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東京から深澤が転校してきて、何もかもおかしくなった。壮多は怪我で「鹿踊り部」のメンバーを外され、幼馴染みの七夏は突然姿を消した。そんな中、壮多は深澤と先輩の三人で宮沢賢治ゆかりの地を巡る自転車旅に出る。花巻から早池峰山、種山高原と走り抜け、三陸を回り岩手山、八幡平へ。僕たちの「答え」はその道の先に見つかるだろうか。「青」のきらめきを一瞬の夏に描く傑作。
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Posted by ブクログ
出だしの掴みと章の変わり目の場面の変化があるから全然飽きない。旅する後半なんか最初に工程出してるからわかるのがどんな作用するのかな〜と思ったけども上手ですね。そして最後の謎解きの数々がまた入ってくるし、答えが出た感じが凄くする。深澤は全く悪くないし、七夏の謎解きかなと思ったら壮太の事だったとか、2人...続きを読むは子供の頃出会い繋がっている所が良いです。何より土台に宮沢賢治の銀河鉄道の夜を置くのがワクワクする。地学でも文学でも天体観測でも宮沢賢治が探せるという、地元でも知らない世界、4回も書き換えられた事実も斬新な。
圧巻。伊予原先生の理科的な見識を活かした作家性と、銀河鉄道の夜の世界観、そして等身大の高校生らしい青春の要素が上手く合わさって、独自の世界観になっている。中心になっているのは銀河鉄道の夜だけれど、他の作品にもスポットが当てられて、モチーフとして作中に散りばめられているのが面白い。これは賢治好きにはた...続きを読むまらないだろう。読後感も爽やかで、彼らのこれからに希望を持てるような物語でした。
『「はい、『銀河鉄道の夜』の――」「ジョバンニとカムパネルラが、白鳥の停車場で途中下車して、銀河の河原に行く。それが、プリオシン海岸。そこで化石採りの学者たちと出会うわけです」』 空想上の、ただし明らかにモデルとなる実在の高校がある、「花巻農芸高校」の地学部に集まった高校生たちの「銀河鉄道の夜」の...続きを読む舞台となった場所を探る旅は、不思議な転校生の秘かな想いや幼馴染の男女の過去の物語と錯綜しつつミステリー風に展開する。舞台となる花巻や細かなエピソードのあれこれが宮澤賢治の世界を指し示すものばかりであることからも、作家の宮澤賢治に対する熱量が伝わってくる。とは言え、物語そのものはどこか瀬尾まいこの書きそうな青春群像劇。若い主人公たちの言葉はどれも直球でひねたところがない。それ故、謎解きの仕掛けは上手いと思うものの、その舞台上で踊る登場人物たちが演技をしているようだ。だが、そのストレートな語り口が賢治への文学へオマージュとしては必要な要素だったのかも知れないとも思う。 「銀河鉄道の夜」は詳細を覚えていない程昔に読んだので改めて読み返してみた。大人になって(多少、地学の基礎知識も備えて)読むと、色々と気付くこともあるものだと感じる。星座の順番や、橄欖石の輝き。宮澤賢治がそれらに観ていた何かを少しだけ身近に感じることもできる。そしてそんな科学的な知識を身に付けていた人が同時に如何にロマンチストであったかも。もちろん、賢治は当時としては最新の科学を学び実学に生かそうとしたプラグマチストでもあった筈だけれど。 賢治も学んだであろう地球科学は、目の前の対象となる岩石なり地層なりを眺めて、その成因を探し当てることを目的とする。地層の同定だけでなく、化学分析や年代測定、あるいは岩石の組織的特徴や構成物の分析など一応科学的なデータを手掛かりにするとはいえ、物理や化学のように実験で再現することは出来ない現象を相手にする為、タイムマシンで過去に戻って観察することが叶わない以上、所詮それは想像、そう言って悪ければ推理の結果でしかない。最終値から逆算できる初期値は一つに定まらないのが一般的なのと同様、成因は判明したように見えても現実には幾つもの想定の上に立脚する。だからだろうか、地球科学を専らとする人にはロマンチストが多いような気がしてならない。そしてそれは賢治同様にこの「青ノ果テ」の作者にもまた当てはまることのように思う。その多少センチメンタルな色彩が物語全体を覆い包む。 そう言えば社会人になってからいつの間にプリオシン(Pliocene)とは言わなくなった。新第三紀最後の地質時代区分、漸新世。賢治の時代まで戻るまでもなく大学の講義でもそう呼び習わしていたし、ひょっとしたら今でも? しかし英語では少なくともプライオシンと発音する。ギリシャ語のpleion(=more)とkainos(=new)が語源となっているらしいので、やはりiはアイと発音するものだろう。初めてイギリス人と地質の話をした時に通じなかった記憶が蘇る。ただし、日本人の苦手とする無声子音の発音が曖昧だと次の地質時代区分である第四紀の最初の時代であるプライストシン(Pleistncene)と混同しそうにはなるね。
