青の純度

青の純度

2,420円 (税込)

12pt

その「青さ」は、本物か――?

最年少で管理職となり、仕事一筋で駆け抜けてきた編集者・有沢真由子。
五十歳の誕生日を迎え、つかの間の息抜きに訪れたリゾートホテルで、彼女は一枚の絵画と出会う。
ジャンピエール・ヴァレーズ――バブルの時代に煌びやかな海中画で大衆の心を掴み、一方で当時悪質商法が話題にもなった、“終わった画家”。
かつて鼻で笑っていた彼の絵に、不覚にも安らぎを覚えた真由子だったが、ほどなくして都内の外資系ホテルでヴァレーズの原画展が行われるという情報を得る。

なぜ今再び、ヴァレーズなのか?
かつての熱狂的ブームの正体とは?

違和感を手繰り、真由子は単身ハワイの地を目指す――。

煌びやかな「バブル絵画」の裏に潜んだ底知れぬ闇に迫る、
渾身のアート×ミステリー大長編!


【著者略歴】
篠田節子(しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。97年『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、09年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞、2020年紫綬褒章を受章した。他の著書に、『夏の災厄』『弥勒』『ブラックボックス』『長女たち』『失われた岬』『セカンドチャンス』『四つの白昼夢』『ロブスター』など多数。

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青の純度 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ミステリー仕立てで読者を惹きつけて読みやすい上に、アート、ビジネス、出版、日系人などの世界についても知ることができて興味深い。フィクションだが実際にこういうことがあるのかもと思わせる筆力。
    この著者の書くデキる女性がいつもカッコよくて好き。

    0
    2025年11月29日

    Posted by ブクログ

    ハワイ在住のジャンピエール・ヴァレーズが描くマリンアートの作品を巡ってのミステリー。

    新聞社の社員としてアート誌の編集に携わっていた主人公の有沢真由子は、50歳の誕生日を迎えた日に熱海のホテルでジャンピエール・ヴァレーズの絵と出会う。
    過去にブームだったジャンピエール・ヴァレーズの絵だが、再度ブー

    0
    2025年09月19日

    Posted by ブクログ

     かつて、日本でブームを巻き起こした画家ジャンピエール・ヴァレーズの謎をめぐるミステリー小説。ヴァレーズは架空の人物ですが、クリスチャン・ラッセンの画風がダブります。
     主人公の真由子が、ヴァレーズを取り巻く様々な闇を解き明かしていく過程は、手に汗握る展開で、最後は勧善懲悪で気持ち良かったです。色々

    0
    2025年09月03日

    Posted by ブクログ

    〈青。それも限界まで純度の高い透明な青と白い砂浜のコントラスト。寄せる波はレースのように繊細に泡立ち、海に戻っていくアオウミガメの濡れた甲羅を朝日がバラ色に染めている。澄み切った青い海から立ち上がる波頭の菫色の輝きと、曙光に照らされた遠い海面のシャンパンゴールド。〉

     自身が区分所有権を持つ老朽化

    0
    2025年07月13日

    Posted by ブクログ

    原田マハさんかと…ストーリーは上か。芸術作品に値段付けるのは不粋だけど、アートならその人が満足する値段でいいかな。ややこしいのは、気に入った訳でもないのに投資と称して貸し金庫に死蔵する輩。「より観念的で思想性のある真の芸術」って何?「わかりやすいものは、その道の権威に嫌われる」ふー。「ハワイ移民の日

    0
    2025年10月25日

    Posted by ブクログ

    面白かった!どこまでが事実で、どこからがフィクションか??入り込めたのは中盤から。当時、私も銀座で何回か声を掛けられた。少し気を引かれた記憶もあるが、買わなくて良かった!被害者で多かったのは老人、学生、若い女性だったそう。いやはや、酷いカラクリ

    0
    2025年10月06日

    Posted by ブクログ

    1990年代に一大ブームを巻き起こした画家ジャンピエール・ヴァレーズ。バブル期の大衆の心を掴みながら、美術界からは黙殺され芸術家の扱いすらされなかった”終わった画家“。
    美術系編集者として仕事一筋でやってきた有沢真由子は、かつて鼻で笑っていたヴァレーズの作品に30年の時を経て対面し、不覚にも安らぎを

    0
    2025年08月26日

    Posted by ブクログ

    出版社に勤める真由子は、バブルが弾けた後、日本中で売れた、海洋生物や海を鮮やかに描いたヴァレーズの絵画の原画展があるというので足を運ぶ。ギャラリーはやや怪しい売り方をしていた。ヴァレーズブームとは一体なんだっのか総括する本を出そうと彼の住むハワイに向かう。

    どう読んでも、クリスチャン・ラッセンの事

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    私は作者の小説を読むのは初めてだと思う。かつての作品『女たちのジハード(聖戦)』で受賞歴があるとの事だ。

    ところでこの作品は、あの時代(1990年代)を生きた者なら、誰もが知っている、そして、そのある意味不明瞭な?販売方法?で、その後全く取り上げられなくなったハワイ在住とされた画家、クリスチャン・

    0
    2025年11月08日

    Posted by ブクログ

    海やイルカなどのマリンアートの絵で
    1990年代に一大ブームを巻き起こした
    画家ヴァレーズ。ヴァレーズに関する
    本を書くため、編集者の有沢真由子が
    ハワイに取材に行き、その中で意外な
    事実を知る事になる‥というストーリー。

    物語は面白いといえば面白いのだが、
    前半はやや退屈。後半から徐々に面白く

    0
    2025年11月04日

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