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望むことは、罪ですか? 誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行──。普通の町に生きるありふれた人々に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇。現代の地方の閉塞感を背景に、五人の女がささやかな夢を叶える鍵を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す。著者の巧みな筆が光る傑作。第147回直木賞受賞作!
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Posted by ブクログ
◾️仁志野街の泥棒(5位) わだかまり 高校生になって律子と再会した時、律子はなんの後ろめたさもないのか、ミチルの名前すら覚えていない…。律子母の住居侵入して金を盗む癖、律子の消しゴム万引き(未遂)を、町の人たちは気遣いながら穏便に見守ったのに、本人たちはこんなもん?ていう。ミチルはわだかまりが残る...続きを読む。 ◾️石蕗町南地区の放火(3位) デートに誘った相手の気持ちが全然読めない大林は痛い人なんだけど、そんな大林の放火の動機が、私に会いたいからだ!と考えて疑わない笙子も実は痛い女。大林が動機を、ヒーローになりたかったから、って言ったのを知って怒りの感情をあらわにする笙子。昔モテたんだか知らんが、いつまでも理想ばかり高いから、なかなか結婚できないのでは…。 アルピーDCガレージ直火ローストのコーナーに出てくる人たちですな。 ◾️美弥谷団地の逃亡者(4位) 相田みつをの詩って、ほんとに普遍的だよねぇ。 処女を捨てたいとか、浅はかに出会い系で男を探す美衣。若いってそうだよなぁと思いつつも、DVも受け入れてしまうのは、一線超えてる。 彼氏に愛されるって、承認欲求満たされるとは思うけど、若いが故真実が見えていないのが怖い。 ◾️芹葉大学の殺人(1位) 医師免許とってサッカー選手になるのが夢という工学部の学生雄大。一生自立できないよ、こいつアホなの?彼女の未玖は雄大の甘すぎる考えをわかってるくせに好きなんて、理解できない…。彼をわかってあげられるのは私だけ…とか思ってるのだろうか。恋心というより執着なのか。 未玖の最期の行動は仕返しなのかな。重い。 ◾️君本家の誘拐(2位) 夫の育児への協力に不満を持ちつつも、なんとか自分で頑張ってる。子供と自分の二人だけの時間だけになりがちで、だんだん視野が狭くなって、気付かぬうちに精神やられてる状態、もうほんとによくわかる、わかりすぎて怖い。狭いのよ、ほんとに見えてる世界が狭くて、一生懸命故なんだよね。自分が娘を家に置いてきたのか連れてきてるのかもわからなくなるほど、もう限界超えてるのね。でも怖いのが、その自分のミスを隠すために、こんなに大事にしてる娘を危険に晒そうとしてるって事態。母親の焦りが暴走しててとにかく怖い話でしたが、世の母たち、というか女性たち、ほんの少しであれ似た感情を抱いたことがありそう、辻村深月ってほんとに感情をわかりやすく言語化してくれてすごい。
辻村深月さんは女性の心理を描くのが本当に上手だと思う。 どの物語に登場する人たちも、不完全で脆くて、少し傲慢な一面がある。なのに本人はそのことに気づいていなくて、いつだって主人公は自分で、まるで悲劇のヒロインかのように嘆いてしまう。 周りの人たちから見た、主人公の話にするとまた全然違った人物像になる...続きを読むんだろうな。
2025.1.6 いま可愛い盛りの孫育てをする私。しかし子育て中は孤独で東京からY県には死にに来た。(ラッキーなことに結局なしえなかった) 30年来この県に住んでるが私とは相入れない。Y県出身の辻村さんが描く舞台は砂漠のような風土を感じそこに巣食うネガティブな思いも、とても共感する。 どの短編も面...続きを読む白かったが最後の君本家の誘拐は特に感情の揺らぎのスピード感を読むままに感じて次は次はと、私を誘った。 昭和の小さい子の母とは、孤独に生活を回していくものだった。ゆえの焦燥感に殺されかけた。 娘家族を見てると父母は協力体制にあり二人で責任を負い見ていて清々しいが、家庭は様々、世の中は、宝を育て心を巡らせて悩みを一人で解決しようとするどのお母さんをも、ぜひ、応援と優しい声がけを、してほしい。
なかなかビターな辻村深月。 その鋭さはいつも通りだが、『かがみの孤城』や『冷たい校舎の時は止まる』とは異なる雰囲気だ。 当初、本作に書かれたエピソードの大半がやりすぎでわざとらしく感じ、いまいちピンとこなかった。彼女にはもっと素敵な物語があるのになぜ本作が直木賞受賞作なのかと。 「これは時代の...続きを読むせいだ!」と思っていたが、読み終えてみると、どうやら本作は少し軸のズレた女性たちの物語であって、それを許容できなかったからかもしれない。 つまり、これらを理解する鍵を持っていなかったのではないか。まさに「鍵のない夢」を見せられたのではないか。 自分はそれなりに良識があり、多様性を受け入れる価値観を持っていると思い込んでおり、小説を読む際にそれを振りかざし、それから逸脱した一人称を見ると「そんなバカな」と心の感度を著しく落としていたことに気づかされた。 間違っていた。世の中には僕には知らない目線が存在し、それを受け入れるように読むと解像度が変わって見えるんだ。 多分これはかつて読んだ『流浪の月』が昇華された瞬間でもある。本当についていけなかったのだ。しかし、そうか、あれはそういうことだったのか。 また一つ読書が深まったと思う。読み手の軸を巧みにズラす辻村深月の筆致に感謝したい。なるほど確かに直木賞受賞作なのだろう。 …とは言え少しやりすぎじゃない?
