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「雨は、なぜ降るのだろう」。少女時代に雨の原理に素朴な疑問を抱いて、戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代から、科学の道を志した猿橋勝子。戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげた。その生涯にわたる科学への情熱をよみがえらせる長篇小説。
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Posted by ブクログ
理系小説の第一人者である伊与原氏の直木賞受賞後 の一冊目の作品です。 自然科学分野の女性科学者を表彰する「猿橋賞」を 創設した、女性科学者の先達として道を切り拓いた 猿橋勝子氏の生涯が描かれています。 戦後、超大国が核兵器装備を進める中、核実験に よる大気汚染を正確な実験データに基に、超大国 を...続きを読む相手に戦う姿勢に感動を覚えます。 科学の分野では日本は世界レベルにあると言って いいのでしょう。 その陰にはこのような先人たちの努力があったから こそなのだと、改めて尊敬の念を抱かずにはいられ ない一冊です。
日本女性科学者の草分け的存在・猿橋勝子さんの 伝記を読んでいるような気分。 戦争が日常と隣り合わせで描かれていて、改めて「平和」や「科学」というものに考えや思いを巡らせる読書でもありました。 アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」の分析など、女性が科学の世界で生きることが難しい時代に、放射能汚...続きを読む染の研究をされていた猿橋さん。 今の暮らしがあるのは、こうして様々な分野で活躍する科学者がいてこそなんだろうな……。 疑問を解き明かしたり、暮らしを豊かにするはずの科学技術が、誰かを苦しめるために使われるなんて悲しいし愚行としか言いようがない。 今も当たり前の日常に歓喜する人々の描写には、ハッとさせられました。 戦争が、私たちからどれほどの日常を奪っていったのかは計り知れない。 猿橋さんのどんな逆境でも立ち上がり、向かっていく不屈の精神と行動力が素敵。 言葉から熱が伝わってくる彼女の演説には痺れました! 世界に大きな影響をもたらした猿橋勝子という女性の人生を、共に駆け抜けたよう。 この本を読めて良かった。朝ドラで見てみたい作品です。 『核兵器とそれのもたらす災害について、誰よりよく理解しているのは我々科学者であり、科学者には等しくそれを全人類に伝える義務があります。科学者のもっとも尊い職務は今や、人類の幸福と平和に貢献することであり、科学を人間の殺戮と文明の破壊に使わせないことなのです』
読み応えある一冊!分析法とか少々難しいところもあったけど全く嫌悪感なく読めた。こうした面から科学をみれたらもうちょっとたのしめたのかな。
猿橋勝子さんをこのお話を読んで初めて知りました。女性が科学者として戦中戦後を生きていくのは、とても大変な時代に、その先駆者として生きてこられた姿は素晴らしいなと思いました。三宅博士との出会いが猿橋さんの人生に与えたものは大きかったんだろうなと思います。良き師に出会える大切さを改めて感じました。
一部に架空の人物・出来事が含まれているとは言え、ほぼノンフィクションの作品。 世界大戦前後の話なので、湯川秀樹・仁科芳雄といった有名どころも登場する。 猿橋勝子さんが生きた時代背景や、人となりがよく描かれている。 「翠雨」とは新緑の季節、初夏から梅雨にかけて降る雨で、強く降る雨ではなく、大地や葉を...続きを読む優しく濡らす、しっとりとした雨のこと。 夏の季語としても使われる言葉だそうだ。 自分の周りには空気しかなくて、その空気は空まで続いている。 空気しかないはずの空から雨という水が落ちてくる。 このことが不思議で空を見つめてしまう。 猿橋勝子さんは、こういう人だから「翠雨の人」 B29による空襲が民家にまで広がり、広島・長崎に原爆が落とされ、何も罪のない人々が死んでいく。 国のためなら自分の命と引き換えることは美徳という愛国主義が支配している日本。 本書の前半は、戦争が終わるまでの時期で、猿橋勝子さんが学生時代や新入社員の時にどのように生きてきたかの話。 後半は、戦争が終わっても核実験をやめない世界に対して、放射能の地球への影響を測定し、データで示すことで核の危険性を発信する話。 軍国主義、男尊女卑、敗戦国としての復興処理、猿橋勝子さんを通して抑圧された悲惨な日本の姿が想像できます。 常に不利な状況にいながら、活路を見出し結果を残していく猿橋さんの生き方に敬服します。 この本は猿橋勝子という女性科学者の伝記なのですが、扱う事象が核兵器がもたらす放射線であり、戦争と密接に繋がっています。 核兵器を持っていれば、戦争になっても自国の安全は守られる、とか、攻撃を踏み留ませる抑止力になる、という人がいます。 この考えは、いざという時は「核兵器を使う」ことが前提なので賛成できません。 戦争になった時に有利に戦いを進めるために科学技術を磨くという一面は確かにあります。 気合と根性の精神論で戦っていた日本が、科学技術と戦略を駆使したアメリカに負けることは自明でした。 今の世界を見ていると、科学技術の進歩が戦争の方法を変えていることは事実です。 ですが、科学技術の進歩が戦争の必要がない社会作りに貢献することを切に願います。
