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代償
「瑕疵物件」…不動産売買ではこのような表記になるそうだが、本作は『瑕死物件』。
この題名の本当の意味に気付いたのは本作の終盤であった。
一見すると短編集のような様相の本作。
だが、一遍一遍読み進める毎に、毎回のように登場する人物の人となりや、その章での主人公らしき人物達が、それぞれどのような立ち位置であるのかが次第に明らかになってくる。
推理小説を読んでも推理は名探偵にお任せ。
「ほーほーなるほど!」とまるで我が推理が真実に到達したかのような陶酔感を味わうのが常なのだが、本作に限っては先の見えないモヤモヤ感が随分読み進めるまで私の頭を覆っていた。
なかなか明らかにならない真相は、作者のミスリードでは決してなく、じわじわと不安や恐怖が押し寄せてくる、まるで後ろを振り返っても何もいないのは分かっているけど、「もしかすると…」という「…」の部分を存分に読者が楽しむための作者の粋なサービスなのではないだろうか。
きっと私はまた、櫛木理宇さんの作品を読むんだろうな。
何もないはずの背後の気配をどうしても感じたいから。
Posted by ブクログ
ひとつひとつの話が繋がっていくところが心地よかった。いい気持ちにはならないけど、面白い。
堕胎の歴史を知り、結構ショッキングであった。飢饉であったり貧困の問題、遊郭に売られる、男性との力の差、男尊女卑等々、堕胎せざるを得ない状況に追い込まれる女性がたくさんいたんだなと。首や腕がねじ曲がった子供たちの情景は本当に恐ろしいが、そんなことが実際に行われており今も遠からず堕胎は行われている。
自分に出来ることは特にないが、そういった歴史に多くの人が触れることで、繰り返さないという意識を持つ人が増えると良いなと考えたりした。
また、あえて書かれないが問題のある家は父親がいないことが多いっていうのも気付かされた。両親ともにいるということだけが1番大切なわけではないが、今後私自身家庭を持つことになったら2人で子供を一生懸命支えていきたいと思う。両親揃い、何を成すかが大切だと思う。また、父親が核という訳ではなく、子育てする母親を支えること、子供の良いお手本になることが大事だと思う。
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