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「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。(対談・逢坂剛)
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Posted by ブクログ
伊与原新の短編6編+1編。 問題を抱えたり行き詰まったりの主人公たちが、様々な分野に詳しい人と出会います。 ・天体に詳しいタクシー運転手 ・雪の結晶を集める気象台の職員 ・博物館の元館長 ・温暖化を研究している兄 ・定食を食べに来る研究者 ・火山を研究する教員と学生 科学って、理路整然としたクー...続きを読むルなイメージがあるのですが、逆にそこに「心情や境遇に左右されない揺るぎない安心」みたいなものも感じるのかなぁと思ったり… どれも「この後いい方向に向かうといいな…」とじんわり感じられるラスト。雰囲気と読後感が好きです。
静かな人間ドラマの短編集です。 物語の奥にある“理系出身の作者ならではのエッセンス”が、じわりと効いてきます。 これがね、作品全体の透明感と説得力を底から支えていると思います。 登場人物たちは、特別な能力を持っているわけでもないし、劇的な事件が起こるわけでもない。むしろ、誰もが日常の中で抱えてい...続きを読むる小さな痛みや、言葉にしづらい後悔、そしてほんのわずかな希望を抱えて生きている。 伊予原さんは、その“人の心の揺れ”を、丁寧に拾い上げています。 だから詠み手は、気づけば登場人物の感情の軌道を、まるで自分のことのように追いかけてしまう。 特に印象的なのは、物語の構造そのものが“理系的な美しさ”を持っていること。 無駄がなく、過剰に飾らず、それでいて必要な温度だけは確実に残す。 まるで、余計なノイズを取り除いた後に残る純粋な信号みたいに、物語の核心だけが静かに胸に届くの。 そして短編それぞれが独立していながら、読後には不思議とひとつの大きなテーマに収束していく。 派手さはない。 だけど、静かに深く沁みてくる。 読んだあと、ふっと息をつきたくなるような余韻が残る。 そういう作品を探している人には、迷わずすすめたい一冊です。 (今回は、りき入った、 でもこれじゃ、なゲぇーわ)
好きなシーンに付箋をつけたところ、たくさんの付箋が必要だった。どの話もこころに刻まれるすてきなフレーズがいっぱいあって お気に入りの1冊になった。
心が疲れている時は一回人間関係から少し距離を置いてみると、今までとは違う角度から周りの人との関係を捉えられるようになるというのは、実感としても感じたことはあるので、読んでいて心が落ち着く話が多かったです。 現実に向き合いすぎないためにも、現実から少し逃避する手段やきっかけが大切だなと思いました。
「宙わたる教室」の著書。 理系の話がたくさん出てきますが、分かりやすい文章で読みやすいです。人の心の温かさも感じられます。
月とか星とか宇宙のお話が好きなので私にはとってもピッタリでした!科学の話になると途端に難しくなりますが、とっても読みやすかったです。 じわじわ心があったかくなって、前を向けそうなお話が多くて、ベッドサイド本にぴったりです。 ミステリー作家さんなのを知らなくて、確かに所々ミステリーぽさがあったのはその...続きを読むわけか!と思いました。
宇宙という広い世界を知っているからこそ、人の心の機微をこのように優しく、あたたかく描写できるのだろうか。
初めての伊予原作品。 理系学者の先生らしい緻密な構成で、安心して読める。 心が凪ぐ。 優しい物語だ。
短いですが、どれも心がほっこりしました。 個人的にはこの6編の順番も良かったと思い、山を刻むを読み終えて、この本の、作者の雰囲気や心の穏やかさを感じ、その必要性を再認識できたように思います
直木賞を受賞された作家さんというところが気になって本を手に取りました。好きなお話は「星六花」と「山を刻む」です。とても綺麗なお話だと思いました。もともと理系の方だからかは分かりませんが、月とか自然とか、そういった大きなものの表現の仕方がとても美しいと感じました。別の作品も読んでみたいです。
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