【感想・ネタバレ】青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)のレビュー

あらすじ

東京から深澤が転校してきて、何もかもおかしくなった。壮多は怪我で「鹿踊り部」のメンバーを外され、幼馴染みの七夏は突然姿を消した。そんな中、壮多は深澤と先輩の三人で宮沢賢治ゆかりの地を巡る自転車旅に出る。花巻から早池峰山、種山高原と走り抜け、三陸を回り岩手山、八幡平へ。僕たちの「答え」はその道の先に見つかるだろうか。「青」のきらめきを一瞬の夏に描く傑作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

花巻農芸高校という、宮沢賢治が教えた学校をモデルにした物語。深澤という転校生はなぜ花巻に来たのか、主人公壮太の幼なじみ、七夏を知っているのか、地学部に入って何がしたいのか。

高校生にしては宮沢賢治や地学に知識がありすぎる三井寺や文緒という脇役に助けられながら謎解きが始まる。七夏はどこかに行ってしまい、壮太は怪我で鹿踊りのレギュラーからハズれ、才能ある他の部員の存在に怯える。自分には鹿踊りしかないのか、花巻に残るという選択肢しかないのか。そんな中、イーハトーブとはどこか、銀河鉄道の夜の舞台はどこか、地学部3人の巡見の旅が始まる。

個人的には三井寺部長が、伊与原作品での舞台回し役である博学オタクで、読んでいて安心する。高校生とは思えない落ち着き、実は車椅子の弟がいて、自分が自由に石掘りをしていることに少し罪悪感を抱いているけれど常に笑顔という、なんと素敵なキャラ。

物語は、ジョバンニとカンパネルラ、ザネリのその後を想像させるような設定で胸が詰まるが、どんな人もザネリにもカンパネルラにもなりえる、そこをどう納得して生きていくか。なくなってしまった人の記憶が薄れる時に自分も記憶と再度思い出したときの記憶ともうごちゃ混ぜになって何が真実だったか、声はどんなだったか思い出せないと思う時があるが、その記憶を覚えていない人にとってそのなくなった人の存在を確かめる方法はあるのか。そんな切ない足掻きも描かれていた。また地方に住まう高校生としての虚いというか、いつか都会に出るのか、自分はここに残るのかという決断を高校で決めなければいけないというところに同じ地方のものとして共感しつつ、鹿踊りという心の拠り所を再発見できた壮太が羨ましくもあった。

0
2025年11月22日

Posted by ブクログ

せっかく書いた感想が全て消えたので、諦めて。
面白かったです。
「銀河鉄道の夜」って異稿があるんだな。
高校生っていいな。
「青の果て」の色をわたしも見たことがある。
ここで知った地学的な知識や宮沢賢治の書物の知識がわたしの中では、すごく興奮するものだった。
など、読書の醍醐味を感じさせてもらいました。

0
2025年10月12日

Posted by ブクログ

個人的に今まで読んだ本で最高の一冊。
宮沢賢治の作品に出る“イーハトーブ”がどこか。
それを高校生達が旅で辿る話。「銀河鉄道の夜」の内容が頻出するので、銀河鉄道の夜を読んだばかりだったのが、作品を理解するのにはかなりのアドバンテージでした。

そして、地元岩手が作品の舞台のため、出てくる地名も分かるし、後半のクライマックスシーンの登山の場面も登ったことのある山だし。
土地勘は無くてもいいだろうけど、「銀河鉄道の夜」は読んでからが一番いいですね。

銀河鉄道の夜を読み、その中で「あれってどういうこと?」と言う疑問を感じていた人には、その解釈の一つが書かれていて、最高に楽しめた一冊でした。
伊与原新さん、最高!と思えた一冊でした。

0
2025年09月29日

Posted by ブクログ

初めましての作家さんですが、ブグログ内では高評価の作品が多いようですね。
まずは学園(!?)ものから。

舞台は岩手県
登場人物は花巻農芸高校、地学部の生徒たち
彼らが宮沢賢治のゆかりの地(主に銀河鉄道の夜)を自転車で巡る旅に出る。
その様子が描かれる中で、高校生ならではの心の揺れがとても良く伝わってきた。

