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巨匠が放つノスタルジックで切ない青春ミステリー 遊園地でアルバイトを始めた大学生のぼくは、幽霊屋敷に出没する殺人鬼と対決する…… もう戻れない青春時代を美しく描く巨匠の新作。
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若い頃は、キングというとバキバキのホラー以外は物足りなく感じましたが、今はこの「ジョイランド」や「死者は嘘をつかない」のような作品も大好きです。 筆者自身が生きる土台としている力、音や色や形のない強さのようなものが感じられるせいでしょうか。 この世から遠く離れた世界と、この世でもっともささやかな...続きを読む存在や現象(「ジョイランド」では少年マイク)とが見事に融合していて、立ち去りがたい、大きく静かで強烈な余韻を残してくれました。 立ち止まって、何度も繰り返し反芻したくなります。
#泣ける #感動する #深い
Posted by ブクログ
“ぼく、飛んでるよ” スティーヴン・キングを誰が「ホラー小説の大家」なんて呼ぶんだ。 彼のは間違いなく「青春小説」……しかもとびきりせつないやつ。 まぁ、そういうものを選んでいるんだけど……。 それでもキングのは、キング以外には無い。 “ぼく、飛んでるよ” ……泣いちゃいけないよ。
洋書は物語に入るまでに時間がかかるものが多いけれど、すぐに物語に入ることができるのは、さすがはキングの小説でした。 キング得意のノスタルジーな雰囲気にミステリーと、幽霊を掛け合わせたようなお話。楽しめました。
2013年刊。 ジャンルは「ミステリー」ということらしい。が、半ばほど読んでもなかなかミステリーらしさは無い。60代の筆者が21歳の頃の夏から秋にかけての体験を回想し、叙述していく内容は「青春小説」である。大学生の彼がジョイランドという遊園地で働くのだが、その遊園地の中の幽霊屋敷には本物の幽霊が...続きを読む出るという。その幽霊の正体は以前そこで殺害された女性の霊なのだそうで、彼女を殺したのは誰か、ということが本作の「ミステリー」としての主眼となる。幽霊が出てくるからいつものキングのホラーとしての色彩も濃いはず。 しかし、このエピソードは当面、物語の核の部分には無くて、150ページを超えてもまだまだストーリーは青春物語であって、失恋の痛手やら、夏に出会った人々との交流が丁寧に描かれ続ける。従って小説の大半は「怪奇」や「謎」への求心力に支えられているわけではないのだが、ぐいぐいと読ませるキングの語りは本当に見事だ。 ここには、キング特有の一人称独白体の魅力が溢れている。そのモノローグ体は典型的なアメリカ人の語りを示しているようにかねてから私は感じていた。モノローグの肉薄性、リアルさ、重さという点で共通性を感じるのはドストエフスキーだ。ドストエフスキーの小説内のモノローグも、私は当初ロシア人の典型的な語り口なのかなと感じていたが、よく考えたらそれはロシア人の普遍的な語りというよりも、やはりドストエフスキー個人のそれなのだった。キングの場合もやはり、アメリカ人の普遍というよりも、キング個人の体質が現れているのだろう。 モノローグの魅力に加えて、順次描かれていく小エピソードの配列の仕方が、「読ませる小説」特有の巧みな技に則っているのに違いない。読み進むにつれて引き込まれ、読者は語る主体に導かれて彼の経験を一体となって経験していくのである。 ようやくミステリーらしくなっていくのは小説の残り3分の1くらいになってからだ。徐々に過去の殺人事件についての謎解きに引き込まれ、同時に「幽霊の出現」というキングらしい超自然現象のカラーも明確になっていく。クライマックスは実にサスペンスフルだ。最後の最後に、ああ、これはミステリーだったと納得させられる構造になっている。 ミステリーであり、ホラー要素もあるが、読者の記憶に残る全体的な印象やエピソードはやはり、みずみずしい青春小説のそれである。それは輝かしく、同時に痛みを伴っており、切実で愛おしいような追憶だ。 これはスティーヴン・キングの傑作だと思う。
