作品一覧

  • 対談・文学と人生
    値引きあり
    -
    1巻781円 (税込)
    独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より>
  • クラシック リバイバル 日本名城紀行1
    -
    1~6巻605円 (税込)
    文豪たちが描いた日本の「名城紀行」が復刊。 1977~78年に小学館より発刊された「探訪日本の城」シリーズに掲載された作家の紀行文の復刊。 第1巻は森敦、藤沢周平、円地文子、杉浦明平、飯沢匡、永岡慶之助、奈良本辰也、北畠八穂、杉森久英の9名の文豪たちが個性豊かに描く日本各地の名城紀行である。 視点も作家により様々で、ガイドブックとはひと味もふた味も異なる城案内。史料をベースにまとめる作家もいれば、自分や家族とのかかわりから展開していく作家もいて、実にバラエティに富んでおり、時間が経っても色あせない名文揃いで、城マニアにもお勧めの一冊。
  • P+D BOOKS 私家版 聊齋志異
    -
    1巻550円 (税込)
    奇々怪々、不朽の怪奇説話の名翻案19話! 中国清代、巷で口承される怪異譚を蒲松齢(ほしょうれい)が書き綴った、怪奇短編集の白眉とされる『聊斎志異』。芥川龍之介、太宰治、澁澤龍彦、司馬遼太郎、F.カフカなど多くの作家も魅了され、影響を受けてきた。 森敦がこの500余話から選び抜き、私家版で19話を翻案した。生き生きと、且つ深みのある筆致が見事だ。妖術、呪い、幽霊など摩訶不思議な事象に加え、酒好き、大食らい、ひょうきん者、試験に落ち続ける男、母と暮らす嫁の来てのない男らが登場し、現代にも通ずる親しみ、可笑しみも溢れている。
  • 月山・鳥海山
    4.3
    1巻896円 (税込)
    いまも読み継がれる、芥川賞史上最高作と名高い小説 出羽の霊山・月山の山ふところにある破れ寺に、ひとりの男がたどりつく。炉ばたでひたすら割り箸を作り続ける寺の男、女たちによる念仏のあつまり、庭を見せようと豪雪にもかかわらず雪かきにはげむ老人……。雪に閉ざされた山間のむらで、不思議な村人たちと暮しをともにするこの男が知った此の世ならぬ幽明の世界。芥川賞受賞作「月山」と、その姉妹篇ともいうべき「天沼」、著者の〈月山への道〉が浮き彫りにされる短篇集「鳥海山」を収録。 【目次】 月山  月山  天沼 鳥海山  初真桑  鴎  光陰  かての花  天上の眺め 解説 小島信夫
  • P+D BOOKS わが青春 わが放浪
    4.0
    1巻880円 (税込)
    太宰治らとの交遊から芥川賞受賞までを随想。 昭和49(1974)年、62歳にして『月山』で芥川龍之介賞を受賞した著者だが、弱冠20歳で華々しく文壇デビューした後、筆を擱(お)き長い長い流浪の旅に出たのは何故か。あまり世に知られていない、空白の40年間が垣間見える随想録である――。菊池寛に見出され、横光利一の推輓により、毎日新聞で『酩酊船(よいどれぶね)』を連載するなど前途洋々、将来を嘱望された若手作家だった森。同時代を生きた朋友・太宰治、壇一雄との交遊、太宰が『走れメロス』を執筆したエピーソードや、井伏鱒二や尾崎一雄、川端康成、谷崎潤一郎、志賀直哉らの名も日常生活を語る中で登場する。奈良や山形月山などで暮らした日々も綴られている。主に新聞の文化欄に掲載された文章だが、どんな短文にも筋が通った森流論理が窺える。
  • 酩酊船 森敦初期作品集
    値引きあり
    -
    1巻877円 (税込)
    昭和9年、横光利一の推輓で新聞連載された、森敦22歳の文壇デビュー作「酩酊船」。小説を書きはじめようとする青年の思考を日記やノートで辿ることそれ自体が、その小説の実現を意味するという冒険的試みで、のちに独自の創作理論を打ち立てることとなる著者の資質がいかんなく発揮される。そのほか19歳の作「酉の日」から36歳の作「夏の朝」まで、貴重な初期作品5篇を精選。
  • 意味の変容
    5.0
    1巻550円 (税込)
    光学工場、ダム工事現場、印刷所、およそ「哲学」とは程遠い場所で積み重ねられた人生経験。本書は、著者がその経験の中から紡ぎ出した論理を軸に展開した、特異な小説的作品である。幽冥の論理やリアリズム1.25倍論など独自の世界観・文学観から宗教論・数学論まで、著者の創作活動のエッセンスが凝縮された奇跡的な作品。
  • 月山・鳥海山

