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きのうの影踏み(角川文庫)
あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。編集者たちの集まりによると、チェーンメールのように、何人かの作家にも届いているという。かくいう私にもその手紙は届いていた。その手紙のことを調べるうちに、文面の後ろのほう、文字が乱れて読み取れなくなっていた部分が、徐々に鮮明になってきている……。ある日、友人作家が手紙のことで相談があると言ってきた。なんと、その手紙、サイン会で手渡しされたという。誰がその人物だったかはわからない。けれど、確実に近づいてきているーー。(「手紙の主」)。その交差点はよく交通事故が起こる。かつてそこで亡くなった娘の霊が、巻き添えにしていると、事故死した娘の母親は言っているという。その娘が好きだったという「M」の字の入ったカップがいつもお供えされていた。ある雨の日、そのおばさんがふらふらと横断歩道にさしかかり……。死が母娘を分かつとも、つながろうとする見えない深い縁を繊細な筆致で描く「七つのカップ」。闇の世界の扉を一度開けてしまったらもう、戻れない。辻村深月が描く、あなたの隣にもそっとそこにある、後戻りできない恐くて、優しい世界。 【解説:朝霧カフカ】 -
激動 東京五輪 1964
当代きってのミステリー作家7人、華麗なる競作!昭和三十九年十月――。 オリンピックに沸く東京を舞台に、ミステリーの最前線を走る七人の思惑が交錯する。 かわりゆく街の中で、男たちは何を目指したのか。究極のミステリー・アンソロジー、ついに文庫化。 激動の昭和史をひもとく競作シリーズがここに開幕。 【収録作、作家】 ・「不適切な排除」 大沢在昌 八ミリフィルムの技術者は、なぜ殺されたのか!? ・「あなたについてゆく」 藤田宜永 二十一年前のあの日、私も日の丸を背負っていた。 ・「号外」 堂場瞬一 特ダネは、よりによって開会式の日にぶつかった。 ・「予行演習(リハーサル)」 井上夢人 国立競技場に持ち越された、幽霊屋敷の死体騒動。 ・「アリバイ」 今野 敏 五輪の輪が四つ――死刑求刑は一転して無罪に。 ・「連環」 月村了衛 黒澤明が降りたオリンピック記録映画を狙え! ・「陽のあたる場所」 東山彰良 華やいだ街の片隅で、おれは死の淵に立っていた。 -
告解
罰を受けても罪は消えない。なら、どう生きていけばいい? 『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』―― 贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。 「自分は運が悪かっただけだ……」 女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生 「やらなければいけないことがあるんだ」 愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男 ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものは――? 深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。 -
国歌を作った男
21世紀前夜にアメリカで大ヒットしたゲーム「ヴィハーラ」。 新作が出るたびに人々を熱狂させ、夢中にさせた国民的ゲームの裏側にいたのは、一人の孤独な男、ジョン・アイヴァネンコ。 友人は少なく、幼い頃からプログラミングと音楽に親しみ、たった五年生のときに「ヴィハーラ1」をつくりあげた。 その彼がアメリカンドリームを掴むまでに一体何があったのか、そしてそれでも拭い去れなかった孤独の影にあったものとは。 やがて「国歌」とまで謳われるほど膨れ上がった「ヴィハーラ」音楽の作曲者。 その生涯を描いた一遍をはじめ、13篇を収録。 宮内悠介のつくりあげる世界は、美しいだけでなく温かい。 笑いと涙、驚きに満ちた短編集。 -
