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転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。この転校生は何かがおかしい。身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。だから、闇は「祓わなくては」ならない――。辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ!
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Posted by ブクログ
表紙もタイトルもいかにもホラーで怖いものみたさで読み進めたけれど、やっぱり怖かった。
何が怖いって、人間が怖い。
高校生、ママ友、会社の同僚、小学生、章ごとに場面が変わるので飽きない。
優しくて頼りがいがあり憧れていた先輩に心を許して相談しているうちに、だんだん先輩が本性をあらわして、一方的な考えを押し付けてきたり行動を指図してくるようになった。
何でも愚痴を聞いてくれて悩みも丸ごと受け入れてくれて、常に肯定され同僚に気持ちよく話を聞いてもらっているうちに、自分は間違っていない、自分は正しいと思い込み、暴走していく。
洗脳にもいろいろなやり方があるのだなと思ったし、洗脳されているときは自分がおかしくなっていることに気づけない。
身近にもありそうなお話だからこそ、こんなに怖いと感じるのだろうな。
Posted by ブクログ
読み始めは、ストーカーやモラハラの話かと思った。しかし読み進めるうちに、人の心に巣食う「闇」を祓う物語だという輪郭が見えてきた。
章ごとに視点や舞台は変わり、学校、職場、家庭など、それぞれ異なる人間関係の中で現代社会の闇が描かれる。一見バラバラだった出来事が少しずつ繋がり、「神原」という存在の役割も見え方を変えながら一本の物語へ収束していく構成が印象的だった。
読みながら感じたのは、怪異そのものよりも、パワハラやセクハラ、モラハラなど、人が生み出す悪意や歪みのほうがよほど恐ろしいということ。だからこそ、この作品はホラーでありながら、人間の闇を極端な形で描いた虚構空間ホラーという読後感だった。
何を書いても核心に触れてしまいそうなので多くは語れない。
伏線回収はさすが。
その一言だけ残しておきたい。
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