素敵な作品でした。じわじわと感動が広がって、涙が出そうになりました。 地元岩手なのに、まだまだ知らないことがたくさんあって、賢治先生のこともっともっと知りたい!! と思いました
レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』、山田正紀さんの『カムパネルラ』を読んだばかりだったので、繋がりがある部分もあって面白く読めました。 花巻農芸高校に東京から深澤北斗が転校してきます。 高校二年の江口壮多は幼なじみの佐倉七夏のフルネームを深澤が知っ...続きを読むていることを不審に思います。 怪我で、「鹿踊り部」のメンバーを外れた壮多は深澤と先輩の三井寺、一年生の川端文緒らのおこした地学部に入ることにして、その夏、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に沿って賢治ゆかりの地を自転車で巡る、巡検に出ることになります。 花巻から、早池峰山、穂山高原、三陸を廻り、岩手山、八幡平へ。 一方、七夏とは連絡が取れなくなり、行方不明です。 なぜ七夏は姿を消したのか? 七夏と深澤との関係は一体何なのか。 七夏からは一度だけ連絡が入ります。 <わたし青の果てがどんな色か、わかった気がする。でもわたしにそれが描けるかどうかわからない> 巡検で深澤は「『銀河鉄道の夜』だけは特別なんだ。特別に嫌いなんだよ。カムパネルラが、川で溺れ死んだあとジョバンニは大急ぎで家に帰ったんだよ。親友のカムパネルラが ついさっき 川で死んだのに だぞ」 と意味深なことを言います。 そして、最後は思いもかけなかったラストがあります。 巡検の旅は、壮多にとって七夏のための旅でもありましたが、自分自身のための旅だったのです。
岩手県人はもちろんだけど、星好き、宮沢賢治好き、鉱物好き、登山好き、いろんな人が楽しめるストーリーだった。 薄々深澤が花巻に来た理由は分かったけど、荘多の地下鉄の記憶がこうつながるのか…!とグッときた。 深澤のアルバイト先のバーガーショップもわざわざ店名を出す理由があったのも納得。七夏の行動力が尋常...続きを読むじゃなかった。 あと三井寺先輩の3つ目の夢を知って、やるせなさに悶えてる。でも彼は自分の道を自ら切り拓いていく人だと思う。学びの方法も夢を実現する方法も一つではないことを知っている三井寺先輩にエールを送りたい。 ぜひ岩手で撮影して欲しい。
青春小説であり、ミステリーであり、宮澤賢治の考察でもある。 すべてが好きな自分にとっては、とてつもなくワクワクドキドキできる小説だった。 宮澤賢治の世界を、精神世界から読み解くのではなく、科学的に読み解くこともまた、宮澤賢治の世界を理解する上で大切なんだと感じる。
高校生たちが抱える、将来や家族への思いや不安。何を目印に進めばよいのかもわからない、寄る辺ない感じ。 そして、顧問の先生や旅先で出会う大人たちが、彼らにそっと差しのべる手の温かさ… うまいなぁ…。 後半は特に引き込まれました。 宮沢賢治の作品は、好きではないのに、気になって何度も読んでいます。賢治作...続きを読む品の解釈が作中に何度も出てきます。知らなかったこと、共感する部分などもあって、二重で楽しめました。 地学って以外に幅広い‼️
地学部の生徒から推薦されて読みました。たしかに「地学」の要素が全くないわけではありませんが、むしろ高校生の夏休みの冒険旅行と、その過程での成長を描いた青春小説として楽しむことができる作品だと感じます。 著者は、少し前に別の生徒から『月まで三キロ』を勧められて、短編集ながらその巧みな心情描写や舞台設...続きを読む定に感心した記憶がありますが、その雰囲気を長編小説でも味わうことができました。 男三人、夏休みに自転車で巡検の旅行というのはなかなか実現することは難しそうですが、「ザ・青春」という感じがして素直に羨ましく感じました。
ちょくちょく岩手には行くので地名が出てくる度にちょっと親近感。ああ、あそこもイーハトーブだったのか。 カムパネルラはジョバンニを連れて行きたかったのか。ジョバンニにとってはそれよりも父親だったのか。
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