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18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を越えてしまう。カナに妄執する弘斗は危うげで、そしてある過去を隠していた――。二人を繋いでしまった、それぞれの罪と罰。喪失と再生の純愛小説。
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Posted by ブクログ
金原ひとみさんばかり読んでしまう。 こんな作品も書けるんだ! これまでに読んだ2作品ほどグロくないし、すごく好き。 歳をとるとそつなくこなせることが増えるから傲慢になるけれど、本当はできることは限られていて、その限られた中で何が1番大切か考えなくちゃいけない。と気づける人は自由になれるのかも。 子...続きを読む供の頃できていたのだから、きっと私たちにもできる。 結婚してようがしてまいが、30近い女は反省ばかりしてるんですね。 自分のことが客観的に見えているくせに感情に流される人たちを見るのが気持ちよくて気持ち悪くて癖になる。 最初に読んだのが憂鬱たち、だからはまったのかも。 憂鬱を気怠げでかっこいい音楽に昇華するビリーアイリッシュやチリビーンズのように好きになってしまった。 どの作品の主人公たちもみんな真面目で勤勉で、努力の方向性が間違っていてもがむしゃらに走り続けるから苦しんでいる。大体の人はここまで頑張れないから正気を保っていられるんじゃなかろうか。 金原さんは恋愛の描き方も独特で、少女漫画くらい夢見がちかと思いきや、昔のフィールヤングより病んでいて、全部刹那的で永遠なんて存在しない。 他人の恋愛はうまくいくかいかないかの2択でどうでもいいのでこれまで読まなかったのだけど、執着が愛に変わる時、それはもともと自分の中にあったんだと気づく爽やかさがすごく好きでもっと読みたくなった。 自分の価値観を信じて間違えたから世間の価値観に合わせていたけれど、やっぱり素直に生きるしかないのだ。本当に素直になればきっとうまくいく。だって世間の価値観に合わせているうちに大切なものを失くすかもしれないでしょう?そんなことに気付ければこの世はきっと楽園に変わる。 無くしたものより欲しいものより今持っているものをいかに愛せるか。 執着を手放し自由になれそう。 カナが他の主人公たちと違ったのは体が健康だったこと。だから体と心の声がちゃんと聞こえたのかも。だって拒食症や蕁麻疹に苦しんでいる時に正常な判断ができるわけない。 憂鬱な人は常に最悪の事態を想定しているから雑でいられる海外暮らしと相性がいいんだろうな。可能性を排除して諦めるしかないから自由になれる。 サリンジャーはいつか無くしてしまう子供の純粋さを讃えていたから、8歳の子供に対してまだこんなものか、という表現にどきっとした。 カナの感情はカナだけのもので、誰にも文句言う権利はないし、秘密を守る権利があるけれど。 家族だから気が合うとは限らない、という至極当然のことを日本人は見ないふりをするから怖い。 『好きではないし、行きたいとも思わない。でも 行ってしまえばすぐ馴染む。でもここに居続けるには、常にルールを厳守する必要がある』 カナが感じているのは憂鬱ではなく苛立ちだ。 世間の期待に応え続けているのに世間は心を満たしてくれない苛立ち。こんなに頑張っているんだからもっと満たされるべきなのに、が拭えない。 日本で暮らすことの違和感や息苦しさ、 海外で暮らすことの自由や不安の表現が上手で、わかる、と思う。 でもコミュニティの中の人間を平等に扱うために他者を排除する時代にはいったので、やっぱり楽な逃げ道は簡単に使えない。抱えすぎているものを手放して不自由になる、ことが同じなのかもしれない。私はもう、一人で憂鬱でいることに疲れたのだ。
甥との恋ということで、恋愛には興味のない自分にとって響くものはあるのだろうかと心配でした。でも主人公の満たされない心にフォーカスされており、とても面白かったです。超おすすめです。
私は本に希望も未来も愛も勇気も求めていなくて、ただただ現実から引き離してほしくて、たまに芯を食った言葉を聞かせてくれたらいいと思っていて、これはまさにそういう本だった。 主人公の世界が狭くて、作品の世界に閉じ込められる感覚が強かった。現実世界の思想が入り込む隙を与えない。あ〜好き。