作家の黒歴史 デビュー前の日記たち
自分の黒歴史、ここまで弔えますか? 一度は滅却したブログ、mixi、日記を掘り起こし、過去の尖りまくった「自分」と出会いなおすことで見えてきたものとは――? 「宮内さん、そんなに見せちゃっていいんですか?!」担当編集も驚愕! 作家・宮内悠介が赤面必至(!?)で挑んだ、著者初にして最高にソウルフルでファニーな自己批評エッセイにして弔いの鎮魂歌! ――もちろん、いま現在も恥ずかしくて間違っていることは疑いない。 作家・宮内悠介が誕生する十年以上前。 誰に向けてでもなく、一人虚空に吼えるように書き連ねた大量の日記、詩、散文の数々。 思想強めに自己を開陳、息を吸うように政治の話をし、プログラマとして働きながら本当に作家になれるのか怯え、終わった恋を引きずり、呪われたアパートに住みながら、深夜に街を徘徊したあの頃――。 ダークサイドに追いやった過去の自分と対峙した先、聞こえてきたのは、どこまでも「純」な生命の息吹だった! -
三毒狩り
激動の中国大陸。 捨て子・佟雨龍の数奇な運命が拓かれる――。 一度死んだ佟雨龍がふたたびこの現世へ舞い戻ってきたのは、甲辰の年(一九六四年)の十月十八日のことであった――。 舞台は、毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国山東省の吹牛村。捨て子の佟雨龍は、養父の佟継漢と養母の李秀媚の庇護のもと、姉の李平や犬の皮蛋(ピータン)とともに平和な少年時代を送る。そんなある日、共産党の青年幹部・田冲が村に赴任し、一家の暮らしにささやかな変化が訪れる。じつは、田冲は、養父の佟継漢と浅からぬ因縁があり、復讐の機会を虎視眈々と狙っていた。 -
昭和史の10大事件
昭和史研究家・半藤一利氏と、ベストセラー作家の宮部みゆき氏が、「日本を変えた昭和の10大事件」を選ぶ、昭和史回顧本の決定版。 『日本のいちばん長い日』『昭和史』などで知られる半藤一利氏と、二・二六事件に材をとった歴史ミステリー『蒲生邸事件』の著者・宮部みゆき氏とが、「日本を変えた昭和の10大事件」を巡って徹底討論! 異色の顔合わせは、同じ都立隅田川高校(都立七中)の先輩後輩という間柄から 下町育ちのおふたりならではのザックバランな、歴史をネタにしたおしゃべりです。 二・二六事件や新憲法発布から、半藤氏が参加しそびれたヘルシンキオリンピック、ゴジラ出現、はては日本最初のストリップショーなど、議論は白熱、紛糾。 楽しく読むうちに、「私の10大事件はなにか?」と考えさせられます。 【目次】 1 昭和金融恐慌 2 二・二六事件 3 大政翼賛会と三国同盟 4 東京裁判と戦後改革 5 憲法第九条 6 日本初のヌードショー 7 金閣寺消失とヘルシンキ・オリンピック挑戦 8 第五福竜丸事件と『ゴジラ』 9 高度経済成長と事件――公害問題・安保騒動・新幹線開業 10 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件) -
シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~
本格ミステリの巨匠にして、新人発掘にも多くの実績を持つ綾辻行人が、それぞれのデビュー時からかかわりを持ってきた10人の後輩作家たちと夜な夜な語る、ミステリの魅力と創作の秘密。着想の手段、執筆時のこだわり、影響を受けた本、これまでに書いてきた作品への想い。作家たちが語る創作の魅力に触れれば、きっと、小説がさらに面白くなる。ミステリ専門誌「ジャーロ」に不定期連載された噂の「京都対談」、待望の単行本化! -