とにかく宮沢賢治の事が物凄く詳しく書かれていて、詳しく知らない私としては、そこは少しだらけて読んでしまったような。(申し訳ない)
でも、地学部の鉱物採取のところはちょっぴり興味を持って読めました。
いずれにしても、この2つのことに関しての情報量が多くて、とても良く調べられて書かれているのだなと感心しました。
それだけに私自身がもっと本の内容が理解できて楽しめるくらい、宮沢賢治と鉱物について知識があったら良かったのにと思いました。
少しだらけて読みましたが、高校生のひと夏の青春物語としては、とても力強くて素晴らしい作品だと思いました。

0
2025年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この前の直木賞の作家さんの、
岩手が舞台で、宮沢賢治の地学がテーマの作品

花巻、遠野、宮古、区界、小岩井、八幡平を巡って真のイーハトーブを探す巡検旅行

賢治作品の舞台が次々と出てきて
高校で勉強した地学も盛り沢山だった
賢治最高

0
2025年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宮沢賢治に対するオマージュ的作品。東京から深澤が転校してきて、花巻農芸高校に地学部が立ち上がる。八月に巡検( 学術研究のための実地調査)を企画していると七海が学校にこなくなる。七海になにがあったのか、深澤は何を隠しているのか。七海の幼馴染の壮多の視点で語られてゆく青春ミステリ。文学と地学の融合、そしてファンタジー。めがね橋を渡る釜石線に銀河鉄道を重ね合わせ七海の姿を無意識に探しているシーンは特にそういう描写がないにも関わらず頭の中に想起された。そして七海が描きかけの絵の空の色「青」の解釈が印象的でした。

0
2025年01月29日

Posted by ブクログ

NHKドラマ宙わたる教室に影響を受けて他の伊与原新さんの作品を読みたくて何冊かまとめて購入しました。
その中でも1番好みの作品です。
宮沢賢治の世界観、青春ストーリーとが上手く掛け合っていて、岩手へ旅したい!と思わせる作品でした。
Audibleにもあるので、ながら聞きもおすすめです。

0
2025年01月07日

Posted by ブクログ

出だしの掴みと章の変わり目の場面の変化があるから全然飽きない。旅する後半なんか最初に工程出してるからわかるのがどんな作用するのかな〜と思ったけども上手ですね。そして最後の謎解きの数々がまた入ってくるし、答えが出た感じが凄くする。深澤は全く悪くないし、七夏の謎解きかなと思ったら壮太の事だったとか、2人は子供の頃出会い繋がっている所が良いです。何より土台に宮沢賢治の銀河鉄道の夜を置くのがワクワクする。地学でも文学でも天体観測でも宮沢賢治が探せるという、地元でも知らない世界、4回も書き換えられた事実も斬新な。

0
2024年11月05日

Posted by ブクログ

伊与原新さんの学園青春ドラマですね。
宮沢賢治のオマージュ作品でもあります。
もちろん、伊与原新さんですから、科学も絡んで物語を面白くしてくれています。
 宮沢賢治が教鞭をとった花巻農学校を前身とする「岩手県立花巻農業高等学校」をモデルとする「花巻農芸高校」が舞台になります。ですから、随所に宮沢賢治の話が盛り込まれて物語は構成されています。

 二年生の壮多と七夏の教室に深澤北斗が転校してくる。そして、ひょんな事から宮沢賢治の作品のイギリス海岸のモデルになった場所を案内することになった。
 目的地に行くと、三年生の三井寺と出会った。三井寺は化石の発掘をしていたのだが、実は地学部という部活を立ち上げようと部員を募集中だったのだ。
 さらに、深澤はその事を知っていてイギリス海岸を七夏と壮多をさそってやって来たようだ。
 話の流れで、七夏と壮多も地学部に入部することになる。同時に今年赴任してきた国語の教師の芳本が顧問になってくれる事になり、その芳本先生のクラスの一年生の川端文緒が入部することになる。
 文緒は宮沢賢治の研究もしていて、文芸部を作りたかったのだか、人数が揃わず断念していた。
 こうして、部を立ち上げる人数が揃って地学部の活動が始まる。
 夏休みを利用して宮沢賢治のイーハトーブが何処にあるか探索をすることになる。
 だが、どうした訳か、七夏が突然姿を消す。
 どうやら、深澤が関係しているようだが、その謎を解くためにも、壮多は、深澤と三井寺と三人で自転車でイーハトーブ探索の旅にでる。

 宮沢賢治の作品が次々に出てきて、登場人物達が、作品の中に出てくる場所や物語を考察するのが愉快ですね。
 なんといっても、終盤に深澤の転校とイーハトーブ探索の目的と秘話が明かされる。それは、七夏失踪の謎解きと結び付いていくのが、感動を呼びます。

