軽薄(新潮文庫)

軽薄(新潮文庫)

649円 (税込)

3pt

18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を越えてしまう。カナに妄執する弘斗は危うげで、そしてある過去を隠していた――。二人を繋いでしまった、それぞれの罪と罰。喪失と再生の純愛小説。

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軽薄(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年08月30日

    私は本に希望も未来も愛も勇気も求めていなくて、ただただ現実から引き離してほしくて、たまに芯を食った言葉を聞かせてくれたらいいと思っていて、これはまさにそういう本だった。

    主人公の世界が狭くて、作品の世界に閉じ込められる感覚が強かった。現実世界の思想が入り込む隙を与えない。あ〜好き。

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    Posted by ブクログ 2022年04月21日

    生きていることに覚える違和感をこうまで言語化出来ることに驚愕した。
    ここにいるのにここにいない。そのふわふわとした現実ではない誰かの人生を生きている感覚が、カナと弘斗が出会うことにより、自分の人生になる。
    すごい!この世界観は。
    そして、カナの勇気にエールを送りたい。

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    Posted by ブクログ 2021年03月14日

    面白かった~~~~
    いきなり19歳の甥に押し倒されるところから始まってびっくりした(笑)
    結構事件性があるストーリーなので、ハラハラしながら読んだ。

    ストーリーもイイけど、やっぱり私は金原さんの世の中の見方が結構好き。
    たまに、本当に些細なところで「あっそれわかる」ってなるのが楽しい。
    今回だと「...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月21日

    救いがないと思った。
    頭を鈍器で殴られたようなショックを受けた。

    たとえ、自らの軽薄さが招いた事態だとしても、カナがなぜここまで弘斗に寄り添うのか?
    ここまで全てを失わなければならないのか?

    ひどく気分が落ち込んだ。

    が、しかし…
    愛があるなら、この結末はありなのか。

    金原さん、すごいな。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月06日

    すごくよかった。

    狂気に満ちている世界がどれほどの精力を持っているかがよくわかる。

    一度あんな狂った恋愛をしたら何もかもつまらなくなるだろう。

    2人の中の「ただしい」を全うすると法の下で罰される。
    2人の中の世界だと、刺される方が罰されるべきだから刺されたのだ。

    俗に言う「正義とは」みたいな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月24日

    既婚子持ちの女性が甥と情事に落ちる物語。

    以下は小説を読んだ気付き。
    倫理的に駄目な人を好きになる人は本能的にそれを繰り返してしまう。
    それで自己嫌悪に落ちるようでは元も子もないのだが、その事実を受け入れることが出来るのであれば、器用に生きることが出来る。
    どんな人を好きにならなければならないかと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月08日

    当たり前になった人生から道をそれたくなる。それを望んでいたのかといえばそうとも言えない。「軽薄」という言葉が表現しようのない渇望の力学を表現していて、ずっしりと重く響く。

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    Posted by ブクログ 2024年03月03日

    「失えるものの数だけ、人は魅力を携えるのかもしれない」人の魅力はその人が失えるものの数に比例する?前に読んだ『死ぬこと以外かすり傷』を思い出した。

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    Posted by ブクログ 2023年06月05日

    私は強烈な過去をもってるわけではないけど
    カナに共感する部分が多かった

    これを読んで私が軽薄な人間であることが
    なんかわかってしまった感がある。
    けどそれを知っても揺るがない感じが
    それもまた軽薄というか。
    態度や行動っていうか感情が軽薄。

    不倫をしてしまうところが軽薄というよりかは、
    それ自体...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月30日

    過去のトラウマから理性的だった恋愛観が、段々とタガが外れていく小説。
    一生懸命取り繕っていた体裁を、あれよこれよと剝がしていき、最後は本能一択で結末を迎えます。
    本能で突き進めばそりゃそういう最後になるだろうな、と失笑してしまうような最後でした。
    これだけ正直に生きられたらある意味幸せで、羨ましいな...続きを読む

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