Genesis 一万年の午後
創刊号はベテラン堀晃を筆頭に、松崎有理、宮内悠介、高山羽根子、倉田タカシなど現在の日本SF界を牽引する俊英のほか、次世代を担う新鋭・久永実木彦、ライトノベル界で活躍する秋永真琴・宮澤伊織の新作短編を収録。日本SFの新たな潮流を創るオリジナル・アンソロジー誕生。【収録作】久永実木彦「一万年の午後」/高山羽根子「ビースト・ストランディング」/宮内悠介「ホテル・アースポート」/加藤直之 エッセイ「SFと絵」/秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」/松崎有理「イヴの末裔たちの明日」/吉田隆一 エッセイ「SFと音楽」/倉田タカシ「生首」/宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」/堀晃「10月2日を過ぎても」 -
人工知能の見る夢は AIショートショート集
SF作家と人工知能学会がコラボレーション! この一冊で、「人工知能の現在と未来」が丸わかり。 日本を代表するSF作家たちが、人工知能をテーマにショートショートを競作。それをテーマ別に編集し、それぞれのテーマについて第一線の研究者たちがわかりやすい解説エッセイを書き下ろしました。 名古屋大学・佐藤理史先生プロデュースの〈AI作家の小説〉も掲載! 研究者の最新の知見と作家のイマジネーションが火花を散らす画期的コラボ企画が、文庫オリジナルで登場です。 【テーマ一覧】 ◎対話システム ◎自動運転 ◎環境知能 ◎ゲームA I◎神経科学 ◎人工知能と法律 ◎人工知能と哲学 ◎人工知能と創作 【執筆者一覧】 《作家》若木未生、忍澤勉、宮内悠介、森深紅、渡邊利道、森岡浩之、図子慧、矢崎存美、江坂遊、田中啓文、林譲治、山口優、井上雅彦、橋元淳一郎、堀晃、山之口洋、高井信、新井素子、高野史緒、三島浩司、神坂一、かんべむさし、森下一仁、樺山三英 《研究者》大澤博隆、稲葉通将、加藤真平、小林亮太、伊藤毅志、原田悦子、赤坂亮太、佐藤理史、久木田水生、松山諒平 -
創元日本SFアンソロジー
ベテランから日本SF界の未来を担う新鋭まで、現代SF界を牽引する書き手が集結。新時代を創る書き下ろしアンソロジーシリーズ第4巻。第12回創元SF短編賞正賞・優秀賞受賞作を掲載。/【目次】はじめに/小川一水「未明のシンビオシス」/川野芽生「いつか明ける夜を」/宮内悠介「1ヘクタールのフェイク・ファー」/宮澤伊織「ときときチャンネル#2【時間飼ってみた】」/小田雅久仁「ラムディアンズ・キューブ」/高山羽根子「ほんとうの旅」/鈴木力「SFの新時代へ」/溝渕久美子「神の豚」〔第12回創元SF短編賞優秀賞受賞作〕/松樹凛「射手座の香る夏」〔第12回創元SF短編賞正賞受賞作〕/第12回創元SF短編賞選考経過および選評/ちいさなあとがき/編集部より -
蒼色の大地
薬丸岳の新境地。 壮大なスケールで贈るエンタメ巨編! 〈螺旋プロジェクト〉明治編。 時は明治。幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人はそれぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は灯を探し、謎の孤島「鬼仙島」に辿り着く。交わることのない運命に翻弄され、三人はやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。 友情、恋慕、嫉妬、裏切り――戦争が生む狂気の渦の中で、三人の運命が交錯する。 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』 -
旅する小説
さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。 -
Turn! Turn! Turn!