 伊与原新さんの作品の傾向が、この作品から変わってきているのを感じられます。
 「月まで三キロ」にみられる、人情味あふれる人間模様を科学を絡めて描き出す手法ですね。
 ますます面白くなる伊与原新さんにワクワクです♪

0
2025年11月01日

Posted by ブクログ

 花巻の高校生たちが立ち上げた地学部。
 主人公の江口壮多を含めたメンバーは夏休みを利用し宮沢賢治のイーハトーブを求めて巡検の旅に出る。
 訳ありの転校生深澤の悲しい過去や七夏の思い。
 「銀河鉄道の夜」になぞらえた深くて神秘的な作品だった。「銀河鉄道の夜」に異稿があるとは今まで知らずにいたので、ぜひ読んでみたい。
 日の入りから夜へ向かう空の青の深さの描写には心惹かれた。

 宮沢賢治をここまで惹きつけるような作品を描ける伊与原さんは、現代の宮沢賢治に匹敵するのではないだろうか。

0
2025年10月31日

Posted by ブクログ

宮沢賢治の
イーハトーヴは架空の理想郷に、郷里の岩手県をモチーフとしている

更に銀河鉄道の夜をなぞるストーリー展開
そして北上川(イギリス海岸)、岩手山や雫石駅など風景など重ね合わせるとより感情移入します。

鹿踊り部の存在など、知る事、没入度が上がり
日記とラストシーンは銀河鉄道の夜とリンクして感動の涙!

岩手で宮沢賢治の聖地巡礼や鹿踊りを見たくなる
是非読む前に銀河鉄道でを予習して下さい

0
2025年09月23日

Posted by ブクログ

物語のテーマは「宮沢賢治」。宮沢賢治の詩や物語がどこで書かれたかを高校生の地学部メンバーが考察していくミステリー仕立てな展開が面白い。賢治の「銀河鉄道の夜」に4種類の原稿があり、「カムパネルラが死なない」バージョンがあることもこの作品で初めて知り、宮沢賢治作品を改めて読んでみたくなった。作中に登場する岩手の賢治由来の場所も、一度訪れてみたい。高校時代にこういう青春したかったな

0
2025年09月06日

Posted by ブクログ

前半ちょっと主人公たちがめんどくさいなと、イマイチ入りきれなかったが、巡検が始まってから面白くなった。この春にイギリス海岸行ったし、なんか嬉しい。銀河鉄道の夜、ちゃんと読んだことあるやろか?

0
2025年08月14日

Posted by ブクログ

この夏、ハマってしまった伊与原新さん(*´︶`*)
6冊目になりました。(本屋さんに行っては買い足していて、最新刊も含めあと5冊積んでいます。幸せです。(*´ω`*))

こちらの作品は、新潮文庫nexからの出版になりますので、若い方にお薦めしたいですね。高校生の夏休みこの本に出会えたら、記憶に残る読書体験になると思います。ぜひぜひ、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も側に置いて、愉しまれてください。(読書好きの中学生や小学校高学年の方にもおすすめしたいですね。(*´︶`*))

タイトルの『青ノ果テ』、
サブタイトルの『花巻農芸高校地学部の夏』。
ーわたし、今回は童話の世界じゃなくて、賢治先生が見ていた風景を描きたいんだよー。と言っていた七夏は、美術室に描きかけの絵を残していなくなります。ー青がね、決まらないの。夜なりかけの空の青がー。ーカムパネルラが死なない世界ー。
序章でキーワードが語られています。本編を読み進めるとそれぞれの過去が結びつき、徐々に紐解かれていきます。

青春、熱を持つ程の思い、絵を描くこと、鉱物、化石、星座、文学(宮沢賢治)、地元の伝統の踊り(鹿踊り)等、心を揺さぶられるものに出会えるといいですね。皆さんの母世代(より少しだけ?上かな、笑)の私も愉しい読書の時間でした。皆さんにとって良い本との出会になりますように。(*´︶`*)

0
2025年08月11日

Posted by ブクログ

高校生たちの部活動を通じて、宮沢賢治の物語と、その生きた時代を検証する。科学のトピックが小気味良く、山の描写も美しい。秘密を抱えた若者同士が少しずつ絆を深め、みずみずしい青春の描写に適度にハマる。

