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直木賞作家の新たな到達点! 江戸時代に九度蝦夷地に渡った実在の冒険家・最上徳内を描いた、壮大な歴史小説。本当のアイヌの姿を、世に知らしめたい――時は江戸中期、老中・田沼意次が実権を握り、改革を進めていた頃。幕府ではロシアの南下に対する備えや交易の促進などを目的に、蝦夷地開発が計画されていた。出羽国の貧しい農家に生まれながら、算学の才能に恵まれた最上徳内は、師の本多利明の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。そこで徳内が目にしたのは厳しくも美しい北の大地と、和人とは異なる文化の中で逞しく生きるアイヌの姿だった。イタクニップ、少年フルウらとの出会いを通して、いつしか徳内の胸にはアイヌへの尊敬と友愛が生まれていく……。松前藩との確執、幕府の思惑、自然の脅威、様々な困難にぶつかりながら、それでも北の大地へと向かった男を描いた著者渾身の長編小説!
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年03月02日
ついに「時代小説」から「歴史小説」に。しかも満を持してアイヌと北方開拓。それでも西條さんらしい心温まる登場人物たち。たまたまだけどロシアのウクライナ侵攻が重なり、セリフが深く突き刺さる。「国というものは厄介なもの。内乱も外乱も戦が起きるのは必ず国境だ」「優劣の軛をつけることでしか人は安堵を得られない...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月04日
江戸時代中期から後期にして、蝦夷地に9度渡り、蝦夷地のエキスパートとして人生を全うした最上徳内の半生記を描く。
この時代に極寒の未開の地である蝦夷地とその地に住むアイヌの人達に真摯に向き合い、これほどまでに彼の地や彼らを愛した人物がいたのだなぁと深く感銘した。幕府や松前藩の身勝手な思惑に翻弄され、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月24日
最上徳内の半生を描いた歴史小説。
最上徳内を知ったのは故みなもと太郎の「風雲児たち」でした。
華々しい名声は得ないものの地道な蝦夷の活動は後の近藤重蔵、間宮林蔵につながれていきますが、本作としては徳内が普請下役に取り上げられたところまでがメインでした。
しかし、みなもとさんの「風雲児たち」は枝葉ま...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月19日
読み始めはアイヌの言葉が難しくて中々頭に入ってこなかったが途中からグッと引き込まれた。
言葉も通じず字を持たないアイヌの人々がいかに虐げられ、奴隷のように労働を強いられたか…
それでも誇りを失わず極寒の蝦夷で生きる様
そしてそのアイヌ達を愛し、守る為に尽くした男
百姓から武士にまでなった「最上徳内...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月16日
徳内の蝦夷への思い、そしてそのいきざまに、心が奪われた1冊でした。没頭しました。
読み終えた今、最上徳内のファンになったような気分です。
この時代に蝦夷へ赴き周遊するのは相当な困難があったと思いますが、アイヌ語の習得など大変な努力と信念、純粋な思いで貫いたその生き方に、今のこの自由な時代に、いろんな...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月16日
江戸時代中期、幕府で計画された蝦夷地開発の見分隊に随行したことから始まる、算学塾の弟子・高宮元吉こと最上徳内の半生が描かれた作品。蝦夷地の雄大な自然やアイヌの少年、長(おさ)たちとの交流を通して、その利を搾取する松前藩や商人に強い怒りを持った徳内が、辿った年月が描かれている。とても読み応えのある作品...続きを読む
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