「美術館のベルが鳴った。閉館まであと5分。クローディアとジェイミーは、洗面所の仕切りの中に隠れて、5時半まで待った。それから外に出て、展示品のベッドにもぐりこんだ。」
(『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)
「物語は、ニューヨークの郊外に住む11歳のクローディアが、家出をしようとして
...続きを読むいるところから始まります。「いちばん上の子で、おまけに女の子はひとりきり」だというだけで、「弟たちは何もしないでいい時に、自分だけは皿洗い機から食器を出してテーブルの用意をしなければならない」ことに納得出来ず、「成績優秀なクローディア・キンケイド」でいることにも、「毎日おなじことのくりかえし」にも飽き飽きしていたからです。でも、クローディアは不愉快なことが嫌いなので、気持ちのよい、美しい場所はどこかと考え、家出先に選んだのはなんとメトロポリタン美術館!口が堅くて貯金もある弟ジェイミーを誘って家出したクローディアは、美術館でこっそりと生活するうちに、ミケランジェロ作とされている天使の像に惹かれ、その像にまとぁる謎を解こうとします。本当の自分を探し求める少女の物語。」
「彼女が家出先に選んだ場所(メトロポリタン美術館)のユニークさに眼を奪われがちですが、それよりも興味部会のは、家出という非日常的な行動に際しても、彼女が自分を失わず、計画や方針を立てる子どもだという点です。」
(『大人のための児童文学講座』ひこ・田中著 より)
・知的な女の子の家で。用意周到で現実的。
・12歳という自立へと揺れる思いが底に感じられる。
・自分でも出来そうな家出・冒険。教官を得やすい。
「毎日の生活にあきあきしたクローディアは、家出の計画を立てます。かくれる所に選んだのは、大きな美術館でした。」