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Posted by ブクログ
櫛木理宇さん作品、私は5冊目でしたが、今作が一番面白かった‼︎
サイコサスペンスであり(いつもながらの櫛木さんらしい)誠に残酷でむごたらしく、本当に不愉快になる犯人の悪行シーンやその心情は、読んでいて辛く腹ただしく、思わず顔をしかめるところもありました。(幼い子に対する性犯罪って本当に最悪最低だ)
しかし、今作はなんといっても「星野班」の活躍を追うのが面白く、先に先にと気がはやりました!
元刑事の誠司、孫の旭(この子がまた、いい!)その友達の哲、弁護士、関係遺族、記者やジャーナリスト、立場の違いはあれど、彼らの誠実さと正義感、真実を求めるための行動力など、応援する気持ちで夢中で読み進めました。
この30年で、捜査の精査さも、メディアでの情報の流布も速さも、匿名の反応も、はたまた、昔だったら判明しなかった病気や障害など、すべてすべて、変わってしまった…それを痛感しつつも、結局は人が人を裁くことの難しさを強く感じたのでした。
印象に残ったところ少しだけ。
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亡き娘に捧げる正義には、一点の曇りもあってはいかんのです。
娘の魂が、安らかであるためには
墨一点の疑いも…。
完全なる善人も悪人もこの世には存在しない。そしておれたちはとりわけずるい。公明正大に生きていけるのは、得てして自己評価が高く強い人間だ。“おれたち”は弱くて自分に自信がないから、よく嘘をつく。
犯罪者は緊張作用、つまり爆発する緊張度が普通の人間より高い。
愛情ってのはどうしてこう、間違った方向へ目をくらませがちなのかね。
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読み応えたっぷり…しかも、エピローグはやっぱり櫛木さん…。
櫛木理宇さんは、続けざまに読むのはちと苦しいですが、これからも読んでいきたい作家さんです
Posted by ブクログ
秀作。キャラがいい。テンポがいい。でも体調が悪い時は読まない方がいい。
櫛木理宇みが序盤から全開。文が上手くて、するする読めてしまうだけに「辛い!読みたくない!でもこの文章を浴びていたい!」というアンビバレンツな状態に陥る。
女児が惨殺されるまでを、そして遺体になってからも惨たらしい目に遭う様を文字でつぶさに見るのは精神にくる。
また、ボディブローのようにじわじわくるのは、搾り出す無念の言葉、子を偲んでの涙、仏壇が登場する度に垣間見える変わらぬ愛情といった、親の心。子をなくすことが、この世で最も辛い苦しみの一つだと理解できる作品。
SNSを筆頭にメディアから世論を動かす進め方がいかにも現代風でいい。pixivや Xや某掲示板を思わせる一連の流れは異様にリアルだった。
櫛木理宇作品に登場する人物らは「これと決めたらとにかくこう!」みたいなキャラ付けが強く、ヒーロー映画やマンガのキャラっぽく感じていたが、これは違う。特にメインの登場人物がやけに生っぽく、リアルに生きている人間みがある。家族や関係者それぞれの立場から見た姿、さらにはSNSを通した素性の知れぬ人々の反応からもキャラの姿が浮かび上がり、人としての厚みや立体感が感じられた。
集団に馴染めず「無価値なもののように扱われた」経験は、案外多くの人が感じることかもしれない。
家庭、学校、社会、どこでもいつも「自分に対する評価」が他人と自分とで完全に一致する人なんていないだろうから。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった!
櫛木さんの“陽”寄りの作品って新鮮だ。
陰惨な事件を扱いつつもエンタメ要素は満載で、最後までどう転ぶか分からずドキドキした。
手に汗握るってまさにこういうことよね。
冤罪が疑われる殺人事件についての再審請求を認めさせるべく、SNS・警察・テレビを駆使して世論を動かしていく『星野班』の連帯感が快い。
孫の旭とその友人・哲、昔なじみの記者、弁護士、被害者遺族等の協力を得て、ひたすらに突き進む様からは目が離せない。
どうすればバズるか、動画再生数を稼げるか、多くの人に見てもらえるか。
ネットが人々に与える影響の強大さを、まざまざと見せつけられた。
Posted by ブクログ
これはすごい。櫛木というとシリアルキラーを登場させたり、オカルト系を執筆したりと様々なジャンルに手を伸ばしてきたが本作はその中でも新たな地平、さらに言ってしまえば最高傑作のラインを超えたのではないか。
冤罪を疑ってきた死刑囚の死、それが元刑事を動かす。彼は孫と共にネットを駆使して世論を動かす。そんな中、真犯人を名乗る人物から新聞社に一通の証拠が送られてくる。
実際にあった事件を基にしながら、登場人物全員に焦点が当てられた展開は完全に娯楽小説のそれだ。真犯人に迫る展開はサスペンス小説のそれだし、ロジカルに謎が解かれていく点はミステリ小説のよう。様々なジャンルを飲み込み、結末にひた走る様に息を飲め。
Posted by ブクログ
くるたんさんに「櫛木理宇さんならこの作品」と教えていただいた一冊です。ありがとうございます!面白かったです。
1987年『北簑辺郡連続幼女殺人事件』が起き死刑判決を受けていた容疑者の一人、亀井戸建が獄中で病死します。
当時、栃木県警の捜査一課の刑事だった星野誠司は冤罪の疑いを持ち、孫の旭とその幼なじみの晢の協力を得て、再調査を始めます。
SNSを使って世論を動かしていこうとすると、真犯人(タイガー)と名乗る人物が新聞社に証拠の品を送ってきます。
そしてついに真犯人は3人目の幼女を監禁している画像を送ってきますが…。
著者の櫛木さんがエッセイの中で、この作品は「後味の悪くない、ザッツ・エンタテイメント」です。とおっしゃっているそうです。
事件は不快で薄暗く、幼女が何人も殺され、いやなやつもたくさん出てくるけれど、最後はすっきり解決して読者にストレスを感じさせない”エンタメミステリー”を第一に目指したそうです。
そのために、書く側が楽しもうということで”殺人実話”と”冤罪”の要素をこれでもかとぶちこんだそうです。
確かに「足利事件」などの実話がたくさんでてきます。
以下、ネタバレ含みます。これから読まれる方はお気をつけください。
獄中死した亀井戸建には同情すべき点が数多くあり、真犯人には全く同情の余地がありません。
確かに読み応えのあるエンタメ小説で、事件はおぞましいけれど、星は5つつけるしかないと思いました。
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