向けてしまうから。
程度の差こそあれ、望んでない私に子供(孫)を求める感じとか、見たいものしか見ようとしない感じとか。
作中に描かれてる母親と自分の母親が重なる部分がある気がして、気が重くなると同時に、本当にうまく描く作家さんだなぁと感じた。
ミッション だけは毛色が少し違ったように感じた。
どう生きてどう弱りどう死ぬか、みたいな
文化や価値観だけでない経済状況やインフラみたいなことも含めて形成された死生観の異なる環境で、自分が思う正義や常識を持ち込む難しさがひしひしと伝わってきた。
彼女が今後をどう生きるのか、続きを読んでみたい。
全体を通して、重いけど、読んでよかった。
言語化得意な友達がこの本読んでどう感じるのか聞いてみたいな。
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