あらすじ
少女クローディアは,弟をさそって家出をします.ゆくさきはニューヨークのメトロポリタン美術館.2人は,ミケランジェロ作とされる天使の像にひきつけられ,その謎を解こうとします.
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Posted by ブクログ
「むかし式の家出なんか、あたしにはぜったいにできっこないわ、とクローディアは思いました」
という、冒頭の一文から心を掴まれた。
児童文学だけれど、子どもを雑に子ども扱いせずに、苦悩を抱える一人間として捉え、だからこそ、子どもが子どもであるための不自由さ、そこから逃れる希望を描けていると思う。でも、しみったれることはなく、もちろん説教くさいなんてこともなく、バイオリンケースを鞄代わりにするなどというお洒落さ、センスの良さが光っていて、読んでいて清々しい。
子どもの頃に読みたかった一冊。
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クローディアは綿密な計画をたてて家出を決行。
頼れる弟ジェイミーを連れてメトロポリタン美術館へ向かいます。
美術館に潜伏し、ある発見をし、謎解きに奔走します。
てかジェイミー、それでいいのかジェイミー。姉クローディアにアテにされすぎてない?…結果、2人にとって大冒険&大成長の家出となったのですが。
トランペットとバイオリンのケースに荷物を詰めて…
あ!あの歌の元ネタなんですね。読んでる時は気づかずに
「荷物全然入らんな」と思ってました。
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わたしは秘密というのは嘘をついたり怒られるいけないこと、というイメージが染み付いていた。でもこの話を読んで、秘密は共有すると仲が深まったり、バレないよう思案して良いアイデアが思いついて喜んだり、普段ならいけないと怒られることをしているという非日常感にニヤリとするような楽しさがあったことを思いだすことが出来た。また文章は、子どもの頃の考えていたことや気持ちを思い出させてくれるような懐かしさがあり、将来母になった時に読むとまた見方が変わりそうだ。いつかまた再読したいと思う。
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家出に憧れて、実際に行動に移す勇気はないくせに友達と計画を立てたり荷造りをしていた子どもの頃に読みたかった。とはいえ、大人になった今読んでもとても面白い。どうせ計画だけなら、家出先をメトロポリタン美術館にするくらいのスケールを持てれば良かったなどと思いながら…。
多くの人と同じく、子どもの頃のトラウマとなった大貫妙子のあの曲の元ネタだと読み終わって気づいた。大人になり、この本も読み終えた今は大好きな曲になりました。
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とてもワクワクさせられました!
正反対の性格の姉弟が、家出をします。計画を立てたのは姉のクローディア。クローディアは三兄妹の長女。“長女だから”と言われ続け不自由な目に我慢の限界を感じ、家出を決意。弟のジェイミーとメトロポリタン美術館に忍び込みます。そこでの生活は今まで何不自由なく暮らしてきた2人にとって空腹との闘いや、お金の問題に悩まされます。しかし、ある日2人は美術館の天使の象にひきつけられ…!
小学校高学年から大人の方まで楽しめる作品だと思います
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多分家出をすることがないと思うけど、もしするのならば、こんな感じで計画を立ててやりたいです。
2人のよくいる感じの兄弟の雰囲気がまるっきり描かれているので、馴染みのある感じで読みやすいです。
児童書なので人によっては、短いかもしれませんがとても面白いので、ぜひ読んでみてください。
たまにある絵も、上手だけど、手描きっぽさも出ているので読みやすいです。
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最高!家出の理由も家出の場所も。ラストもいい。子どもってたいへんなんだ。外へも自分の中へも考えること戦うことが多い。いつから怠惰な大人になってしまうのだろう。
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小学生のときに何度も読んだ。
これを読んで、家出計画を考えたものです。
去年メトロポリタン美術館を訪れ、クローディアの世界がよみがえりました。
なかなか細部までこだわってるし、後半の展開もおもしろい。
クローディアの計画性が大好き。
Posted by ブクログ
大貫妙子の「メトロポリタン美術館」は聴いたことがあっても、「夜の博物館、天使の像、ヴァイオリン&トランペットのケース」といったモチーフが、この『クローディアの秘密』からとられているとは知らなかった…!
