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Posted by ブクログ
BiSHのモモコグミカンパミニーさんのデビュー小説
アイドルとして活躍するモモコさんだからこそ表現できる世界観のように感じる作品でした。
また人間の吐き気のするほどの嫌な部分が見事に登場人物たちを形作っていること、そしてそれらはフィクションではなく現実を生きる私たちの中にもある部分でだということを感じられる作品でした。
読み終えたときに真っ先に感じたのは、この小説を歌詞にしたらどのようになるのかということ。そして、改めてモモコグミカンパミニーがとてつもない文才だということでした。
BiSH解散後のモモコグミカンパミニーさんのご活躍が楽しみになる一冊でした。
タイトルからは想像できないほど息苦しい作品。
作者さんが芸能人ということで、もっと芸能界や業界の裏話的なことが書かれているのかと思いましたが、
それよりは人間の心の内にあるドロドロとしたものを描いていて引き込まれました。
友美はどうしようもないけど、それと同じかそれ以上にどうしようもない人々ばかり。
だけど、最後には少し希望も見えてよかった。
Posted by ブクログ
BiSHのモモコグミカンパニーの書いた小説
登場人物たちは誰ひとり、キラキラしていなく、恋愛関係(人間関係)もうまくいかない。
皆、何か満ち足りなく、”本当のこと”を求めているが、いつまでも手に入らない。現実の自分はちっぽけで醜い。
登場人物たち夢中になっている恋愛対象は、皆相手から重要な存在として扱われていない。
報われない恋だからこそ、恋の純度が上がるというような耽美的な意味でもない。
メイド(アイドル)とファンの関係と二重写しになる。
虚構であるからこそあこがれられ、虚構であるからこそ手に入らない。
虚構と現実とのギャップ=生きることの辛さが突き詰めて書かれている。
また、登場人物のキャラがしっかり立っている。
しっかり関係性を整理して、物語の流れやテーマを計算してキャラ設定されているなと思うのと、
もう一点は、モモコさん自身の実感がキャラクターに投影しているから、キャラクターが生きているのだと思う。
最後の方の「ひろやん」と「友美」のやりとりは、モモコさんの中に存在する違う立場の2人が思いをぶつけあっているようが感じがする。
なので、とてもリズムが良く、迫力がある。
「ひろやん」が「みくるん(友美)」に切実な想いを語る。
生きる意味を感じられなかった、消えてしまいそうだった「ひろやん」のことをメイドであった「みくるん(友美)」救ってくれたという感動的な想いなのだが、その想いは友美にとって重荷でしかない。
モモコさんが、アイドルになったきっかけは、「自分が変わりたかったから」と言っている。
それは、自分が生きていることを感じられないもどかしさ生きることへの違和感だったのではないか。
「ひろやん」の以下のセリフが重なる。
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「ねえ、みくるん。僕は生きるのが怖くて怖くてたまらなかったんだよ。人から拒否されるのが怖くて。傷つけられたくなくて。生きることは僕にとって、紙やすりで身体を削られていくみたいなものなんだよ。」
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また、自分の想いを投影する側と、投影されること(自分を規定されて、押し付けられること)の気持ち悪さ、違和感。が鮮やかに描かれているシーンが続く。
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「僕は、真っ暗なトンネルの中に独りきりでいるみたいだった。そんな僕にとって、みくるんは光だよ。僕の生きる意味だよ。みくるんだけだったんだ。僕を受け入れてくれたのは。僕の味方になってくれたのは。みくるんに救われたんだ。みくるんが僕の一部になってから、僕は前よりずっと強くなれたよ(中略)だから、ありがとうみくるん。本当に、ありがとう」
そう言って微笑みかけてくる彼の顔はあまりにも歪で、友美は思わず目を背けた。
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また、
女性作家だからこその、女性キャラの性格は複雑で立体的、男性キャラはある程度類型化されていて平坦という傾向はあるかなと思った。ここはそのままで良いと思う。(作家の持つ作風に近いことなので)
文章自体が、エッセイの時のように、少し論理的、解説的になっているように感じる表現もあった。
最後の方のクライマックスのように迫力があり、小説的な表現も多々繰り出しているので、だんだんと小説を書くなかでも小説力が増していっているのだなと思いました。
BiSHファンとしては、アイドル活動も忙しい中、ここまでの長編をしっかり書生き切ったモモコさんに感服です。
Posted by ブクログ
BiSHのにわかファンになり、モモコグミカンパニーさん執筆の本書を読んだが、彼女の文才が冴えわたる小説だった。
アイドルになれなかったメイド喫茶店員の友美を主人公に、DV彼氏、マウントを取りたがる同僚女性、友美の熱烈ファン、と個性的なキャラクターが登場する。
友美は、中途半端に夢を諦めきれずメイド喫茶店員になったことを後ろめたく思い、自己嫌悪が強い。自分のネガティブな側面に焦点を当てて、他人と比較して、一層の劣等感に苛まれている。
誰しもが生きている限り、辛いことやしんどいこともあるが、どうしても他人は幸福に見えてしまい、妬んでしまうが、その人にはその人の苦しみがある。そんな当たり前のことに、気づかせてくれる本だった
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