森敦のレビュー一覧

  • 月山・鳥海山

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    「食って、寝て、起きそして食べる」

    森敦(1912-1989)の『月山』は1974年に第70回芥川賞を受賞した作品で、
    森は62歳、黒田夏子が75歳で受賞するまでは最年長記録だったそうです。
    この度文春文庫で新装版が出たので手にとってみました。
    そして驚愕で身が震えるほど感動しました。

    月山の麓にある古ぼけたお寺に一冬居候することになった「私」。
    本を読むでもなく、絵を描くでもない私は、
    寺の仕事手伝うでもなく雪深い農家をただぶらりとし、農家の人々の話を聞く。
    「私」がやったことといえば、お寺の隙間風を防ぐため
    お寺にあった古い古い祈祷帖の和紙で蚊帳をつくっただけ。
    あとは寺男のじいさまが

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    2017年08月03日
  • 月山・鳥海山

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    森敦さんといえば最高齢(62歳)で芥川賞を受賞したという印象、
    それは1974年のことで
    のちに(2013年)黒田夏子さんが75歳で受賞なさって記録が塗り替えられた
    そのことも話題になった

    すなわち、世に知られるのが遅いということである
    そのような作家の作品は奥深いかもしれない

    という期待を裏切らない、森敦さんの『月山』を初読みで
    なるほど、ストーリの内容としても文章としても味わい深いのであった

    枯淡かな思えば、この物語の主人公の年齢はまだ若いらしい

    「未だ生を知らず
    焉(いずく)んぞ死を知らん」

    などと扉に掲げて、実社会からの逃避して
    月山という奥深い雪山寺での極貧生活

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    2019年03月10日
  • 月山・鳥海山

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    東北の雪深い山の雰囲気に染まれる。芥川賞受賞の月山が特に人間模様などがあるので面白い。庄内セミナーの下調べに。

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    2018年09月02日
  • P+D BOOKS わが青春 わが放浪

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     森敦の放浪生活のいったんが書かれているとはいえ、やはり記憶に強く残っている物語が繰り返し語られることが多く、わけても作品ともなった月山での生活は特別なものだったようだ。すっかり荒廃した注連寺(ちゅうれんじ)で一冬過ごすことを決めたというのだが、雨戸も朽ちてぼろぼろでふすまと障子をたてて古い祈祷簿で蚊帳をつくりその中で過ごしたという。吹雪けば雪が吹き込んでくるかような様子だったようで、さながらサバイバル生活。

     そうかと思えば奈良での暮らしもなんどとなく描かれる。まるでコピーでもしたのかというくらいにほぼ同じ文章が長々と必ずついてまわることにちょっと感動を覚えるくらいだ。奈良公園からつらなる

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    2016年08月08日