【第117回直木賞受賞作】中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。
Posted by ブクログ 2021年11月22日
個人的に共感したのは紗織。現状を変えたくて動くところも、焦る気持ちも、わかるなあ〜と思った。20年前のこの時代に、女性として生きるって大変だっただろうな。2021年の今は、女性の社会進出が叫ばれて久しいけど、実際は小説の時代と同じような壁や、女に求められるプレッシャー等まだまだある。20年後は今より...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月26日
ずっと積んでいた本…こんなに面白いのに何故早く読まなかったのだろう?
はじめから最後まで本当に面白かった。20才からアラサーまで男女とも大きく環境が変わる事が多い10余年間。
こういう話を読むと、男性に比べて女性の選択肢が意外に多くて、その10余年間のちょっとしたきっかけが、その後の人生の振れ幅に...続きを読む
篠田節子は当たり外れが大きい(と思ってる)のですが、これは文句なしに大当たりです。
20年前の小説なのでもちろん色々と古いところはあるのですが、出てくるキャラクターが皆生き生きとしていて、古臭さを感じさせません。
何より読後感が素晴らしいです。
Posted by ブクログ 2015年03月16日
20年くらい前の話だが、女性は今よりはるかに働きにくかったと思うと同時に、役立たずの男たちが会社でなんとなしにエスカレーターで役職についていたであろう姿も、日本沈没の原因として蓄積された過去の負の遺産だろうと思わせてくれる。
ただ、女性が抱く幸せの考え方にかわっていないと思わせる部分もある。5人のO...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月14日
「貴様いつまで女子でいる問題」などという本を読んだ後にこれである。時代にして、こちらは15年前なんだけど、女性はかくあるべき、みたいな気持ちと、自立した女性、みたいなのの狭間で大変ちゃあ大変。
しかし欧米のいつ捨てられても良いように、というスタンスで自立を目指す世界の大変さよ。日本の男性は甘すぎなん...続きを読む