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    「食って、寝て、起きそして食べる」

    森敦(1912-1989)の『月山』は1974年に第70回芥川賞を受賞した作品で、
    森は62歳、黒田夏子が75歳で受賞するまでは最年長記録だったそうです。
    この度文春文庫で新装版が出たので手にとってみました。
    そして驚愕で身が震えるほど感動しました。

    月山の麓にある古ぼけたお寺に一冬居候することになった「私」。
    本を読むでもなく、絵を描くでもない私は、
    寺の仕事手伝うでもなく雪深い農家をただぶらりとし、農家の人々の話を聞く。
    「私」がやったことといえば、お寺の隙間風を防ぐため
    お寺にあった古い古い祈祷帖の和紙で蚊帳をつくっただけ。
    あとは寺男のじいさまが

    0
    2017年08月03日
  • 意味の変容

    Posted by ブクログ

    おもしろいから読んだらいいと思う。ひどいと思う。「と思ってた」ことを無理矢理わかりやすく説明してもらってるけどしてもらえばしてもらうほどちんぷんかんぷんな説になってそれでも真顔で神妙にしてるへんたいのおっさんを興味深いな〜と思って眺め続けてる暇な快楽だけど妙に言ってることがふとわかったりしてエクスタシー! 感じたと思ったらまださらに話と転換が続いてて「お、おっ」てコケて(リアクション)また聞いてる、って感じですか違いますかそうですか。いやもう大好き(で、興味向かない時は話聞かない自由なボケていたらくOKな自分を許せる直球なおっさん。と勝手にしてる。)意味の変容だよね〜、とそのタイトルには勝手に

    0
    2009年10月04日
  • 月山・鳥海山

    Posted by ブクログ

    森敦さんといえば最高齢(62歳)で芥川賞を受賞したという印象、
    それは1974年のことで
    のちに(2013年)黒田夏子さんが75歳で受賞なさって記録が塗り替えられた
    そのことも話題になった

    すなわち、世に知られるのが遅いということである
    そのような作家の作品は奥深いかもしれない

    という期待を裏切らない、森敦さんの『月山』を初読みで
    なるほど、ストーリの内容としても文章としても味わい深いのであった

    枯淡かな思えば、この物語の主人公の年齢はまだ若いらしい

    「未だ生を知らず
    焉(いずく)んぞ死を知らん」

    などと扉に掲げて、実社会からの逃避して
    月山という奥深い雪山寺での極貧生活

    0
    2019年03月10日
  • 月山・鳥海山

    Posted by ブクログ

    東北の雪深い山の雰囲気に染まれる。芥川賞受賞の月山が特に人間模様などがあるので面白い。庄内セミナーの下調べに。

    0
    2018年09月02日
  • P+D BOOKS わが青春 わが放浪

    Posted by ブクログ

     森敦の放浪生活のいったんが書かれているとはいえ、やはり記憶に強く残っている物語が繰り返し語られることが多く、わけても作品ともなった月山での生活は特別なものだったようだ。すっかり荒廃した注連寺(ちゅうれんじ)で一冬過ごすことを決めたというのだが、雨戸も朽ちてぼろぼろでふすまと障子をたてて古い祈祷簿で蚊帳をつくりその中で過ごしたという。吹雪けば雪が吹き込んでくるかような様子だったようで、さながらサバイバル生活。

     そうかと思えば奈良での暮らしもなんどとなく描かれる。まるでコピーでもしたのかというくらいにほぼ同じ文章が長々と必ずついてまわることにちょっと感動を覚えるくらいだ。奈良公園からつらなる

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    2016年08月08日

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