直木賞作家の最新エッセイ集。いつかは自分だけの一文に出会える。まずは求めよ。話はそれからだ。 小説と旅は似ている。物語を突き動かすのは葛藤だが、旅だってそうだ。私たちは、自分では処理もできなければ理解もできない衝動に突き動かされて最初の一文、もしくは最初の一歩を踏み出す。魂に抱えこんだ葛藤をどうにかなだめるために。小説と旅がこれからの私を定義していく。今回はその手始めだ。(本文より) 【目次】 1 転機はふいに霧の中から。台湾への旅がはじまりだ! 2 猫と始めた新しい暮らし第二の人生はここから。 3 子どもたちを育んだ町から新天地へ旅立ちのとき。 4 懐かしさと諦観とままならぬ世にも浮かぶ瀬あり。 5 酒なくて何がわが人生ぞプリミティブな酒に酔う日々。 あとがき 【著者】 東山彰良 1968年台湾生まれ。福岡市在住。2002年に第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞し、翌年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビュー。『路傍』で第11回大藪春彦賞、『流』で第153回直木三十五賞、『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞、『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞。そのほか『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など。 -
小さな場所
まだ小さな世界しか知らないぼくに、大人たちはこの広い世界の秘密や真実を教えてくれた 台北の猥雑な街、紋身街。狡猾で強欲なだらしない大人たちに囲まれて、少年は世界の広さを知る。切なく心に沁み入る傑作連作短編集。 本書を編集しながら何度も笑いました。気づけば、泣いていました。この物語に出合うために自分は大人になったのかもしれない。ここは温かくて、時に残酷な、生きることへの問いと答えが詰まっています。どうか、現代を生きる子供たちへ、かつて子供だった大人たちへ。この物語が届きますように。――文庫担当編集者 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
超動く家にて
雑誌『トランジスタ技術』のページを“圧縮”する架空競技を描いた「トランジスタ技術の圧縮」、ヴァン・ダインの二十則が支配する世界で殺人を目論む男の話「法則」など16編。日本SF大賞、吉川英治文学新人賞、三島由紀夫賞、星雲賞を受賞し、直木・芥川両賞の候補となった著者の傑作快作怪作を揃えた自選短編集。あとがき、文庫版オリジナルのおまけも収録。/【収録作】トランジスタ技術の圧縮/文学部のこと/アニマとエーファ/今日泥棒/エターナル・レガシー/超動く家にて/夜間飛行/弥生の鯨/法則/ゲーマーズ・ゴースト/犬か猫か?/スモーク・オン・ザ・ウォーター/エラリー・クイーン数/かぎ括弧のようなもの/クローム再襲撃/星間野球/あとがき/解説=酉島伝法 -
テラフォーマーズ LOST MISSION
西暦2599年――。火星有人調査『バグズ2号』計画、中断。 生き残った乗務員、小町小吉と蛭間一郎の2名が地球へと帰還した。 そのころ、地球の中南米密林地帯では、政府軍と闇バグズ手術を施されたゲリラ部隊が熾烈な戦闘を繰り広げていた! バグズ能力を持つ戦士ルビオが、ジャングルのなかで目撃したものとは――!? 『アネックス1号』計画へと至るミッシングリンク、小説で解禁!! 原作秘蔵の設定を見事なストーリーで描くのは、『路傍』で第11回大藪春彦賞、『ブラックライダー』で「2014年版このミステリーがすごい!」国内編第3位に輝いた実力派作家、東山彰良。 描きおろし挿絵も必見! -
ディレイ・エフェクト
いま最も注目されている宮内悠介が、時の流れをこえて、この世界の真実に迫る! 芥川賞候補作品。 いまの東京に重なって、あの戦争が見えてしまう――。 茶の間と重なりあったリビングの、ソファと重なりあった半透明のちゃぶ台に、曾祖父がいた。 その家には、まだ少女だった祖母もいる。 昭和十九年の戦時下が、2019年の日常と重なっているのだ。 大混乱に陥った東京で、静かに暮らしている主人公に、昭和二十年三月十日の下町空襲が迫っている。 少女のおかあさんである曾祖母は、もうすぐ焼け死んでしまうのだ。 わたしたちは幻の吹雪に包まれたオフィスで仕事をしながら、落ち着かない心持ちで、そのときを待っている……。 表題作「ディレイ・エフェクト」の他、「空蝉」と「阿呆神社」を収録した驚愕の短篇集。 -
