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まだ小さな世界しか知らないぼくに、大人たちはこの広い世界の秘密や真実を教えてくれた
台北の猥雑な街、紋身街。狡猾で強欲なだらしない大人たちに囲まれて、少年は世界の広さを知る。切なく心に沁み入る傑作連作短編集。
本書を編集しながら何度も笑いました。気づけば、泣いていました。この物語に出合うために自分は大人になったのかもしれない。ここは温かくて、時に残酷な、生きることへの問いと答えが詰まっています。どうか、現代を生きる子供たちへ、かつて子供だった大人たちへ。この物語が届きますように。――文庫担当編集者
※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
東山彰良の台湾に棲む僕の話。なんか東山さんの話は底抜けに明るい。内容はすごく悲惨だったりするのに、僕の性格が明るいのか、もう最初から明るい気分になれてしまうのだ。澤田瞳子さんが旅に出ているようだと評しているけど、それは賛成。
第1話 ニン姐さんはよくうちの食堂に食べに来てくれる彫り師で、フィギュアショップの2階に店がある。一見さんはお断り。ニン姐さんは黒猫の白猫という名の猫を飼っていた。女の子がニン姐さんを探している。
第2話 孤独さんは探偵だ。孤独さんの部屋には本がいっぱいある。孤独さんは野良犬を呼ぶ。ある土地公廟のご本尊が家出した。
第3話 フオ先生は郷土教学の先生だ。クラブのステージでフオ先生は歌っていた。フオ先生は原住民族出身でラップをやっている。いつも歌詞を忘れないように何か書き込んでいた。
第4話 レオの父親は大酒飲みだった。跳ばなきゃいけない時には跳べと何度も言われた。刺青も彫った。だけどそうじゃないと言われる。
第5話 游小波に毛ジラミをうつされた阿華は探偵に調査を依頼して、3人も他に男がいたことがわかった。だけど阿華は他の女性にも手を出しているらしい。アワビの兄気分が組の抗争で殺された。僕は路地裏で男に殴られている游小波を見つけた。
第6話 ぼくとアランとペイルンは、頭で考えうるすべての楽しいことを架空の壺に押し込めようとしていた。何を入れるかで僕らは揉めた。初めての喧嘩だ。
Posted by ブクログ
初めて東山彰良さんの本を手に取りました。
台湾にある紋身街の話と知って驚きました。
作家さん本人も台湾出身だったので納得。
この本を読み進めていると、頭の中に登場人物が鮮明に現れて、動いているような感覚。
それは、登場人物が特徴的でとてもイメージしやすく、内容に感情移入しやすかったからかもしれません。
この中でも、彫り師のニン姐さんはとても素敵で
芯があって凛とした美人!
なのに猫にメロメロ。
とても素敵〜私の理想の人っ!!
本書にある「天使と氷砂糖」は、
男尊女卑な世界
男に啄まれて捨てられる…
なんで可愛らしい子がそんな目に遭うのか
どうして、不幸な道に進んでいくのか
涙が出ました。
ほかのお話も日常の中に、やっぱり不幸があって
でも、生きていかなきゃいけなくて…
この世界から止まるのも飛び出すのも自分次第。
このお話を通じてそんな事を感じれました。
今度はこの作家の作品をもっと読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
台北の紋身街を舞台にした、9歳の「ぼく」目線の世界の物語
かつては刺青のお店が立ち並んでいた紋身街も、今や3店のみ
そんな街の入り口で食堂を営む家庭の「ぼく」景健武(ジンジェンウ)
皆からは「小武(シャオウ)」と呼ばれている
猥雑で少しアンダーグラウンドな一面を持つというと、日本でいうなら新宿歌舞伎町のような感じなのだろうか?
または、読んでいて石田衣良のIWGPシリーズに通じる雰囲気を感じたので、渋谷の裏路地かもしれない
主な登場人物
タピオカミルクティー屋の阿華(アファ)
確固たる信念を持った彫師のニン姐さん
依頼に応じてどんな刺青でも彫るケニー
ピッグボーイとシーシーの兄弟彫師
探偵の孤独(グウドウ)
・黒い白猫
・神様が行方不明
・骨の詩
・あとは跳ぶだけ
・天使と氷砂糖
・小さな場所
顔に刺青を彫ってほしいとニン姐さんに依頼した女
家出した土地神を探すチンピラ
副業でラッパーをしている小学校教師
小武の紋身街の捉え方、そして将来
小武にとっては、紋身街という街が自分の知る世界にほぼ等しい
そんな小さな世界で、繰り広げられるしょうがない大人たちとの関わり
ニン姐さんが語った、サッカー選手のクリスチアーノ・ロナウドが刺青を入れない理由は献血ができなくなるから
心にタトゥーを入れているというのも納得
ただ、私も定期的に献血しているけど、そんな強い信念があってやっているわけではないなぁ
小学校の先生でラッパーのフオミンダオの言葉
「自由とは孤独のことだよ。自由でいたいなら孤独を恐れちゃだめだ。理解されないことを恐れちゃだめだ」
孤独というのは恐ろしいという思い込み
大人はとかく友達の有無について心を配るけど、でも実際のところ独りでも十分な人はいるわけで
その価値観が全てではないんだよね
作文の宿題で書いたカエルの物語
比喩のようだけど、これはこれで物語として完結している
最後のクジラについては色々な意見がありそうですね
これの答えとしては、「西の魔女が死んだ」の一節がふさわしいかな
「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」
カエルにしてもクジラにしても、それぞれ自分の生きるべき場所があるわけで
どちらが幸せだとかは関係ないと思うんだよね
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