0
2025年06月15日

Posted by ブクログ

宮沢賢治ゆかりの地を巡る青春小説。果たして深澤と七夏の関係は?
読みながら訪問地を調べるのが良い作品てす。
銀河鉄道の夜を初め、複数の宮沢賢治作品が出ます。

0
2025年05月27日

Posted by ブクログ

終盤のふたりの会話が良かった。前半は子どもっぽい話でいま一つかなと思っていましたが、読み終わると深いため息でした。宮沢賢治、岩手、登山、自転車に会津若松と富良野まで、好きなもの勢揃い。今回は地学部が主人公とは言え文科系が色濃く出たストーリーでしたが、ちりばめた伏線が複雑でやっぱり論理的です。まだまだ伊予原さんの本が続きます。

0
2025年05月01日

Posted by ブクログ

昨日読み終わったが、まだ余韻に浸っている。
消えた少女が気になりつつも、それだけではないものが詰まっている。


青春だが、キャッキャウフフする話ではない。
けれど、少年の銀河のきらめきが、深い地層に眠っているような気もする。
同時に地学の面白さも垣間見れる。

地学と岩手と宮沢賢治とどれもよく知らない私でも、こんなに余韻に浸れるのだから、どれか一つでも好きだったら、とてもとても面白いのではないか。

0
2025年03月11日

Posted by ブクログ

伊予原さん、3作目
今作は、賢治ファンにはたまらない。
宮沢賢治と花巻と地学と星と青春と
見どころたくさん

0
2025年02月22日

Posted by ブクログ

宮沢賢治作品を緻密に読みたいな、再読すると印象が変わるだろうな、と感じさせられた作品。高校生だからできることにうらやましさを感じながら読みました。生まれ故郷の郷土の伝統や、先人の残したもの、実際に言葉を交わすことがかなわぬ人への想いもあふれていて、ぐいぐい読みました。人との関係、自分の心の内、納得できないものへの反発、そして、知りたいと思う気持ち、いろんな感情も感じさせてくれます。

0
2024年12月13日

Posted by ブクログ

高校生たちが抱える、将来や家族への思いや不安。何を目印に進めばよいのかもわからない、寄る辺ない感じ。
そして、顧問の先生や旅先で出会う大人たちが、彼らにそっと差しのべる手の温かさ…
うまいなぁ…。
後半は特に引き込まれました。
宮沢賢治の作品は、好きではないのに、気になって何度も読んでいます。賢治作品の解釈が作中に何度も出てきます。知らなかったこと、共感する部分などもあって、二重で楽しめました。
地学って以外に幅広い‼️

0
2024年07月07日

Posted by ブクログ

地学部の生徒から推薦されて読みました。たしかに「地学」の要素が全くないわけではありませんが、むしろ高校生の夏休みの冒険旅行と、その過程での成長を描いた青春小説として楽しむことができる作品だと感じます。

著者は、少し前に別の生徒から『月まで三キロ』を勧められて、短編集ながらその巧みな心情描写や舞台設定に感心した記憶がありますが、その雰囲気を長編小説でも味わうことができました。

男三人、夏休みに自転車で巡検の旅行というのはなかなか実現することは難しそうですが、「ザ・青春」という感じがして素直に羨ましく感じました。

0
2024年03月21日

Posted by ブクログ

オーディブルで聴きました。岩手の人は皆、宮沢賢治のことを宮沢賢治先生と呼ぶのだろうか。そしてどれくらいの人が彼の作品をどれくらい読んでいるのか調査してほしい。他の県に比べてやたらと多そう。

「銀河鉄道の父」を読んでいたので、賢治先生をまるで聖人のように話す高校生に、あなたたち、賢治先生がどれだけしょうもない面を持っていたか(ほぼしょうもない面だらけ)知っていますか?と聞きたい。知ってます、その上で、いや、それだから先生が好きなのです、という人もたくさんいそう。

それはそれとして、このお話は、青春謳歌小説ど真ん中過ぎて、ちょっと引いてしまった。皆、それぞれに夢中になれるものを持っていて、いい子たちで、それぞれに悩みも抱えていて、それでも友人を思いやって⋯って。。先生でさえいい人。理想郷か。羨ましい。

偶然にも程があると思えることも多々あるけれど、いいお話だった。

0
2025年10月30日

Posted by ブクログ

なんかバタバタしていて一冊読み終えるのにえらく時間が掛かってしまった。

宮沢賢治が教鞭をとった学校を思わす花巻農芸高校に通う2年生の壮多と幼馴染の同級生・七夏。ある日、東京から転校生の深澤がやってきたことで、これまでの日常が変わりだす。
以前から七夏のことを知っているような深澤、急に学校に来なくなった七夏、心配する壮多に不自然な対応をする七夏の母、話の途中から挟まれだした謎の日記、そうした曰くありげな展開に、壮多も深澤も参加することになった地学部の活動が絡まる。
ミステリーっぽい話に賢治ゆかりの地を巡る旅とは面白そうな題材だったが、私には少し消化不良。