遠い他国でひょんと死ぬるや
戦没詩人の“幻のノート”が導く南の島へ―― 大戦の記憶、民族と宗教、友情と神秘… 予測不能の旅に男が見たものは!? 千変万化のエンターテインメント! 激戦地ルソン島で戦死した、詩人竹内浩三の幻のノートを追って――須藤は、TVディレクターの職を捨て、彼の足跡を辿るべく現地へ渡る。到着直後、謎の西洋人男女に襲われたところを救ったのは、山岳民族の娘ナイマだった。大戦以来の日本人への反感を隠さない彼女は、須藤をミンダナオ島独立闘士ハサンの家に伴うことに。だがムスリムの一族は、秘密を抱えていた……。 第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞作 -
遠い他国でひょんと死ぬるや
第三の“竹内ノート"を求めて、男はルソン島へ―― 戦没詩人、山下財宝、山岳民族、イスラム独立闘争……空っぽな日本人はそこで何を見たのか 注目の才能ミヤウチによる、展開予測不能の冒険小説! 第70回芸術選奨文部科学大臣賞新人賞受賞作・単行本バージョン ぼくは、ぼくの手で、戰爭を、ぼくの戰爭がかきたい――そう書き残し、激戦地ルソン島で戦死した詩人・竹内浩三。彼は何を見、何を描いたのか? テレビディレクターの職を捨て単身フィリピンに渡った須藤は、その足跡を辿りはじめた。だがその矢先、謎の西洋人男女に襲われ、山岳民族イフガオの娘ナイマに救われる。 かつて蹂躙された記憶を引き継ぎ日本人への反感を隠さないナイマだが、昔の恋人ハサンの実家を訪ねる道行きに、付添いとして須藤を伴うことに。 ミンダナオ島独立のために闘ったイスラム一族の家で一時の休息を得た須藤だったが、ハサンの家は秘密を抱えていた……。 -
どの口が愛を語るんだ
のたうちまわって超えていけ、愛。 『流』の直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集! 九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京――。 残酷さとやさしさが隣り合わせるパッとしない世界 それでも生きていくむきだしの人間たち。 「猿を焼く」 さえない温泉街に引っ越してきた中三のぼく。無軌道な不良とよそ者の少年は、なぜ猿に火をつけたのか? 「イッツ・プリティ・ニューヨーク」 クレイジーな同級生カメと、そのアバズレな姉。欲求に翻弄されるぼくと彼らの団地の日常。 「恋は鳩のように」 同性婚が合法化された日、歓声に沸く群衆の中、アンディは詩人の恋人・地下室に電話をかける。 「無垢と無情」 人間じゃなくなった「やつら」から身を潜めるように、おれは画面の中のミーティングルームを訪れた。 -
七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
『影牢 現代ホラー小説傑作集』に続く2010年代を中心に発表された傑作ホラー短編7選。小野不由美の“営繕かるかや怪異譚”シリーズからは死霊に魅入られた主人公の心理に慄然とさせられる「芙蓉忌」。土俗的作品で知られる岩井志麻子による怨霊の圧倒的恐怖を描いた海の怪談「あまぞわい」。怪談の存在意義を問う辻村深月の「七つのカップ」など。作家たちの巧みな想像力により紡がれた悪夢の数々がここに。解説・朝宮運河 【収録作】 小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫 山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫 恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫 小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫 澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫 岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫 辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫 -
NARUTO―ナルト― 鬼燈の城 ブラッド・プリズン
【小説版登場!】囚われのナルト、脱獄不能に挑む!! 雲隠れ、岩隠れの上忍殺害、そして雷影暗殺未遂… いわれなき罪を着せられ、“鬼燈城”に囚われたナルト。監獄から脱出し、無実を証明するため、ナルトの新たな戦いが始まる!! -
走る?
