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“青春”の表も裏もすべて抱えて、少女は大人になっていく。 放送部の知咲は、本番の舞台にトラウマがある。だが、エースの有紗の様子が変で――(白線と一歩)。 怒られることが怖い優等生の細谷と、滅多に学校に来ない噂の不良少女・清水。正反対の二人の逃避行の結末は(漠然と五体)。 少女と大人の狭間で揺れ動く5人の高校生。瑞々しくも切実な感情を切り取った連作短編集。 解説・井手上漠
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Posted by ブクログ
青春の濁った部分 ずるいの連鎖 勉強は未来への投資、部活は今の消費 揺れる電車の外側で、真っ暗な夏が死んでいる。車内から盛れる黄色の光が、青い空気に秋を灯した。
「愛されなくても別に」が好みだったので、こちらも購入しました。どの主人公にも、少しずつの共感を抱きました。自分自身の捻くれた考え方に罪悪感を感じながら読み進めると、各話最後には、そっと寄り添いつつ前を向かせてもらえます。青春真っ只中にいた時は言語化出来なかった感情を、大人になった今、再び振り返り、こ...続きを読むれからを生きる力を頂きました。
凄く好きな青春小説です!この方の作品は初めてでしたが、とても読みやすくて登場人物などに感情移入が出来てビックリしました!有名なシリーズものを書かれているらしいですが、こういう短編集ものももっと出してほしいくらい好きになりました!
致死量の、青春。 青春を青春たらしめる情動が、 無機質な自分に淡青な希望を否応なく突きつける。 甘酸っぱいってどんな味だっけ?
「姉みたいに、困ったときに助けてと言える人間になりたかった。努力していると思われたら恥ずかしいから、何でもできるような顔をして。自尊心の鎧で自分を覆っているうちに、気付けば頑張っている状態が当たり前だと思われるようになっていた。背伸びした分の私の努力は、私だけしか見ていない。幼い頃の側転と同じだ。成...続きを読む功することが当たり前だと思われているから、誰の記憶にも残っていない。」 ー側転と三夏ー 何でも要領よくこなせてしまうというのは羨ましい。いいなあって思う。...でも、本当にそうだろうか?人は誰しも無意識のうちに人に期待する。その期待に答え続けていくうちに、やがて当たり前のことになる。もしかしたら、努力して努力してやっと出来上がった作品かもしれないものを、「あなたのことだもん、できて当たり前よね」という態度を出されたら息が詰まる。このことから、「人に期待する」ということは残酷だなと。誰しもが「こうあるべき」と自分の中にある狭い価値観で相手を固定して、そこから道が逸れた途端に「裏切られた」と声を上げる。相手の見えない部分が見えただけなのに、それの何がいけないんだろう。勝手に期待して、勝手に失望したのはそちらじゃないか。「期待する」という言葉は呪いのようだと多々感じる。 そもそも、面接に向いた眼鏡とは何なのか。面接に向いた服装、面接に向いた髪型、面接に向いた言動。そんなものを求めた先に、一体何があるのだろう。生地からクッキーを作るみたいに人間を型で抜いて、はみ出た部分を切り捨てる。余った端切れをまとめて作り直すこともせず、商品にならない個性はごみ箱へと消えていく。 ー作戦と四角ー 自身の個性が矯正されてゆくような感覚を持ったことがある。少しでも道を踏み外すと、「変わっている人だ」「ちょっとおかしいよね」ってそんな言葉を投げかけられる。段々それが重荷になって、積もりに積もって背負いきれなくて「当たり前」に個性が潰されてゆくのだと思う。「漠然と五体」の主人公のように、世間一般の当たり前と調和できるのであれば、そのような生き方で全く問題は無いのだろうと思う。調和できても出来なくても、合わないなと感じるものからはそっと距離をとって、自分らしくいれる心地よい生き方が出来ればいいなぁとのんびり考える。 今回の作品は全体的に自身が感じたり考えたりしたことのある内容で共感できる部分が多かったなと感じた。「赤点と二万」の大学受験で使わない教科を一生懸命勉強して学校内テストで良い点をとる必要性はあるのかという疑問。「作戦と四角」の生き方について模索中の人間に対して悪気なく吐かれた「可哀想」という言葉。それをどういう意味で使ったのかと、言うタイミングによってはうんざりさせられることもある。同情というものに対して嫌悪を覚えることがある。恐ろしい武器だと感じる。
いい本だ。 一瞬安っぽそうな表現が多いと思ったが、感情を正確に捉えられているし、その感情に至るまでの出来事も自然に進められている。とてもしっかりした小説だった。 様々な感情が湧き上がってくる青春というジャンルを扱っていながら、物語ごとに1つのテーマが明確に定められているので読みやすかった。 大人...続きを読むの視点から冷静に読むとしょうもないただの高校生活の出来事が描かれているのに、感情移入が出来てしまった。 例えば、 「ブルーライトはもはや我々の親友であり、戦友だ。」 みたいな表現は、大人の視点ではしょうもないけれど、これに納得できるように描かれている。 作者の年齢は若いけれど、物語づくりの基礎は出来上がっているので、若者言葉の安直な表現でも感情移入できて、心を動かされた。
輝かしい高校生活をどのように思うかは、当事者でないとわからないですよね。ここに出てくる子たちは、みんな感性がみずみずしくて羨ましい。自分はどちらかというと、流れに流され、色々と諦め達観し、みたいな感じ(今考えてもイヤな奴だったな)だったので、純粋にいいなと思いました。とても面白かったです。
「赤点と二万」の辻脇さんの「推薦システムずるい」発言は、さすがに堪えました。…というのも、高校は推薦で入ったからです。あの頃は、確実に楽をしようとしていた。大学でも楽をしようしたところ、見事に失敗。とりあえず前に進みたくて、専門学校に進学。内定を蹴って就活をやり直し、大手保険会社に中途採用。けれど大...続きを読む学を諦めきれずに退職して通信制大学。散々迷って、何度も失敗して…… 高校生ならではの感性だからこそ、今の私に伝わるものがありました。
モラトリアム真っ最中なJK5人の話。自分らしさとか、人生についてとか、思春期に悩むようなこと。 自分は大学生で、このようなモラトリアム期間は終わりかけかな?大人になりつつあるかな?と考えていたが、この本を読んで、JK5人に共感の嵐。あぁ、自分もまだまだ青臭いガキンチョなんだなと感じた。 でも、そのこ...続きを読むとに気づけて良かった。 自分らしさとは、人生とは、多様な考え方、青臭い悩みをこれからゆっくりと消化していければいいなと思えた本でした。
2021/08/03 ユーフォニアムの作者の作品ということで読んでみた。 高校生の青春を題材にした内容が5篇に渡って描かれていて、それぞれの話の主人公が前の話の登場人物と何かしらの形で繋がってる形で主人公が移り変わっていく。 ただ青春って感じではなく、高校生なりに色々考えたり、苦悩したりする様子が丁...続きを読む寧に描かれている。 世の中に対して疑問や謎の怒り、反発心を持ち始める思春期特有のどうにも表現しづらい難しい感情や行動を丁寧に表現していてとても読みやすかったです。
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青い春を数えて
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武田綾乃
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