「家出をした姉弟が博物館に隠れ住む」というあらすじだけでも勿論わくわくするけれど、物語の真の魅力は設定や道具立てではなく、クローディアとジェイミー2人の愛すべき個性と人間性にある。
お互いの長所短所を上手に(そして勿論喧嘩もしながら)補い合って冒険を続ける中で、クローディアが出会う「天使の像」。
大人達が美術的、学術的価値について論じる中で、クローディアだけは像から全く別の学びや気付きを得て、大人になろうとしていることを見抜く夫人。
この辺りが描かれる物語終盤を特に楽しく読んだ
ラスト、夫人が「知識は集めるばかりではなく、からだで感じなさい」と教えてくれるシーン。素晴らしい言葉だと感動したし、作者が化学教師であると知って納得した。
知的好奇心が旺盛な子供にこそぜひ読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
刊行から58年。とても面白い話で、「秘密」を通しての成長のお話がなんとも粋。
都会っ子で現代っ子なクローディアとお金に細かいしっかりものの弟との掛け合いも楽しい。
しかし、翻訳の限界か、時代の流れか、今の小学生が読むには少し難しいかも。
Posted by ブクログ
子どもって成長するにつれて親や大人に立ち入らせない自分の世界とか秘密を持ちたがる。大人はそれに関心を示しつつ、子どもの世界を侵さない、冒険させてあげる、見守る、その子どもなりの成果を認めてあげる、みたいなことが大事だよなと思った。なんなら、見守って尊重しているだけでは子どもの自尊心は満足しない、本気で心配して取り乱して怒るくらいのことも必要かもしれない。子ども自身が、大人にいっぱい食わせてやったと、ある意味での達成感を得ることが大事かもな と思った。大人の手のひらの上から跳んで抜け出すことが、子どもにとってすごく意味があるよなと思った。
親としては、危機管理とか親の威厳とかを念頭に置きつつ、子どもが殻を破って飛躍することを願うせめぎ合い。いろいろ子どもをとり巻くリスクを想定してその範囲に収まるのが良いのか、想定を超えられてとんでもないことをしでかされるのか、極端だけど命と成長を賭けた究極の駆け引きだと思った。
そんな大人目線なんか無視して、というか知る由もなく、子どもには自由に暴れてほしいと思った。
だいぶ飛躍したけど、童心を思い出す素敵なお話だった。
Posted by ブクログ
昔、家出してやる!て思ってプチ家出をしたことがあります。クローディアほどの計画性はなかったので1時間で戻りましたが笑
同じ家出とはいえ、クローディアの計画性と弟の資金力には目を見張るものがありますね〜
行き先が美術館だなんてなかなか思いつかないものです。そして最後には秘密を得て、家出前とは別の自分になって帰宅します。でも大人はさらに一枚上手で…笑
もう良い大人ですが、どうやって過ごすのかな…?何をするのかな…?とわくわくしながら読み進めました。
Posted by ブクログ
世界有数の贅沢な宿泊の話。
美術館、しかもメトロポリタン美術館に寝泊まりすると想像するだけでワクワクしてしまう。
子供の頃に読みたかった。
p. 20
おだてというのは、てこと同じくらい、たいした道具ですね、サクソンバーグさん。適当なところにあててごらんなさい、世界を動かします。
p. 171
「いつになっても満足しないんだね、クローディア。オール5をもらえば、その上はないかってさがすんだろ。ただの家出をはじめといて、しまいにはなんでもかんでも知りたがる。ジャンヌ・ダークとクララ・バートンと、フロレンス・ナイチンゲールを一つにしたみたいな人になりたいんだろ。」
p. 220
「秘密を胸にもって帰るっていうのが、クローディアの望みなのよ。天使には秘密があったので、それがクローディアを夢中にもさせたし、重要にもさせたのですよ。クローディアは冒険がほしいのではないわね。お風呂や快適なことがすきでは、冒険むきではありませんよ。クローディアに必要な冒険は、秘密よ。秘密は安全だし、人をちがったものにするには大いに役立つのですよ。人の内側で力をもつわけね。」
Posted by ブクログ
美術館・博物館が好きな私はワクワクしながら読んだ。
家出したからには違った自分になって帰りたいと思うクローディアの気持ち、分かるなぁ。タイトルはそういうことなのかと最後まで読んで納得。
小学生の姉弟は結構、大人の考えをしているなと感じた。特にフランクワイラー夫人がなぜミケランジェロの像を手放したのかについて弟と語るときのクローディアの見解には深く頷いた。
Posted by ブクログ
秘密ってそういうことかー、というなんとも趣深いラスト。
と言ってもそれがメインというわけでもなく、いわゆる冒険ものである。時々、こういう建物の中に隠れたりして過ごす話もあるけど、そういや現代でもスーパーの天井裏に隠れて夜中に食料を漁って生きてた人のニュースもあったけど、いや意外とできるのかな?でも今は監視カメラがなー。世知辛い世の中よ。
仲が悪いような良いような、いや、これは少しばかり理想像ではないか、という姉弟の掛け合いも悪くない。
Posted by ブクログ
メトロポリタン美術館に家出に行く2人の話。行く前と違う自分になりたいクローディアが毎日天使の彫像について調べて調べて最後には本当に秘密を知ってしまいます。2人の行動力とクロードの計画力がずば抜けていてすごいです。地頭がいいんですね。また遊びにそっと出かける気満々な2人が微笑ましいです。
Posted by ブクログ
フォローしてる方が5☆をつけられていたから。1975年の作品で、なぜ今まで読まなかったのか不思議な程、残念でならない。
憧れのMETを家出先の場所とした設定も好きだし、主人公2人の精神的な成長も好ましかった。
Posted by ブクログ
最近読んだ本に紹介されたいて購入。
子供の頃に読みたかったなぁ、まぁでも子供の頃はミケランジェロ?だれ?という感じだっただろうからだいぶ大人になった今で良かったかも。
クローディアとジェイミーの発想がすごいな。
クローディアはおしゃまでちょっとわがままなよくいる女の子で、弟のお金なのに?タクシー?とか笑ってしまった。
家出からメトロポリタン美術館の流れから、あーなるとはびっくり。児童書とはいえよく作り込まれてるなぁ
Posted by ブクログ
読み終わりほやほやなので、うっわ最後の2章!