大学生時代の遊園地バイトでの甘酸っぱい青春、そこで起きた恐ろしい事件を回想形式で振り返るという、フォーマットこそスタンドバイミーと似通ってはいるが、焼き直し感は感じずウェルメイドな一級品の青春ミステリに仕上がっている。恋愛要素が特に最初の不安感を孕んだ失恋のくだりから、沢山の大人に囲まれて働いて、周...続きを読む囲の信頼を勝ち取っていくさまは、自身のバイト経験を振り返って共感することが多く、恋愛だけではなく仕事の青春という側面もある。主人公が絶妙にモテない等身大の男子大学生というのもあって、語り口はロマンチックに過ぎるが、友達の彼女との間に一瞬芽生えた、タイミングの違いによる恋愛の萌芽などは、青春期の恋心の切なさを非常に的確に捉えている。シングルマザーとも恋仲になるが、そこに未来がないのは互いに分かっており、年上の女性に対する思慕や恋慕で留める筆致がまた小憎らしくて素晴らしいのだ。アニーの言う「住む世界が違う」はまさにその通りで、世界の違いを認識したその瞬間に、青春は終わる。ただ、一瞬でも重なり合った世界と生まれた感情は紛れもない本物であり、人生にはそういった運命的な出会いが訪れる瞬間が何度かある。そしてそれは、振り返ったときにしか分からないものなのだろう。話の核となる遊園地の殺人鬼の話も面白く、荒唐無稽な怪談に過ぎない話が、徐々に輪郭ができて実体化する恐怖はまさしくモダンホラーの帝王ならではの筆運びで、犯人こそ分かったものの、後半の怒涛の展開は流石の一言である。主人公は幽霊が見えない、というのがまさか最後の最後まで貫くとは思わなかった。また、善意が裏切られることなく、最後の最後でその善意が主人公の身を助けたというのが、個人的には一番の感動ポイントだった。こういう無駄に思えた善意がちゃんと報われる話は大好きである。クライマックスの映画的なスペクタクル、一抹の悲しみ、そしてエンディングの凧のシーンは感涙必死である。潰れた遊園地、アニーの言葉、それらが青春の終わりを実感させるのだ。キング作品は久しぶりに読んだが、一番キング作品を読んでいた高校〜大学時代にタイムスリップしてしまったかのような、そんな思い出深い一冊だった。これからもキングを読むと固く決意すると同時に、やはりキングは稀代のストーリーテラーであると認識した一冊である。
いつも思うのだが スティーヴン・キングの描く青春は 甘酸っぱく愛らしく、そしてじーんと切ない。 余韻がずっと残っている。 アメリカでドラマ化するらしい。 出来栄えはともあれ見たい!
傑作!キングの本なので反射的に購入してしまったけれど、正直なんの期待もなかった。 いや、面白いではないか、泣けるではないか! 女の子としたい盛りの大学生の主人公は冒頭で振られてしまう。夏のバイト先として選んだ遊園地で不気味な体験と素敵な経験をする。筋ジストロフィーにかかった男の子とのふれあいは泣かせ...続きを読むる要素満載。ホラー要素をちょっぴり効かせたミステリーで痛いところをえぐるのだけれど、最近のキング、人間に対して優しくなってない?厳しい状況を描くなかにも優しさが溢れている感じ。出張帰りの新幹線の中で泣いてしまった。ささくれ立った心にしみる、穴場的傑作。
序盤これは何の話だろうと思っていたが、まさか中盤以降毎日読むたびに泣かされそうになるなんて。たまらなくロマンチックな時のキング筆による過ぎ去りしきらきらした青春の日々。ラストシーンも染みる(息子さんジョー・ヒルの『ポップ・アート』もちょっぴり思い出した)。
ロンドンの空港でペーパーバックを購入して読んでいたがそのうちに日本語版が出版されこちらに切り替えた。テイスト的には『スタンド・バイ・ミー』に近いか。個性的で魅力的な登場人物の中で古めいた遊園地を舞台に物語が紡がれていく。ホラー主軸ではないがそれがロマンスの周辺にスパイス的にちりばめられて飽きさせない...続きを読む。そして忘れてはいけないのは藤田新策。もう還暦を迎えたであろう氏の素晴らしい装丁はいまだに健在。ジャケ買いと言われても差し支えない。
夏休みに<ジョイランド>でバイトする大学生の話。 大学にはいって彼女ができて、でもなんかうまくいってなくて…。という悶々が続くのでなんか切なくなる。 うんうん、10代の終わりから20代の前半って、四六時中こんな感じだったよなって思う。自分が好きな人が、自分が好きなほど好きでいてはくれない...続きを読む、っていうのは本当に切ない。 それでも人生は続いていくわけで、遊園地というちょっと特殊なバイトを選んだことが、彼をいい方向に導く。 このあたりって上手いなって思う。人間、ちゃんと働けばお腹がすくし、お腹がすいてご飯食べれは、満たされた気持ちになる。そして、創造的な仕事はやりがいに直結している。 多分こういうことが人生において一番大事なのだろう。 大事なところを見せておいて、ふいに物語は幽霊譚になる。 そして、職場への行き帰りに会う、難病の少年とその母親。少年への哀惜が物語を動かす。 少年がちょっと霊感があるみたいな感じに描かれていたけれど、結局はすべての<愛情>が重なってのことだったように感じた。重なり合ったからこその奇跡で、結末なのだと思う。 も、涙が…。 最後の1行がしびれるほど、よかった。
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