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堂島で紙油問屋を営んでいた上田秋成は大火によって焼け出され、幼馴染の雨月が結ぶ香具波志庵に転がりこんだ。がさつだが情に篤い秋成と、死者や妖しと交流する力を持つ雨月。二人は言葉を話す兎「遊戯」との出会いをきっかけに、不可思議な出来事の数々に巻き込まれることに――。掛け軸から飛び出す金鯉、哀しい恋物語に、罪の果てに鬼になった男まで。二人と一匹がたどり着く、優しく切ない真実とは。直木賞作家が江戸怪奇譚の傑作『雨月物語』を大胆に解釈した、切なく幻想的な連作短編集。
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Posted by ブクログ
「雨月物語」の作者である上田秋成と、幼馴染でミステリアスな雨月、ウサギの妖しである遊戯を中心にした物語。最後は意外な展開だったけどすごく良かった。西條奈加さんは温かさと切なさのバランスが絶妙な作品が多くて好きだ。 円城塔さん訳の雨月物語を先に読んでおいたので、各話の元ネタが分かって面白かった。でもこ...続きを読むれを読んだ後に雨月物語を読むのも良さそう。
ずっと雨月物語の骨格を用いた同姓同名の登場人物によるオマージュ的な作品だと思って読み進めていた。 それだけでも充分に趣と不思議な色気がある作品だと感じていたのに、最後の最後でまさかの展開に。 同じ手法は使えないだろうことを考えると、この先も西條さんの代表作の1つとして評価されるであろう素晴らしい作品...続きを読むでした。 直木賞も納得です。
雨月物語の生まれた時間だろうか、こんな風に作れるものか。出だしから不思議な感じでしたが、雨月が実在していないのは分かったけど何者かが分からず、しゅうせいがお前自身だと聞かされて、なるほどそうなのかというか、だいぶ捻っているし。一人芝居だろうか、えっでもなぁ子ウサギがいたし、本当に不思議。違う西條奈加...続きを読むさんに触れたかな、昨年の受賞から物凄い勢いで出版して物凄い勢いで購入して追いつかない。最初に善人長屋で、そこからだもん
読み始めは、「秋成」と「雨月」がどちらかよくわからず、暗い話としか感じなかったが、中盤から趣深い世界観に変わり、感慨深い最後となった。 読んで良かったです。
江戸時代の上田秋成の雨月物語を下敷きにした物語。 この世とあの世の狭間で、人の深い思いが紡ぎ出す悲しい性…面白いのだ。 雨月物語は読んだ事が無いのだけど、怪奇小説のイメージでいましたが、こんな風に深い物語なら、読んでみたいと強く思う。
上田秋成を主人公とした物語。いやその友の雨月と妖の兎の遊戯が視点の中心になっているかな。その辺が最後のどんでん返しに繋がっていくのだけれど。様々な怪しい出来事に3人は遭遇し、それが後に雨月物語になっていく。ふーんと思いながら読んでいくと最後にそれらの物語が意味を持って輝いてくる。なるほどなあ、西條奈...続きを読む加さん、上手いなあ。自分とはなにかとちょっと考えさせられたよ。
西條奈加氏のファンタジーものかと思いきや、なかなか奥深く面白かった。「物書き」である著者の姿勢が垣間見える。 雨月物語を読みたくなった。
相手が物の怪だろうが真摯に会話し真摯に受け止める秋成。そんな秋成が雨月物語を書き上げます 昔物語は物の怪が一杯。今より死は身近で、そんな身近な人への想いが沢山の物の怪を生み出していたんだろうなあ 難しい文章は斜め読み。それでも秋成の雨月への想いも、別れの哀しみもしっかり胸に届く物語でした
まともに読んではいないが、雨月物語を題材にした作品。 それぞれの話は不思議な世界観とを醸し出している。 最後に物語全体の謎が解けます。 解説を読んでなるほどと思った。元の雨月物語も読んでみたいと思います。
雨月物語を題材にした物語。 なるほどーと、面白かった。 あくまでフィクションなんだけど、つい「本当にこうだったのかな」と 錯覚してしまうほど。 「遊戯」が可愛い。
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