という、語彙力ゼロの感想です。
小学5、6年生から読める岩波少年文庫。
小学生にも劣る感想文…
家出してメトロポリタン美術館でしばらく寝起きする姉弟のお話。
♪バイオリンのケース トランペットのケース
トランクがわりにして出発だ♪
いろいろいうのは野暮なんで。
うっわ最後の2章!です。
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大貫妙子さんのメトロポリタン美術館の着想の元になってると言われてるのを見て、気になって借りた本。
家出場所が美術館って良い着眼点(真似してはいけません・笑。
姉弟のやり取りにほのぼのとしてしまいました。
大人が読んでも楽しめる一冊。
Posted by ブクログ
児童文学の名作のひとつとして、
よく本書も名前が挙げられているので、
どれどれ、と読んでみました。
スタジオ・ジブリの宮崎駿さんも映画化したかった作品だそう。
主人公の女の子クローディアが、弟を誘って家出をします。
その家出に選んだ場所は、ニューヨークのメトロポリタン美術館。
いったいどんな家出生活になっていくのか?
おもしろかったです。
たんたんとした文章ではありながら、
引っ張っていくストーリーが強いんです。
なので、自然と文章にも力が宿るという気がしました。
無駄がなく、冗長さもほとんどなく、
形容詞さえあまり使われないような文章で、
しっかり読み手の気持ちを捉えていくというのには、
著者は化学専攻の理系の女性だそうですが、
本質的なところから話を組み立てるというやり方に
秘密がありそうに感じました。
奇しくも今日、ほぼ日の連載「目標を、達成しやすくするヒント。」で読み、
「これか!」とわかったことがあって、
それは、世界観・初期設定だけを考えて、
それからいきなり本番として小説を書き始めるのは演繹で、
いろいろ勉強して枠組みを作ってやるのは帰納だということ。
この作品はまず第一稿の段階ではきっと演繹でつくられていると思うんです。
それから書き直したり修正したりしているような気がする。
ちなみに、数学者は演繹的な考え方をし、
大部分の人は帰納的な考え方をするそうです。
著者のカニグズバーグ夫人の名前は初めて知りました。
本書のほかにもいろいろと作品を残された人のようですので、
また機会を作って読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
もう、設定が面白いし、家出するまでの流れがスッと入ってくるし、そこからのハラハラ感と結構美味しいもの食べるのね、という感じが、楽しい。時代的に、わからないところはあるかもしれないけれど。
Posted by ブクログ
新たな秘密を持ち帰ることも冒険であり、
秘密をただ持っているのは無いも同然であり、
あいつは何か秘密を持っているぞと思わせながら所有する秘密こそ楽しくて価値がある。
Posted by ブクログ
クローディアと同じ年齢のときに自分も家出を考えたっけ。
美術館のような安全そうな場所は近くになくて断念したが、どこに寝泊まりするか想像をめぐらしたことを思い出した。
すっかり忘れていたけれど、そんな自分もいたなぁ。いわゆる反抗期か。
Posted by ブクログ
家出少女と少年の兄弟。
家に居場所がない少女クローディアの気持ちがわかる気がした。家出後、美術館に隠れ住むのだが、そこで出逢う女神像にはある驚くべき秘密が。姉と弟が性格が全然違って面白い。二人ともホームシックにも全然ならないところは共通してる。親には申し訳ないが実際そんなもんだろうなと思う。
岩波少年文庫は今読んでも面白いけど子供の時にもっと読みたかったなあ。
Posted by ブクログ
有名な児童文学って昔のものが多いと思っていたけど、この作品は意外と最近の話だった。
芸術作品を中心に児童文学を書くのは新しい発想で、すごいと感じた。
ただ、登場人物の癖が強くて(特にフランクワイラー夫人)もうちょい普通の人でも良いのでは…と。
題名は内容とすごく合っていてスッキリした!
Posted by ブクログ
美術館の天使像に魅せられた、家出少女とその弟の物語。
児童文学としてはシブいわあ〜と思いつつ、途中からハラハラする展開あり、案外楽しく読めました。
好きなものに夢中になれるっていいなあーと純粋に思いました♪
Posted by ブクログ
1967年にニューヨークで出版された児童書。さまざまなところで紹介されたり引用されたりしているので、読まねばと思いながらずっと未読で、いまさら読んでみた。
展開は面白かったけど、凄く読みにくかった。私の読書力が低いせいなのですが。ごめんなさい。
家出の動機が共感できないのとか、天使の小像にやたら捕らわれるところの理由とか入りこめなかったなぁ。残念。