あなたは走っていますか? 人生には、走るシーンがつきものだ。 中田永一、東山彰良、柴崎友香など、十四人の多彩な作家が「走る」をテーマに競作した異色のラン小説アンソロジー。 【収録作品】 中田永一「パン、買ってこい」 柴崎友香「ベランダと道路」 王城夕紀「ホープ・ソング」 佐藤友哉「熊の野戦」 遠藤徹「桜の並木の満開の下」 前野健太「いびきが月に届くまで」 古川日出男「藤村加奈芽のランニング・ストーリー」 岩松了「走る男」 小林エリカ「飛田姉妹の話」 恒川光太郎「リスタート」 服部文祥「小さな帝国」 町田康「ずぶ濡れの邦彦」 桜井鈴茂「誰にだって言いぶんはある」 東山彰良「或る帰省」 -
はじめての
「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しい。 日本エンターテインメントの最前線&最高峰! 日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にするユニット”YOASOBIが奇跡のコラボレーション! 小説、音楽、映像など、さまざまなジャンルで作品を展開しながら物語世界をつくりあげていく、壮大なプロジェクトが始まりました。 小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」。 この書籍『はじめての』には以下の4作品が収録されており、これらの小説を原作としたYOASOBIの楽曲が、2022年中に順次配信リリースされます。(第一弾は、「私だけの所有者」を原作とした楽曲「ミスター」) 「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生) 「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき) 「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都) ※文字をやや大きくし、漢字にはルビを多めにふっています。 それぞれの作家のファンはもちろん、全ての世代の方々に楽しんで頂ける、「はじめての」読書にもお勧めしたい小説集になりました。 ■YOASOBIからのメッセージ 4作品全て本当に面白くて、読み終えた時、全作品、計4回「めちゃくちゃ面白かった!」と声に出し、原稿の前で拍手をしました。「はじめての」という一つのテーマから生まれた4つの色とりどりな物語が、それぞれ違うゴールへと向かう様に心が震えました。 (YOASOBI composer Ayase) はじめて読んだ物語なのに、私の奥底に眠っている記憶が呼び起こされるような体験でした。 4つの物語、4つの世界と出会って生まれたこの感動を、まっすぐに歌に乗せられたらと思います。 (YOASOBI vocal ikura) ■作家からのメッセージ 初めての挑戦をたくさん詰め込んだら、むしろ自分の原点とも言うべき、好きな人との物語になりました。恋よりも強い絆で結ばれた「私だけの所有者」にこの短編で出会ってください。 (島本理生) 人は誰でも、その出会いの前と後で人生が変わってしまうような一生モノの出会いの経験があると思います。その一夜を通じて、前の自分にはもう戻れなくなるような、そんなはじめての家出を書きました。この小説もまた、読む前と読んだ後で誰かの何かが変わると信じて、送り出します。 (辻村深月) いつも物語をつくる時は、そのイメージに合った音楽を探すようにしています。ぴったりな音楽が見つかれば、その音楽が私を正しい方向に導いてくれるからです。今回はまず物語が先にあり、そこから音楽が誕生するという企画で、私にはまったく新しい経験に、胸が高鳴っています。 (宮部みゆき) 「はじめての」というお題をいただき、私もはじめての設定にトライしてみました。時空を超える片思い――この物語が、読者の皆さんの過去に灯る大事な瞬間とつながってくれますように。 (森 絵都) -
半七捕物帳―江戸探偵怪異譚―(新潮文庫nex)
彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった――。雪達磨の中から発見された死体。通行人を無差別に殺し続ける“槍突き”。江戸の難事件に立ち向かうは、神田三河町に居を構える岡っ引・半七。殺人、怪異、怪談。彼の推理はすべての不可思議に真実の光を当てる。今なお古びない捕物帳の嚆矢にして、和製探偵小説の幕開け。全六十九編の中から宮部みゆきが選んだ傑作集。 -
ぱんぷくりん 亀之巻
宮部みゆき初めての絵本!「宝船」「招き猫」「竜」など、縁起ものをテーマにした心和む物語に人気漫画家・黒鉄ヒロシが描く、1話ごとにタッチが変わる微笑ましいイラスト。ちょっぴり疲れ気味な気分もいつのまにか晴ればれ、「福々気分」「幸せ気分」にしてくれる大人向け絵本です。<亀之巻>には、割れたお皿に描かれた竜が話すことには…「ふるさとに帰った竜」、だるまは自分の顔が嫌いでした…「怒りんぼうのだるま」、甘い甘い金平糖は幸せの素…「金平糖と流れ星」の3話。巻末には「ぱんぷくりんポストカード」のおまけ付き。著者2人からの心温まる贈りものです。プレゼントにも最適! -