ここに挙げられた「イーハトーブ」や「銀河鉄道の夜」に関する考察は物語にもよく馴染んでいたと思えるが、9年前に一回こっきり「銀河鉄道の夜」を読んだだけの私にはいささかヘビー。
皆さんのレビューにも『「銀河鉄道の夜」は先に読んでおいた方が良い』と書かれているものがあったが、確かに記憶に新しかったり少し引っ掛かりを覚えていたりしたならば、もっと楽しめたような気がして、ちょっと残念。(勉強にはなりました)
それでも、後半の巡検の行程は結構興味深く読めた。

3人の高校生はと言えば、いちいち突っかかる壮多にはちょっとイライラ、七夏の行動や結論もあまりスッキリせず、読み終えてしまえば深澤の思いも回りくどかった気がして、最後はなんだが強引かも。
地学部の部長・三井寺や後輩の文緒が良い人柄で、芳本先生や文緒の父、旅の途中の井川さんも含めて、周りの人たちにお話の雰囲気としてはだいぶと救われた感じ。

0
2025年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・感想
Audibleで視聴。
主人公が深澤くんに突っかかる理由が意味わからなくて聴きながらストレスに感じた。
ただの幼馴染に対して干渉し過ぎだよ…パターナリスティックというか相手の事をコントロールしたがる性質の主人公が苦手だったかも。
何回「いや、お前に関係ないだろ」と思ったことか。
まぁ若さ、といえばそうなのかも知れんけども。

ななみちゃんの結論もいまいちよく分かんなかったし、主人公と深澤君の関係も唐突に感じた。

キャラクター描写は合わなかったけど三井寺先輩は良い人で、宮沢賢治と地学、夏休みに男子高校生のひと夏の冒険的な題材はまさに青春!って感じで爽やかさを感じて良かった。

0
2025年08月02日

Posted by ブクログ

伊与原新さんの著作はこれで2作目。
宙わたる教室と同様、物語を読んでいくと物語内のトピックへの興味がどんどん湧く。
この場合は宮沢賢治と天体について。
宮沢賢治は教科書でしか読んだことがないので、いずれちゃんと読もうと思う。
主人公の態度に前半はイライラしっぱなしだったが、後半はちゃんと彼の気持ちも理解できた。
3人それぞれが抱えた闇の点の部分が最後は線で繋がるところは少々強引かとも思ったが上手くまとまっていた。
あと、地学部の部長いい人すぎて好き。

0
2025年04月13日

Posted by ブクログ

宮沢賢治、再読したくなった。
山にも登りたくなった。

途中ハラハラしたが、最後にうまく収まって良かった。
誰かが嫌なヤツにならなかったトコが良い。

伊与原作品、イイですねー。

0
2025年03月15日

Posted by ブクログ

宮沢賢治をテーマにした地学部。
イーハトーブとはをもとめて夏休みに自転車でフィールドワークの旅に出る。
終盤は動きが大きくなって、色々な点が繋がって面白くなるがそこまで辿り着くまではなかなか読み進められなかった。
銀河鉄道の夜のきっかけになった場所に出会ったところはとても浪漫を感じた。
難しいというのが正直な感想。

0
2024年11月25日

Posted by ブクログ

宮沢賢治に関して地学の面で調査するといったのが主な話だが、宮沢賢治を全く知らないので専門的知識過ぎて入り込めなかった。
宮沢賢治好きは興奮して読めるかも。

人間ドラマ的には面白かったけど、主人公の深澤くんに対するあたりが強くてそこは嫌悪感。

0
2024年07月28日

Posted by ブクログ

伊与原新の2作目。『月まで三キロ』のシャープさは感じなかった。
悪い人は一切出てこないいま風のやさしい高校生の話だった。
読書して気分が悪くなるのは望まないが、いいひとだらけの作品にも不満を感じてしまうのは勝手すぎるのか。
いままで知らなかった格言「絶望とは愚者の結論である(ベンジャミン・ディズレーリ)」が耳に残った。

0
2024年02月04日

「男性向けライトノベル」ランキング