女性科学者猿橋勝子さんの生涯を描いたフィクション リズム良く進み「虎に翼」などの朝ドラをイメージしながら時代を切り開く勝子先生にワクワクしながら読む 最終章、それまでの勝子先生の集大成のような出来事には何度も目頭が熱くなった これは女子中高生たちに読んでもらいたい! 娘たちにも大きくなったら勧めたい...続きを読む1冊 平塚らいてうのボス感がものすごい きっと女性として許せないことや嫌なことが数え切れないほどあったと思うけど、そこには触れずに勝子先生の優秀さや信念をメインに進むのでさわやかな読後感
地球科学者、猿橋勝子の伝記的小説。太平洋戦争での原爆投下から、第五福竜丸事件など、を化学者の立場で放射能の影響を明らかにしていく。 また女性科学者の地位向上にも努めた人。 猿橋賞、はどこかで聞き覚えがあったが、何をした人かは初めて知った。著者の科学者としての知識と、小説家としての巧みさがあって書かれ...続きを読むた物語だな、と思う。 今まで何度も、聞いてよく知っていると思っていた原水爆のあれこれについて、もう一度学ぶ、深く心に刻まれた。
直木賞受賞第一作との帯、 表紙の絵とタイトルに惹かれて購入 表紙、タイトルのイメージとは いい意味で全く違う激しいお話だった 激しいと言っても アクション、出来事がではなく 主人公の内面が 場面転換が映画みたいで ストーリーとしては朝ドラのような… いずれにしても 近いうちに映像化されそう ...続きを読む
伊与原さんの新作です お恥ずかしい話ですが、本作で初めて猿橋勝子さんのことを知りました 猿橋さんは日本の女性科学者の草分けで、優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」の創始者として知られています。 猿橋さんの学生時代から研究の道へと進むところから、戦時中の研究、戦後の放射線汚染の調査を行い...続きを読む核実験の危険性を訴え続ける様が描かれています 実話を元にしたフィクションとありますが、すごい参考文献の数で、いかに伊与原さんがこの作品と、猿橋さんと向き合ってきたかがわかります。 女は大学に行くのも許されない時代に、科学者として生きていくことにどれほど苦労があったか、、、 それでも生涯をかけて研究を続けていかれた姿に感服しました。 研究内容や実験については、専門的な話も多いのですが、専門用語がよくわからなくても伝わってくるものがあり、アメリカとの対決の場面は胸が熱くなりました。 日本人で、女で、ひとりで、ただひたすらに、コツコツと研究を続ける姿が美しくもありました。 時代背景も含め、なんだか朝ドラを見ているような気持ちがしました(*´꒳`*) 猿橋さんの師でもある三宅の存在が大きく、その一言の重さを感じます。 特に戦時中、誰も日本の勝利を疑ってない学生たちについて 『国の教育としては成功 科学教育としては失敗』 という言葉が印象的でした 雨が好きだという猿橋さん。 幼い頃、何もない空から雨が降ってくるのを不思議に思い、ずっと空を眺めていたそうです 『気になる』から『やりたい!』に変わっていく。 『好き』ってすごいパワーですよね 子どもの『好き』を伸ばせるように 接していきたいと思いました(^^) あっという間に11月も終わろうとしてますね。 毎年思いますが、この時期くらいから急に忙しくなりません?? 師走とはよく言ったものです(・_・; (まだ12月じゃないけど) あっという間に今年も終わりそうですね〜(´∀`)
雨にも色々な呼び名があります。 この本のタイトルの「翠雨」とは、どんな雨なんだろうと思い、調べてみました。新緑の季節に降る、木々の青葉を濡らす雨のことで、夏の季語でした。雨が葉の緑色を翡翠のように美しく見せる情景が思い浮かぶ言葉でした。 主人公の猿橋勝子は、大正九年生まれ。彼女は、雨はどこから降る...続きを読むのだろうと疑問をもつ子どもでした。家族の後押しと自分の納得できる場所を求めて、帝国女子理学専門学校へ行くことになりました。結果的にこの事が彼女の人生を決めたことになりました。 始めは気象研究所に派遣され、研究者として歩んだ彼女は、微量分析の達人と呼ばれ、第五福竜丸事件や原水爆実験による放射能汚染の調査、単身アメリカへ渡っての相互検定などをこなしました。研究に向き合う真摯な姿勢が書かれていました。 一人の自立した女性としての彼女の生き方に背筋が延びる思いがしました。『翠雨の人』というタイトルがぴったりの女性だと思いました。 日々研究に励んだ猿橋勝子さんのことが、この本でより多くの人に知られることを願います。私のように科学の知識がなくても大丈夫。読みやすいです。
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