ぱんぷくりん 鶴之巻
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 宮部みゆき初めての絵本!「宝船」「招き猫」「竜」など、縁起ものをテーマにした心和む物語に人気漫画家・黒鉄ヒロシが描く、1話ごとにタッチが変わる微笑ましいイラスト。ちょっぴり疲れ気味な気分もいつのまにか晴ればれ、「福々気分」「幸せ気分」にしてくれる大人向け絵本です。<鶴之巻>には、ときどき宝船がテンプクするのはなぜ?…「宝船のテンプク」、誰も感謝してくれないので日本中の招き猫はそろって温泉に行ってしまいました…「招き猫の肩こり」、神社とけんかした鳥居は引越しを。さてどこへ…「鳥居の引越し」の3話。巻末には「ぱんぷくりんポストカード」のおまけ付き。著者2人からの心温まる贈りものです。プレゼントにも最適! -
ファミリー・レストラン
私たちを招いたのは誰? 殺人ディナーの謎を解け! 金持ち整形外科医・天本圭に誘われて瀟洒なスペイン料理レストランを訪れた女・深月。店には品のいい老夫婦と、深月のあとに入ってきた男性客が一人。天本と深月がワインで乾杯をし、タパスを口にしはじめて間もなく、甘く穏やかな空気が一瞬にして戦慄に変わる。突然「こんな所に呼び出して、いったい何の用だよ!?」と男性客が暴れ出し、客たちの前で、店の主人が自分の首を切る。「あなたもサバイバーですか」という謎の言葉を遺して。やがて客たち全員を巻き込んだ「死」のゲームが始まりを告げる。この店に客を招いたのは誰なのか。そして究極の選択を迫られた人々の運命は!? 驚愕のサスペンスホラー! -
ブレイクニュース
YouTubeで大人気のチャンネル『野依美鈴のブレイクニュース』。児童虐待、8050問題、冤罪事件、パパ活の実情などを独自に取材し配信。マスコミの真似事と揶揄され、誹謗中傷も多く、中には訴えられてもおかしくない過激でリスキーな動画もある。それでも野依美鈴の魅力的な風貌も相まって、番組は視聴回数が1千万回を超えることも少なくない。年齢、経歴も不詳で、自称ジャーナリストを名乗る彼女の正体を探るべく、週刊誌記者の真柄は情報を収集し始める。すると意外な過去が見えてきて……。デジタル社会の現代へ警鐘を鳴らす、SNS時代の新たな社会派小説。 -
ブレイブ・ストーリー
ごく普通の小学5年生亘は、友人関係やお小遣いに悩みながらも、幸せな生活を送っていた。ある日、父から家を出て行くと告げられる。バラバラになった家族を取り戻すため、亘は異世界への旅立ちを決意した。 -
ホテル・アースポート-Genesis SOGEN Japanese SF anthology 2018-
旅人・友也(ゆうや)は、軌道エレベーターが聳える小さな島国を訪れ、この天に延びる塔を見はるかす〈ホテル・アースポート〉に投泊する。かつては観光客で賑わったこの国も、テロで入国者が激減し、ホテルの運営も今は若い娘ひとり、その日の宿泊者は彼を含めて五人だけ。その夜も、島を吹き渡る風が、巨大エレベーターを轟々と鳴らし……そして密室殺人が発生した。『盤上の夜』の著者・宮内悠介の新機軸。※本電子書籍は、『Genesis 一万年の午後』(東京創元社 2018年12月21日初版発行)に収録の「ホテル・アースポート」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 一万年の午後』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。 -
僕が殺した人と僕を殺した人
夏休みが終わる2日前。13歳だったぼくたちの人生は、大きく狂いはじめた。 1984年の台湾と2015年のアメリカを舞台に、数奇な運命に弄ばれた少年たちを描く、青春ミステリーの金字塔! 2015年冬、アメリカを震撼させた連続殺人鬼〈サックマン〉が逮捕された。 彼の弁護を担当することになった国際弁護士の「わたし」は、30年前に台湾で過ごした少年時代を思い出していた。 当時、13歳だった「わたし」は〈サックマン〉のことを確かに知っていたのだ――。 台湾を舞台に贈る青春ミステリの金字塔。 織田作之助賞、渡辺淳一賞、読売文学賞小説賞をトリプル受賞! 解説・小川洋子 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ママがロックンロールしてたころ