生きていることに覚える違和感をこうまで言語化出来ることに驚愕した。 ここにいるのにここにいない。そのふわふわとした現実ではない誰かの人生を生きている感覚が、カナと弘斗が出会うことにより、自分の人生になる。 すごい!この世界観は。 そして、カナの勇気にエールを送りたい。
面白かった。 いきなり19歳の甥に押し倒されるところから始まってびっくりした。 結構事件性があるストーリーなので、ハラハラしながら読んだ。 ストーリーもイイけど、やっぱり私は金原さんの世の中の見方が結構好き。 たまに、本当に些細なところで「あっそれわかる」ってなるのが楽しい。 今回だと「私は我が子...続きを読むがゴールを決めると狂喜乱舞する教に入信していないだけで、それと愛情は全く関係ないものだ」って一節に爆笑しながら「わかるよ!」ってなった。 人生の教訓とか教養を求めて読むというよりも、心地よくASMR動画を見ているような感覚というか…… そんな感じ。 好き。
救いがないと思った。 頭を鈍器で殴られたようなショックを受けた。 たとえ、自らの軽薄さが招いた事態だとしても、カナがなぜここまで弘斗に寄り添うのか? ここまで全てを失わなければならないのか? ひどく気分が落ち込んだ。 が、しかし… 愛があるなら、この結末はありなのか。 金原さん、すごいな。 ...続きを読む圧倒的に心を揺さぶってくる。 キレキレで「ぼーっと生きてんじゃねぇよ。お前生温いよ」って、説教されている気分です。 ・叔姪婚(しゅくてつこん)って言葉を初めて知った。日本では叔母と甥は結婚できない…って知らなかった。従兄弟同士は結婚できるのに。 ー 人生とはただの暇つぶしでしかなく、人が生まれてから死ぬまでにする全ての事が暇つぶしであるという事実から目を逸らすための現実逃避の手段が、人生に意味や目標を見いだすという行為なのではないかと思ってしまう。 ー 小説などで目にした事のある行為、母親が乳幼児の性器を口に含むといった行為 ←この小説って、コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)の出だしだ!高校生の時読んで衝撃的だったから覚えている。 やっぱり金原さんは龍さんの影響受けているよね。 ー 結局、不倫なんてヤレる状況でヤリたいと思ったら最後、ヤルしかないのだ。そしてヤッたが最後、よっぽど状況が大きく変わったり、周囲にばれたりしない限り、だらだらとヤリ続けるしかないのだ。 ←すごいリアル。そんなものなんだろうね。 若いひとは受け入れたくないかもしれないけど。
すごくよかった。 狂気に満ちている世界がどれほどの精力を持っているかがよくわかる。 一度あんな狂った恋愛をしたら何もかもつまらなくなるだろう。 2人の中の「ただしい」を全うすると法の下で罰される。 2人の中の世界だと、刺される方が罰されるべきだから刺されたのだ。 俗に言う「正義とは」みたいな...続きを読むものか。そんな簡単に片付けて欲しくないけど。 人間誰しも狂ったように何かに熱中していないとおかしくなるんだろう、生き続けることが辛くなるだろう。楽しさとか幸せを重ねて退屈に暮らしているのだ。変なの。 それにしても全て成功しているのに満たされずに感じない姿は、少しわかる。私が大人になったからかな。 全てを擲ってでも捧げたいと思えるものに出会うと言うことの尊さを知った。 正しい愛ってなんだ・?
既婚子持ちの女性が甥と情事に落ちる物語。 以下は小説を読んだ気付き。 倫理的に駄目な人を好きになる人は本能的にそれを繰り返してしまう。 それで自己嫌悪に落ちるようでは元も子もないのだが、その事実を受け入れることが出来るのであれば、器用に生きることが出来る。 どんな人を好きにならなければならないかと...続きを読むいう悩みは、結果として被る不利益(死ぬことさえ含む)をそれと感じないことで昇華させられる。 以下は2作品を読んだ著者に対する印象。 アングラな世界を織り交ぜてくるが、アングラに違和感を感じさせない、むしろ織り交ぜることで描く世界のバランスを絶妙に保っている。そしてそれを人の心の脆く儚い部分を婉曲的かつ精緻に描く手段に使っている。
私は誰も愛していない夫も彼も__ 心に開いた穴を埋めるため、許されざる恋をした。 お互いの感情が静かに強く摩擦し合い、文章から伝わるヒリヒリ感に読む手止まらずでした。 この狂気を殺意をそして愛を野放しにしてはならない。
「失えるものの数だけ、人は魅力を携えるのかもしれない」人の魅力はその人が失えるものの数に比例する?前に読んだ『死ぬこと以外かすり傷』を思い出した。
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