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佐藤浩市の父、孤高の名優三國連太郎の全て 老いて演じられなくなることを死ぬことよりも恐れていた三國連太郎。役者としての自身を最後まで厳しく追求し続けたその生涯を描く。 単行本 2020年4月 文藝春秋刊 文庫版 2025年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
どこか不気味で得体の知れない、掴みどころのない俳優だと思っていた。役を演じている時が虚で、素の自分が実だとしたら、この人の場合虚実が逆転し俳優三國連太郎こそが実で私生活ではその実のために安定を嫌い虚の世界に生きたのか。
三國連太郎と言えば「釣りバカ日誌」のスーさん、アパレルブランドのパパスのモデルなんかもやっていた好々爺のイメージ。 しかし本を読むととんでも無い。貧困の幼少期。親父に殴られ家出をしてそのまま中国へ密航し放浪生活。徴兵されても終始反戦、厭戦的行動。戦後帰国して映画デビューするも5社協定を平気で破りし...続きを読むばらく業界から干される。私生活では取っ替え引っ替えの女性遍歴。監督との衝突は屁とも思わず、自分の演技哲学を曲げない頑固者。などなど、いい意味で自由な生き方を貫いた人だが、強烈なエゴイスト。 しかし周りは迷惑だったろうなぁ。過去の雑誌インタビューでも言うことが食い違い、どこまでが本当か嘘なのか分からない、と著者も書いている。普通の人では計り知れない掴みどころ無い人。文中にも「こういう俳優は2度と現れない」というのは本当そう思います。
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