奥多摩のさらにその奥の町で、父と暮らしていた久保田炳児(ペイジ)。変わった名前の由来は、レッド・ツェッペリンのギタリスト「ジミー・ペイジ」だそうだ。「ジミ・ヘンドリックス」も候補だったらしい。10歳になったある日、小学校の校門で女性に声をかけられた。「あたしはあんたのママなの」ペイジが赤ん坊のときに家を飛び出した「ママ」は、バイクで遊びに行こうといきなり言い出し・・・・・・。後からわかったことだけど、母は末期がんに侵されていた。サイドカーに乗った2日間の旅が、ペイジの何かを変えた――。【著者略歴】東山彰良(ひがしやま・あきら)1968年、台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡へ移住。2003年、「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビュー。09年『路傍』で大藪春彦賞、15年『流』で直木賞を受賞。16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞、17~18年『僕が殺した人と僕を殺した人』で、織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞。近著に『怪物』『わたしはわたしで』『邪行のビビウ』『三毒狩り』などがある。 -
三島屋変調百物語
ある事件を境に、他人に心を閉ざした17歳のおちか。叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せる彼女は、黙々と働くことで日々をやり過ごしていたが、ある日、叔父から客の対応を急遽任されることになり…。 -
三島屋変調百物語 おちか編5冊合本版 『おそろし 三島屋変調百物語事始』~『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』
十七歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。合本版には、宮部みゆきによるあとがきとイラストギャラリーを収録! ※本電子書籍は「おそろし 三島屋変調百物語事始」「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」 「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」「三鬼 三島屋変調百物語四之続」 「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」を1冊にまとめた合本版です。 -
三島屋変調百物語【分冊版】
ある事件を境に、他人に心を閉ざした17歳のおちか。叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せる彼女は、黙々と働くことで日々をやり過ごしていたが、ある日、叔父から客の対応を急遽任されることになり…。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。 -
宮部みゆきの江戸怪談散歩(角川文庫)
三島屋シリーズ情報から岡本綺堂まで――ファン必携! 著者自らによる公式読本 「三島屋変調百物語」シリーズ情報を掲載し角川文庫に登場! 人の業がなせる、恐ろしくも切ない怪談話の語り部・宮部みゆき。稀代のストーリーテラーが織りなす物語には、どんな思いがあったのか。 物語の舞台を歩きながらその魅力を探る異色の怪談散策! さらに怪異の世界を縦横に語りつくす北村薫氏との特別対談に加え、“今だから読んでほしい”小説4編を厳選。ファン必携! 著者責任編集「宮部怪談」公式読本。 電子書籍は巻頭カラーバージョン! ※本書は2013年に小社から刊行された『宮部みゆきの江戸怪談散歩』(新人物文庫)を増補したものです。 -
宮部みゆきのおすすめ本 2020-2024 in 本よみうり堂
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 宮部みゆきをワクワクさせた本、154冊を一挙公開! 情報量はたっぷりありながら、1冊あたり新書判の見開きで読ませるコンパクトさが魅力の1冊。 国内外の話題のミステリから、海外ノンフィクション・社会時評など時代を映す作品、猫や俳句など趣味の本、絵本・イラストのビジュアル本まで――。作家のアンテナで選ばれたラインナップは幅広く、内容を紹介しながら書き手の体温を感じさせる書評は、作品の魅力が伝わると評価が高い。「今年の3冊」10年分の記録(2015年~2024年)、巻末の書き下ろしエッセイを収録。 -
友罪【電子特別版】
【電子版限定特典つき】―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?― ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が「作家になる前から書きたい題材でした。人間の内面をとことん掘り下げた、現時点の集大成です」と語る、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていき…。一方、同じ製作所で働く事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱くようになる。ある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受けた益田は、13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめ……。 電子版限定!「青春と読書」’13年5月号に掲載された、著者インタビューも収録。