地方都市の小さな事件が短編で次々と展開される小説。どの短編にもまるで自分の傲慢さや愚かさ、どうしようもないやるせなさが見透かされているような主人公が出てきて身につまされる。 どの短編も決してすっきりと解決する事はない、ただただそんなどうしようもない自分を受け入れるしかないのだと思いながらも前に進んで...続きを読む行くだけだ…
自意識というものがいかに閉塞的であるか、またその危うさを再認識させてくれる本。最後の短編に出てくる母親はすぐにでも近くに行って抱きしめてあげたい。
辻村小説を何冊か読んでますけど、辻村さんは学生や社会人としては微妙な年頃の若者を主人公にした小説が上手いと思いました。今回のこの短編5話も主人公が若者でした。 1話:仁志野町の泥棒 2話:石蕗南地区の放火 3話:美弥谷団地の逃亡者 4話:芹葉大学の夢と殺人 5話:君本家の誘拐 個人的には5話が一番...続きを読む面白かったです。育児によるストレスから、ふっと置き去りにしてしまうというトラブルの所は印象に残りました。自分も考えさせられる内容でした。他の1~4話も良かったです。2話の放火事件も良かったし、4話の女性が転落した事件も本質が分かって面白かったです。4話は特に「辻堂ゆめ」作の「今日未明」に出てきそうなストーリーでした。
5つの短編集で構成されているので、移動の隙間時間でちょっとずつ読むことができました。 こういう短編集だと登場人物が連動しているのを期待したがそれぞれの話が独立していて、その繋がりはなさそうでした。けれど後書きの対談で林真理子さんは繋がりが感じられたと言っていたので、何か見落としてたようです。 5人の...続きを読む女性視点で話は進んでいくが、5人とも主人公らしくないというか、少しズレた感性を持っているところが独特。読んだ後のちょっとした後味の悪さは、自分自身に多少でも通じるものを感じてしまったからなのでしょうね。
どのストーリーも秀逸な短編集でした。辻村深月さんファンになりつつある、、。 全て女性が主人公なので、おっさんが知り得ない心理も得られた気になりました。 半分は、しょうもない男と惚れてしまった女性の話。 男って馬鹿だなぁと思う一方、女って見栄っ張りだなぁというストーリー(どんなストーリー) 見栄...続きを読むっ張りで馬鹿な私はジェンダーレス。
割と関心をもって考えてしまうことのひとつに「どこまでが罪ではなくて、どこからが罪なのか」ということがある。というのも、そもそも見つからなかったり気づかれなかったら罪にはならないし、罪をしていることに自ら気づかなかったり意識がなくても罪になる(でも減刑されたりする)。 また、罪とは法律だけの問題なのか...続きを読む。境界線はあるけれど、その線はぼんやりしていて幅があるのではないか。 そんな、どこか遠い世界のようで、とてもリアリティの持てる視点からえがかれた短編集だった。
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鍵のない夢を見る
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辻村深月
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かがみの孤城
冷たい校舎の時は止まる(1)
かがみの孤城 1
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傲慢と善良(1)
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冷たい校舎の時は止まる(上)
噛みあわない会話と、ある過去について
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